レミケード/抗TNF製剤

▼レミケードとは?

「レミケード」は関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの治療薬です。抗TNF製剤と呼ばれる種類の注射剤です。田辺三菱製薬、最大の主力製品で、年間の売上高は600億円を超えます(2016年度売上高:668億円)。

「レミケード」は、体内で異常に増えている TNFα(ティーエヌエフ・アルファ)という物質の働きを抑えることにより、症状を改善します。TNFαは、炎症や痛みの発現に起因している体内の物質です。主に関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、乾癬に使われています(クローン病、ベーチェット病、強直性脊椎炎、川崎病などの適応もあり)。

「レミケード」を1回投与した月の薬剤費は約5万円と高額です。「レミケード」を2回投与した月や、点滴1回あたりの投与量を増やした月は、多くの場合、高額療養費制度が適用され、自己負担額が少なくなります。ただ、2017年8月に高額療養費の制度改正が行われましたので(70歳以上の上限額が改定)、高齢者の方はきちんと確認した方が良いと思います。

▼レミケードBS

特許が切れているため、2014年に日本化薬がバイオシミラー(BS:バイオ後続品)を発売していますが、シェアは2%程度とまだまだ普及していません。2016年8月時点で、日本の「レミケードBS」の使用率は世界的に見ても0.3%と、最下位から2番目の低い普及率です(トップはポーランドの99.8%)。日本ではいまのところ、国としてのバイオシミラー使用促進策がないため、バイオシミラーに対する医療関係者への理解がなかなか進んでいかない、というのが現状です。

▼リウマチの治療

リウマチの治療方法は大きくふたつに分類できます。
【1】:痛みをとりのぞくの薬(非ステロイド性鎮痛薬、ステロイド)
【2】:炎症をブロックしてリウマチ自体を抑える薬(抗リウマチ薬)

抗リウマチ薬は大きく3つに分類できます。
【1】免疫調整薬:リマチル、アザルフィジン、シオゾール他
【2】免疫抑制薬:ブレディニン、リウマトレックス他
【3】生物学的製剤:レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ他

関節リウマチ治療薬は、売上の伸長が著しく、特に「ヒュミラ」、「アクテムラ」、「シンポニー」、「オレンシア皮下注」は二桁成長しています(2016年現在)。なお「ヒュミラ」は、世界での売上が5年連続の1位で、年商160億ドルを超えている驚異的なブロックバスターです。

▼アクテムラとの違い

「アクテムラ」は、最先端のバイオテクノロジー技術によって開発された国産の生物学的製剤です(「レミケード」よりも新しい薬です)。2008年に新たに“既存治療で効果不十分な、関節リウマチ”への適応が追加承認されました。
炎症に関連するサイトカインは何種類もあるのですが、その中でも関節リウマチの要因となるのが“TNFα”と“IL6”というサイトカインです。「レミケード」はTNFαをブロックするのに対し、「アクテムラ」はIL6の働きをブロックします。つまり、ターゲットが異なります。「レミケード」を使っていて、効果が出ない場合や副作用がひどい場合は、「アクテムラ」へ切り替えることで改善が期待できるかもしれません。

▼リウマチに関連する薬




▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、世界中の旅行を愉しむ家族のイメージです。医薬広告の世界では、このような気をてらわないQOL向上を連想させるイメージが好まれています。見たことがないようなインパクトの強いビジュアルは、強く印象に残りますが、共感を抱きにくいという欠点があり、製品イメージの向上に繋がりません。医薬のデザインにおいては、“普通の人の普通の感覚”というものが大切になってくると思います。この【普通】の匙加減が難しいですが・・・。

スポンサードリンク

製品名:レミケード点滴静注用100
一般名:インフリキシマブ(遺伝子組換え)
抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤
田辺三菱製薬

関連記事

カテゴリー

ピックアップ

  1. イフェクサー/3つ目のSNRI

  2. マイラン

  3. イルベタン/アンチ・メタボな高血圧治療に

  4. イルベタン/通称メタボサルタン

スポンサードリンク

コラム

  1. ダラス・バイヤーズクラブと抗HIV薬の進化

    HIV陽性の男がエイズの薬を外国から密輸し、密売する映画『ダラス・バイヤーズクラブ』を観ました。

注目の医薬広告

  1. DSSによる新しい扉をひらく。
  2. 取り戻したいのは、穏やかな日常守りたいのは、記憶の絆▼メマリーとは?「メマリー」は、アル...
モイスティシモ