レバチオ/肺動脈性肺高血圧症、初のPDE5阻害薬

肺動脈性肺高血圧症治療に
初めてのPDE5阻害薬

※PDE5(ホスホジエステラーゼ5)

▼レバチオとは?

「レバチオ」は、PDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)と呼ばれる肺高血圧症の薬です。主に肺動脈性肺高血圧症の治療に処方されます。

「レバチオ」の主成分“シルデナフィル”は、勃起不全治療薬「バイアグラ」として有名です(そのためか、海外では“持続勃起症”という副作用が報告されています)。肺高血圧症の発現要因のひとつである“一酸化窒素経路(NO-sGC-cGMP)”に着目して開発されました。当初は保険適用外でしたが、効果が認められて、薬価収載となりました。

「レバチオ」は、中等度からやや重い肺動脈性肺高血圧症に対して、最も推奨度の高い治療薬として位置付けられます。単剤で効果不十分な場合は、作用機序が異なるエンドセリン受容体拮抗薬(ERA)や経口プロスタサイクリン誘導体製剤(PGI)と併用可能です。

▼肺動脈性肺高血圧症とは?

肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、若年者に発症し、特発性の肺高血圧症の他に膠原病などに合併する肺高血圧症を含む分類の総称です。10年前までは有効な治療法がない難病でしたが、現在ではいくつもの治療薬が開発され、早期の診断によっては予後が改善されることも明らかになっています。

PAHというのは、具体的には心臓から肺に血液を送る肺動脈が狭くなって、肺動脈の血圧が高くなる病気です。肺動脈の血流悪化によって、息切れ、呼吸困難、疲労、運動能力低下などが生じて、日々の暮らしに支障がでてきます。進行すると心不全を引き起こす場合があり、見過ごせない症状です。

「レバチオ」は、こういった症状を改善する肺動脈性肺高血圧症治療薬です。血管拡張物質(cGMP)を増やして肺動脈を拡張し、結果的に肺動脈の血圧を低下させます。肺の血の巡りが良好になると、息切れや呼吸困難が和らぎ、運動の耐久性や許容量の向上へ繋がります。また、血圧を安定させることは、病気の進行を遅らせ、長寿の可能性を高めます。

▼レバチオの副作用

主な副作用は、血管拡張作用によって生じる頭痛、ほてり、潮紅、めまいなどです。その他に消化不良、吐き気、下痢、腹痛などの胃腸関連の症状も報告されています。

滅多にありませんが、“持続勃起症”という副作用が外国で報告されています。万が一、勃起が数時間以上続く場合は、速やかに医師に連絡してください。

一過性の症状ですが、視覚異常が多くはないものの認められています。「全体に青味がかって見える」「青と緑の判断が難しい」「眼がかすむ」「まぶしい」という異常な見え方になる症状です。車の運転や機械の操作をする際には、注意が必要です。

▼その他の注意

急激な聴力低下や突発性難聴(耳鳴り、めまいを伴うことがある)があらわれた場合には、直ちに耳鼻科を受診してください。また、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)のリスクも報告されています。著しい視力の低下を伴うため、注意してください。視力の低下や視力喪失を感じた場合には 速やかに眼科専門医の診察を受ける必要があります。

▼その他の血管拡張薬


▼キードクター
木村 弘先生(奈良県立医科大学 内科学第二講座 教授)
田邉 信宏先生(千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学 准教授)
仁多 寅彦先生(聖路加国際病院 呼吸器内科)
西 裕太郎先生(聖路加国際病院 循環器内科 医長)
岡田 正人先生(聖路加国際病院 アレルギー手膠原病科 部長)

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、肺のカタチをした大きな木です。細かく分かれた枝葉を、気管支と肺胞に見立てています。「肺に関係する薬なのだな」ということが、ひと目で判る広告に仕上がっています。

一般名:シルデナフィル クエン酸塩
製品名:レバチオ錠20mg、ODフィルム20mg、懸濁用ドライシロップ900mg
循環器官用薬/ホスホジエステラーゼ5阻害薬
ファイザー

関連記事

カテゴリー

スポンサードリンク