ナゾネックス/小児適応が追加

Strong & Powerful
アレルギー性鼻炎の小児適応が追加されました。

▼ナゾネックスとは?

「ナゾネックス」は、鼻の炎症を改善するための噴霧式のアレルギー性鼻炎薬です。アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜で拒否反応が起こり、炎症が起きてしまう疾患です。具体的な症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻のそう痒感です。アレルギー性鼻炎には、季節性と通年性の2種類あります。季節性は主にスギ花粉やヒノキ花粉が原因のアレルギーで、通年性はカビやほこり、ダニなどが原因のアレルギーです。

「ナゾネックス」の有効成分“モメタゾン フランカルボン酸エステル”はステロイドの一種です。ステロイドの持つ炎症を抑制する強い効果で、鼻腔内の炎症を改善します。比較的速く効く薬で、服用後2~3日で改善を感じられます。他の抗アレルギー薬では効果が弱い鼻づまりに対しても有効で、特に鼻閉型の鼻づまりに繁用されています。

重い鼻閉型(鼻づまり)アレルギー性鼻炎では、まず血管収縮性薬で鼻の通りを良くします。その後、「ナゾネックス」のようなステロイド点鼻薬へ切り替えるのが一般的です。血管収縮薬は長く使い続けると“薬剤性鼻炎”(使用直後は改善するがしばらくすると使用前よりも状態が悪くなる)という状態を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

▼小児適応が追加

「ナゾネックス」は子供に対する有効性と安全性が確認されており、2012年5月に“アレルギー性鼻炎の小児適応”が追加されました。用法・用量については、成人とは分けて設定されています。成人に比べると、小児への使用が認められているアレルギー性鼻炎治療薬はまだ少ないので、新しい選択肢として期待されています。

【12歳未満】:1日1回、1噴霧
【12歳以上】:1日1回、2噴霧

▼ナゾネックスの臭い

発売当初「ナゾネックス」には、噴霧するとドリアンのような強烈な臭いがするという欠点がありました。その後、現場からの強い要望で無臭化への改良が加えられ、2010年10月に無香製剤として処方変更が承認されました。

▼ナゾネックスの副作用と注意点

正しい方法で噴霧しないと、鼻中隔などの粘膜がステロイドで弱り、鼻血が出ることがあります。きちんと上へ向けて噴霧することが重要です(具体的な使用方法は説明書を参照して下さい)。
「ナゾネックス」は局所的に用いるので噴霧式ですので、飲み薬のステロイドにみられるような全身性の副作用は、ほとんど心配ありません。身体に入るステロイドの量は少ないので、安全性の高いステロイド薬と言えます。

▼ナゾネックスのジェネリック

「ナゾネックス」のジェネリック(後発品)としては、オーソライズド・ジェネリック(AG)として、杏林製薬が製造承認を取得していますが、発売時期は未定です。特許の切れた先発品の落ち込みをカバーするAGへの置換え戦略は、どのメーカーも軒並み成功を納めていますので、今後も拡大していきそうです。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、自転車競技の少年です。ユニフォーム姿がカッコイイですね。ひと目で“小児も使える”ということが分かります。「Strong & Powerful」という製品コンセプトから、23日間起伏に富んだコースを走り抜く自転車競技の最高峰“ツール・ド・フランス”が想起されます。少年のユニフォームに、製薬会社名や有効成分や製品名が自転車競技のスポンサー風に配置されているのが面白いです。細かい遊び心が、製品ブランドの世界観を手触りのあるものに昇華しています。



一般名:モメタゾン フランカルボン酸エステル
製品名:ナゾネックス点鼻液50μg,56噴霧用,112噴霧用
耳鼻科用剤/副腎皮質ホルモン(ステロイド)/定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤
MSD

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