グレースビット/クラビットとの違い

「先発ローテーション、グレースビット」

「グレースビット」は、ニューキノロンと呼ばれる抗菌薬です。細菌によって起こるさまざまな感染症に使われています。主に、呼吸器感染症、尿路感染症、耳鼻科領域の感染症などに用いられます。感染症とは、最近が人体に侵入して暴れる病気です。具体的には、腫れや発赤を生じたり、化膿したり発熱したり、悪影響をもたらします。

病原微生物には、細菌、ウイルス、真菌(カビ)などが含まれますが、「グレースビット」が有効なのは “細菌”による感染症です。グラム陽性菌や陰性菌をはじめ、クラミジアやマイコプラズマという細菌にも効果が期待できます。本来、一般的なウイルス性の風邪には無効なのですが、細菌による二次感染時やその予防のために「グレースビット」を処方されることがあるかもしれません(私も風邪でクラビットを処方されたことがあります)。

「グレースビット」は従来の抗菌薬に比べて抗菌力が強く、いろいろな細菌に有効なのが特徴です。飲み薬では治療の難しかった難治性の感染症にもよい効果を示します。副作用も少ないです。ニューキノロン系は、アレルギーを起こすことが少なく、他の抗生物質にアレルギーのある人にも使われます。抗菌力が強い反面、副作用の下痢や軟便の発現頻度が高いので、第2選択薬といったポジションです。

ニューキノロン系抗菌薬の作用機序は簡単に記すと「DNA合成阻害」です。すなわち、細菌が持つDNAジャイレースおよびトポイソメラーゼといったDNA合成に必要な酵素の作用を阻害し、その結果細菌のDNA複製が阻害されます。こうして細胞分裂ができなくなった細菌は死滅に至るというわけです。

▼クラビットとの違い

「グレースビット」と「クラビット」は、どちらもニューキノロン系抗菌薬に分類される薬です。この2剤は同様の作用機序なので、効果や副作用、使用上の注意もほぼ同じです。実は、「グレースビット」と「クラビット」はどちらも第一三共で開発された薬剤で、「グレースビット」は「クラビット」を改良して作った抗菌薬です。
「クラビット」は非常に効果的な抗菌薬で、多くの疾患に対し長年に亘って頻繁に使用されてきました。抗菌剤は長く使っていると“耐性菌”が現れることが判っていますが、次第に「クラビット」が効かないケースが報告されるようになってきたのです。そうした経緯から改良を重ね、新しく「グレースビット」が開発された訳です。「グレースビット」はクラビット耐性菌に対しても、有効な抗菌作用が認められています。また、耐性菌の出現を防ぐために、適応疾患をあえて「クラビット」よりも絞り込んでいます。耐性菌の数の違いが「グレースビット」と「クラビット」の大きな違いと言えます。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、野球の先発ピッチャー。どちらかと云うと、キャッチコピーありきのビジュアルイメージです。インパクトはありませんが、医薬品広告の「トーン&マナー」を守った好感の持てる絵柄です。“先発ローテーション”と言っていますが、現実は「クラビット」が効かない時の“中継ぎ投手”といった役割です。ただ、将来的に「クラビット」の球威が弱まった時には、先発エースに成る可能性を充分に秘めていると思います。

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一般名:シタフロキサシン水和物
製品名:グレースビット錠50mg,細粒10%
キノロン/広範囲経口抗菌製剤
第一三共

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