プレベナー/Prevention COMING SOON

Prevention COMING SOON

▼Prevention:予防・防止

「Prevention」とは「予防・防止」という意味の言葉です。
肺炎球菌ワクチン「プレベナー」のティザー広告です。「プレベナー」のメインターゲットは乳幼児だったのですが、このひと月後に【高齢者における肺炎球菌感染症の予防】ということで、効能・効果が追加になります。この広告は、その予告ということですね。

「ティザー効果」というのは、映画のプロモーションなどで頻繁に使われている心理学の手法で、対象に少しずつ接することでいつの間にか親しくなる、という心理状態のことです。「プレベナー」のビジュアルもそういった効果を狙っています。

▼医薬品の広告計画

通常、医薬広告の世界では【ティザー広告(製品名なし】」→【発売準備中(薬価未収載)】→【新発売(薬価収載)】→【投薬期間制限解除】→【記事広告など】→【1周年】→【規格追加、適応追加など】→…という流れが一般的です。なぜかというと、広告計画を立案するのには年間の総予算があり、新製品の上市の場合は、出稿時期など一年間の流れがあらかじめ決まっているからです。

効果的な広告効果を得るためには、媒体(専門誌や学会誌、webやダイレクトメールなど)のメディアミックスを考慮しながら、出稿時期や露出度、コストを調整していきます。

▼肺炎とワクチン

肺炎は、日本において死因の第3位です。普段の暮らしの中で感染する肺炎の原因菌は、肺炎球菌がもっとも多いと言われています。特に高齢者は肺炎がきっかけで死に至るケースが多く、深刻です。肺炎球菌ワクチンを接種することは、肺炎の予防に非常に効果的と云えます。

ワクチンが必要な疾患は、治療法が確立されていないか、治療が困難で重い後遺症を残す病気がほとんどです。水痘やおたふく風邪は、罹っても軽く済むと考えている人がほとんどですが、水痘は脳炎に発展して死亡するケースもあり、おたふく風邪は難聴などの深刻な後遺症が残るケースもあります。

その中でも乳幼児の疾患で一番怖いのは、肺炎球菌性髄膜炎です。肺炎球菌による髄膜炎の死亡率は約2%と言われ、後遺症が残る場合が約19%と報告されています(平成19〜21年度厚生労働省調べ)。

欧米から遅れること十数年、2010年から小児肺炎球菌ワクチンの接種が可能になり、ようやく日本でも乳幼児を細菌性髄膜炎から守ることが出来るようになりました。

シニアをターゲットにしている肺炎球菌ワクチンは、他に「ニューモバックス」があります。ニューモバックスとプレベナーは同じ肺炎球菌のワクチンですが、ワクチンの種類が異なっています。ちなみに高齢者の場合、プレベナーは薬価基準:適用外です。費用が大幅にアップする場合もあるので、注意が必要です。助成金(公費)補助の対象であるか、きちんと確認してから接種に臨みましょう。

▼肺炎による入院リスクの低下(追記:2018年6月)

アメリカのファイザー本社は「プレベナー13」(PCV13)について、65歳以上の高齢者でワクチン血清型市中肺炎(CAP)による入院リスクを約70%減少させたという臨床研究結果を発表しました。研究では、約3年間、救急病院9ヶ所で入院した患者を調査。期間中に「プレベナー13」を接種された入院患者とされなかった患者を比較しました。その結果、ワクチンの接種によって13種類の血清型に起因する血清型市中肺炎(CAP)の予防が73%可能だったことが示唆されました。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、プレベナーのシンボルマークの輪と「Prevention」の文字。全体がシンプルなおかげで、メッセージがより強い広告になっていると思います。期待感を感じさせる清々しいビジュアルです。


一般名:細菌ワクチン類
商品名:プレベナー13 水性懸濁注
沈降13価肺炎球菌多糖体ワクチン
ファイザー
武田薬品工業

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