タリオン/COOL and STRONG

「COOL and STRONG」 いざ、アレルギーに負けない日本へ!

▼タリオンとは?

「タリオン」は、アレルギーの症状をおさえる“第2世代抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)”と呼ばれる薬です。

第1世代で課題だった口渇や排尿障害といった副作用が発現しないように改善されています。また、脂溶性が低く成分が脳内に入りにくいことから、眠気の副作用も軽減されています。安全性も高く、眠くなりにくいことから、花粉症や動物アレルギーなど、アレルギー性疾患に幅広く処方されています。

「タリオン」は比較的速効性で、持続時間も長めです。特に、くしゃみ・鼻水に効果が高いのが特徴です。アトピー性皮膚炎に対しては、そう痒感の軽減を期待して処方されることもあります。

抗アレルギー薬の売上は、「アレグラ」と「タリオン」がトップツーでしのぎを削っています。「アレグラ」と「タリオン」は同じヒスタミンH1系の第2世代の抗ヒスタミン薬ということもあり、良く比較されるライバルです。どちらも新薬の特許が切れてジェネリック(後発品)が出ており、全盛期に比べて売上は下降気味です。

「タリオン」には重大な副作用は今のところ報告されていませんが、「アレグラ」に関しては%は低いものの肝機能悪化の副作用報告があります。「タリオン」も「アレグラ」も長期で服用する場合は、飲み始めから数ヶ月間は、定期的に肝機能検査を受けた方が安心です。

▼タリオンとアレグラの売上比較

タリオンの売上 2015年度:168億円 2016年度:189億円 2017年度:169億円
アレグラの売上 2015年度:272億円 2016年度:222億円 2017年度:168億円

▼アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の比較

アレルギー性疾患に対する治療薬には作用機序の異なる多くの製剤が出ていますが、抗ヒスタミン薬の選択でポイントとなるのは、【作用時間】(1日1回投与か1日2回か)と【インペアード・パフォーマンス】(非鎮静性かどうか)という点です。近年は、眠気などの中枢神経抑制作用を軽減した【非鎮静性】で長時間作用型である第2世代抗ヒスタミンH1受容体拮抗薬の使用頻度が高くなっています。

非鎮静性 脳内受容体占拠率:10%以下
軽度鎮静性 脳内受容体占拠率:10〜50%
鎮静性 脳内受容体占拠率:50%以上

※インペアード・パフォーマンス:抗ヒスタミン薬の副作用で、集中力や判断力、作業能率が低下すること。10%以下であれば【非鎮静性】に属し、インペアード・パフォーマンスは起こりにくい。

アレロック 眠気高い、効果強い、比較的速く効く、1日2回、軽度鎮静性
ジルテック 眠気やや高い、効果やや強い、1日1回、アルコール注意、軽度鎮静性
タリオン 眠気やや低い、効果やや弱い、1日2回、非鎮静性
デザレックス 眠気低い、効果弱い、1日1回食事に関係なく服用可、非鎮静性
クラリチン 眠気低い(パイロットも服用可)、効果弱い、1日1回、薬価安い、非鎮静性
アレグラ 眠気低い(運転OK)、効果弱い、1日2回、非鎮静性

※効き目や副作用には個人差があります。





アレルギー・花粉症カテゴリ10%OFFセール

▼タリオンの副作用

眠気、倦怠感、頭痛、頭重感、口渇、吐き気、発疹、肝機能値の異常

副作用はほとんどありません。抗ヒスタミン薬で多い眠気の副作用も軽減されています。頻度は少ないですが、発疹、赤化、かゆみなどの副作用が報告されています。副作用については、服用する人の体質が影響すると思いますので、医師と良く相談した上で、指示にしたがって服用することが大切です。

▼タリオンのジェネリック

「タリオン」のジェネリックは、2016年末に一度発売が検討されましたが、物質特許の関係でその時は見送られてしまいました。しかし、2018年3月1日にAG(オーソライズド・ジェネリック)として、ニプロから「タリオン」の後発品が発売される見通しです。「タリオン」の物質的な特許は、2017年の12月で満了となります。

これで、抗アレルギー薬のジェネリックがほぼ出揃うことになりました(「ザイザル」の後発品は未発売)。抗アレルギー薬は、長期的に飲み続けることになる薬ですので、価格の安いジェネリックが出揃うことは患者にとって少なくないメリットだと思います。

▼追記
2018年3月1日に、「タリオン」のジェネリック医薬品“ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「タナベ」”が発売されました。薬価は23.2円(2018年3月現在)。添加物、製造法などが全く同じオーソライズド・ジェネリック(公認後発品)です。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、言わずと知れた「ゴジラ」ですね。迫力があります。イメージキャラクターにウルトラマンを起用している「トビエース」とコラボレーションしたら、面白そうです。

芸能人やキャラクターを使ったキービジュアルは、俗に“権利物”と呼ばれています。その製品が達成したいイメージに合った芸能人やキャラクターを起用することで、外部の力を借りてブランド構築を行うという【ブランド・アソシエーション】と呼ばれるマーケティング戦略です。

ブランドイメージを構築するのに、海外の場合、その企業が持っている理念や製品が持っているビジョンを表現することが多いのに対し、日本では、ブランドイメージに芸能人やキャラクターを起用する手法が多いです(製薬の世界は少ない方ですが)。これは、世界的に見ても特異な現象です。

なお、以前の広告は、孫悟空のイラストだったのですが、「ストロング」な感じにイメチェンしてきました。たしかに、抗ヒスタミン効果は比較的強い薬ですが、副作用もほとんどないし、そんなに強い薬というイメージはないですけどね。ちなみに、私も服用しております。かなり良く効きます(個人の感想です)。しかし、こういう【権利物】は契約期間があるでしょうから、ブランドイメージとして長く続けにくいのではないでしょうか。


一般名:ベポタスチンベシル酸塩
製品名:タリオン錠5mg,10mg/OD錠5mg,10mg
選択的ヒスタミンH1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤
田辺三菱

関連記事

カテゴリー

スポンサードリンク