スーグラ/2型糖尿病治療の新パートーナー

2型糖尿病治療の新パートーナー

▼スーグラとは?

「スーグラ」とは、国内初の選択的SGLT2阻害薬です。従来のインスリン薬とは仕組みが違います。腎臓での糖再吸収を抑制することで血糖コントロールが改善され、HbA1cの低下を促します。インスリンとは無関係に作用しますので、低血糖を起こしにくいと言われています。基本的に他の糖尿病治療薬と併用して使います。インスリン注射薬を含めて、TZD、SU、BG、α-グルコシダーゼなど、すべての糖尿病治療薬との併用が可能です。新しい薬なので、長期服用時の有効性や安全性は、まだ確立されていません。2016年の時点で、「スーグラ」は一番売れているSGLT2阻害剤です。

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は遺伝性の疾患で(遺伝なので痩せている人や若い人も罹ります)、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。インスリン注射を打って、治療します。

一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。「スーグラ」は、2型糖尿病に対して使用する薬です。2型糖尿病治療では、薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、「スーグラ」のような2型糖尿病治療薬が処方されます。

糖尿病は食事療法、運動療法、薬事療法の3つが基本ですが、「スーグラ」を使うと、1日300kcalから400kcalを尿として排出すると言われており、人によっては体重がかなり減少します。そのようなケースでは、食事療法が占めていた負担は少なくなるのかもしれません。ただし、利尿作用があるため、急激に運動した後などでまれに脱水症状を起こす危険があります。

▼低血糖が起きやすい糖尿病治療薬

・グリニド系(シュアポストなど)
・インスリン(ランタスXRなど)
・スルホニル尿素薬(グリベンクラミドなど)

▼低血糖が起きにくい糖尿病治療薬

・DPP-4阻害薬(ジャヌビアトラゼンタなど)
・SGLT-2阻害薬(デベルザフォシーガなど)
・ビグアナイド薬(メトグルコなど)
・チアゾリジン薬(アクトスなど)
・α-グリコシターゼ阻害薬(セイブルなど)

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルに登場するのは、鷹匠の大塚紀子さんと鷹。非常に面白い起用です。
以前、TVで大塚紀子さんのドキュメンタリーを観たのですが、過酷な鷹の世界で奮闘する彼女が印象に残っています。「人と鷹はパートナーであり相棒です。鷹は自分を映す鏡のような存在」と語っていましたが、長く治療を続けていかなくてはいけない糖尿病治療薬にぴったりのキャッチコピーですね。鷹もカッコイイ。ただ単に動物をマスコット的に使っただけの広告とはひと味違う、印象に残る広告です。

▼SGLT2阻害剤とは?

SGLT2阻害剤は、比較的安全で質の高い血糖コントロールが期待できる薬剤です。体重の減少効果が特徴で、日本よりも肥満の多い欧米で注目度が高い薬です。HbA1cを下げるレベルはDPP-4阻害剤と同じようなレベルと言われ、食後血糖値も空腹時血糖も全体的に下げるため、血糖値はインスリンを使った時に近い挙動になります。低血糖を発症するリスクが少ないのもDPP-4阻害剤と同様です。最も適する糖尿病患者のタイプは“肥満でインスリンの分泌が比較的保たれている患者”ということになります。逆に、痩せている人や高齢者には注意が必要です。

副作用で気をつけなければいけないのは、尿路・生殖器感染症です。排泄される尿が糖分を多く含むようになるので、細菌が繁殖しやすくなります。膀胱炎、尿路感染症、膣カンジダ症といった副作用が現れることがあります。その他の副作用としては、発熱、頻尿、排尿痛、陰部の腫れやかゆみ、脇腹や背中の痛みなどが報告されています。

▼あらためて脚光が当たるSGLT2阻害剤

SGLT2阻害剤については、血糖降下作用や体重減少効果だけでなく、心血管イベントのリスク減少といった複合的な効果が明らかになりつつあります。2015年9月、ストックホルムで行われた「欧州糖尿病学会」において、エンパグリフロジン(ジャディアンスの有効成分)で心血管死亡率は38%も減少したという大規模試験の結果が発表されました。いま、欧米ではあらためてSGLT2阻害剤に脚光が当たっています。

大規模試験の結果でエビデンスが出てきたこともあり、日本糖尿病学会は2016年5月に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するレコメンデーション」の改訂を行いました。改訂の結果、高齢者でも適応可能と考えられる対象患者数が拡大しています。

SGLT2阻害薬は、直接的なインスリン分泌促進作用を持たず、体重減少やインスリン抵抗性の改善も期待できることが特徴です。肥満度が高い欧米では、病態に適しているということで高評価ですが、日本では“DPP-4阻害薬”に押されています。2016年の資料によれば、国内のSGLT2阻害薬の処方率は処方箋ベースで2〜3%程度だということです。日本では、圧倒的なDPP-4阻害薬の勢力に立ちすくんでいる状態ですが、臨床試験結果からの逆転はあるのでしょうか。

▼主なSGLT2阻害剤







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一般名:イプラグリフロジン L-プロリン
製品名:スーグラ錠25mg,50mg
SGLT2阻害剤/選択的SGLT2阻害剤(2型糖尿病治療剤)
アステラス
MSD

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