ベルソムラ/投薬期間制限解除

新しい眠りの世界へ。

▼ベルソムラとは?

「ベルソムラ」は2014年に発売された睡眠薬です。従来の不眠症治療薬と異なり、まったく新しい作用機序の睡眠薬として注目されている薬です。創薬のきっかけは、1999年に筑波大学の柳沢正史教授が世界で初めて発表した“オレキシン”の発見でした。

オレキシンは、睡眠と覚醒の切り替えを制御する脳内神経伝達物質で、この物質を基にアメリカの製薬メーカーのメルク社がオレキシンの覚醒作用を抑えることで睡眠を促す新しい睡眠薬を完成させました。オレキシン受容体(鍵穴)に、別の化学物質(カギ)を差し込み、オレキシンの行く先がなくなって覚醒しないようにするという仕組みです。

副作用が少ない分、眠りの効果はそれほど強力ではなく、マイルドです。あくまでも個人差がありますが、眠つくまでの時間で10~20分くらいの短縮、合計の睡眠時間で40分~50分くらいの増加が期待出来ると言われています。

▼美しい眠り

当初は、オレキシンの作用が阻害されるせいで人工的なナルコレプシー状態が起こる恐れがあると考えられ、良い睡眠薬にはならないだろうと言われていました。しかし、マウスを使った実験でナルコレプシーが起こらないことが判明し、製品化へと繋がりました。この睡眠薬は“美しい眠り”という意味を込めた「ベルソムラ」という製品名で2014年に承認され、世界に先駆けて一番初めに日本で発売されました。

睡眠薬の処方としては、「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」が主流となっていますが、今後「ベルソムラ」は睡眠薬の主流になれるのでしょうか。今後のデータに注目です。

※ナルコレプシー:急激な眠気に襲われ、全身の力が抜けて倒れ込むように寝てしまう病気。600人から2000人に1人ぐらいの割合で発症すると言われる。作家の阿佐田哲也が罹患していたことで有名。

▼ベルソムラの副作用

副作用には個人差がありますが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に良くみられる“ふらつき”や“記憶喪失”の副作用が少ないと言われています。翌朝も眠気が残るとか、夢を見る回数が増えるといったことはありますが、睡眠薬としては自然な範囲です。
また、従来の睡眠薬にある服用中止直後の反動(反跳性不眠、離脱症状)も少ない薬です。麻薬的な中毒になるような薬物依存症もありません。このような利点から、不眠症に対する新たな治療選択肢として期待されます。
しかし、現場でのデータが少ない新しい薬ということで、長期的な安全性についてはまだ未知数です。

【主な副作用】
眠気、めまい、倦怠感、ふらつき、頭痛、
悪夢、入眠時幻覚、金縛り、夢遊

▼ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピン系(ハルシオン、ドラールなど)はGABA-A受容体のオメガ1、オメガ2の両方に作用しますが、非ベンゾジアゼピン系(ルネスタなど)は、オメガ1受容体にしか作用しないという特徴があります。睡眠の仕組みに関連しているGABA-A受容体は、オメガ1と考えられています。オメガ2は、どちらかと言うと不安を抑える作用や、身体や手足のけいれんを抑える作用に関係していると言われています。つまり不眠症を改善するだけであれば、オメガ1にだけ作用する非ベンゾジアゼピン系の方が良いわけです。オメガ2に作用しないので、筋肉のゆるみやふらつきといった副作用を軽減することが出来るからです。耐性や依存性もベンゾジアゼピン系よりも少ないのではないかと言われています。薬価は、ベンゾジアゼピン系と比較して非ベンゾジアゼピン系の方が高いです。
「ベルソムラ」は、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系どちらでもない、全く新しい作用機序を持った睡眠薬です。

▼その他の睡眠薬


▼広告のキービジュアル

心地よく眠る女性と脳波のCGを組み合わせた絵柄です。コンピュータ・グラフィックを使ったことで、新しい感じが出ていると思います。不眠症は、女性の方が患者数が多いのでしょうか? プロモーションでは女性が起用されることが多いと思います。単純に見た目の美しさだけかもしれませんが、ひょっとしたら、グリム童話の「眠り姫」の影響で、眠りと言えば女性というイメージなのかもしれません。

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一般名:スボレキサント
製品名:ベルソムラ錠15mg
オレキシン受容体拮抗薬―不眠症治療薬―
MSD

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