リアルダ/潰瘍性大腸炎に新たな選択肢

一歩、踏み出す時。
―日本の潰瘍性大腸炎治療に、新たな選択肢―

▼リアルダとは?

「リアルダ」は潰瘍性大腸炎の新しい治療薬です。潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜に潰瘍やびらんができる原因不明の病気で、重症の場合、厚生労働省より特定疾患に指定されています。安倍首相が罹ったことで一般的な認知度も上がりました。日本での罹患数は約16万人と言われ、完治が難しいため長年苦しんでいる患者が多いのが現状です。

▼潰瘍性大腸炎とは?

小腸や大腸の粘膜に炎症が起こったり、潰瘍などが生じるのが“炎症性腸疾患”と呼ばれる病気です。主なものに、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性の炎症や潰瘍が発生する原因不明の病気です。急激な腹痛や下痢・血便を伴います。国が指定している難病で、根本的な治療法は未だ確立されていません。

下痢や腹痛が心配で、思うように外出が出来なかったり、消化の良い物を食べるように食生活に気を使ったり、日常的なストレスも溜まる深刻な病です。特定疾患に認定されるには、年に一回大腸内視鏡検査を行う必要がありますが、費用もかかりますし、身体にスコープを挿入する検査自体もかなりの痛みを伴います。

広告のビジュアルには、痛みも血便もストレスも何も感じなかった元の生活を取り戻して、“あの頃のように普通に暮らせる日々を”という願いが込められています。

▼リアルダとアサコールの違い

「アサコール」と「リアルダ」は、どちらも“メサラジン”という有効成分を含んだ薬剤で、錠剤が大腸の中で溶けるよう計算・設計された潰瘍性大腸炎の薬です。従来品の「アサコール」は1日3回ですが、新しい「リアルダ」は1日1回の服用で済みます。「リアルダ」には有効成分の“メサラジン”が「アサコール」の3倍(1,200mg)含まれているからです。

「アサコール」は1回6〜9錠で、「リアルダ」は1回2〜4錠なので、服用する際の負担も軽減されています(ただ「アサコール」に比べると、「リアルダ」の錠剤はかなり大きく、3倍くらいあります)。また、「リアルダ」は大腸で長時間かけて薬が溶けるので、肛門に近い直腸まで炎症をカバー出来るというのが特徴です。

それから、保存条件が「冷所保存」というのがネックです。調剤薬局では在庫管理が大変そうですね・・・。数時間は常温でも問題ないと思いますが、患者さんへ渡した後も冷蔵庫での保存となります。

リアルダ 1日1回 メサラジン濃度1200mg 1回:2〜4錠 肛門に近い直腸までカバー
アサコール 1日3回 メサラジン濃度400mg 1回:6〜9錠 錠剤がリアルダに比べ小さい

▼潰瘍性大腸炎治療薬の使い分け

レミケード 寛解時は8週間隔の投与。点滴静注で炎症性サイトカインを直接抑制するため、重症患者など早急に炎症を抑えたい時に用いる傾向。潰瘍性大腸炎への使用実績が多い。
ヒュミラ 寛解時は2週間に1回、自己注射でOK。自己注射に抵抗のない患者向け。潰瘍性大腸炎への使用実績が多い。
シンポニー 寛解時は4週間に1回、病院で皮下注射。自己注射に抵抗のある患者向け。潰瘍性大腸炎への使用実績が多い。
ゼルヤンツ 抗体医薬ではなく低分子製剤(JAK阻害薬)。注射薬ではなく経口薬というのが特徴。潰瘍性大腸炎の使用実績は少ない。
エンタイビオ 寛解時は8週間隔投与。海外では潰瘍性大腸炎に使用されており、比較的安全とされているが、日本での使用実績は少ない。

▼広告のキービジュアル

「リアルダ」の広告は、スタイリッシュで上品なビジュアルに仕上がっています。開発・販売権をShire Pharmaceutical Group社から取得したという経緯ですので、広告写真も海外の流用なのかもしれません。

「リアルダ」のビジュアルには、“やりたいことをあきらめない生活を送る”という意味が込められています。目を引く「チェックマーク」ですが、海外のサイトを見ると、【ToDoリスト】ということが分かりました。これは、趣味やスポーツ、就職や結婚など、今後のライフイベントを表しています。

また、この病気は薬を服用することで約90%が寛解を維持できますが、飲み忘れが続くと薬の効力が40%程度にまで落ちてしまうということで、【ToDoリスト】のチェックマークが重要なアイテムとして登場しているようです。



製品名:リアルダ錠1200mg
一般名:メサラジン・フィルムコーティング錠
潰瘍性大腸炎治療剤
持田製薬

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