パルモディア/世界初のSPPARMα(スパームアルファ)薬

脂質管理の登竜門

▼パルモディアとは?

「パルモディア」は“SPPARMα”(スパームアルファ)と呼ばれる世界初の薬剤です。PPARαという核内受容体を活性化することで、中性脂肪を低下させる高脂血症治療剤です。フィブラート系としては、日本では二十数年振りの新薬です。

「パルモディア」は、第2世代フィブラート系の高脂血症治療剤ですが、従来のフィブラート系薬剤と比べて“効果が大きく、リスクが小さい”と謳っています。フェノフィブラートやベザフィブラートなど、他のフィブラート系に比べて、かなりの低用量で高い効果(中性脂肪の低下作用とHDL-コレステロールの増加作用)が期待でき、副作用が少ないというのが特徴です。

フィブラート系は、中性脂肪を低下させる作用が強いので、高脂血症の中でも中性脂肪が多いタイプ(高トリグリセリド血症)に向いている薬剤とされています。「パルモディア」はフィブラート系で課題だった“スタチン系との併用”においても高い忍容性を示すとされており(腎機能が正常ならスタチンとの併用可)、製造販売元の興和としては、将来的には海外展開も視野に入れ、主力製品の「リバロ」に替わる次世代の主力品として育てていくということです。

今後の適応症の追加なども見込んで、ピーク時の国内売上は700億円以上を目標としています。中性脂肪低下のニーズがある患者への第一選択薬へ育てていく狙いです。

▼肝機能を悪化させにくいフィブラート系

「パルモディア」は、安全性にかかわる腎臓や肝臓の遺伝子には作用しないというコンセプトで創薬されました。中性脂肪低下作用と善玉コレステロール増加作用が確認されたことで、“既存のフィブラート系薬剤の中で一番強い”と言われています。

従来のフィブラート系薬剤は、肝障害が起こりやすいことが課題でしたが、「パルモディア」は肝機能検査値を悪化させず、脂肪肝改善(ALTやγ-GTPの低下)作用が認められました。

また、今までのフィブラート系薬剤は、全て“腎排泄型”でしたが、「パルモディア」は“肝代謝型”で成分のほとんどは糞中へ排泄されます。そのため、フィブラート系薬で常に課題となっている“腎機能が低下している患者”にも使いやすいと言われています(腎障害患者でも有害事象の発現リスクは変わらない)。

「パルモディア」は、2017年末発売予定(薬価交渉が折り合わず2018年発売予定)の新しい薬剤ですので、安全性の確立についてはこれからです。スタチン製剤との併用による“横紋筋融解症”を起こさないように万全を期すため、慎重に扱っていく必要があります。

▼パルモディアとリピディルの違い

「パルモディア」と「リピディル」は、どちらも“フィブラート系”の高脂血症治療薬です。2017年7月に承認された「パルモディア」は、従来品に比べて副作用が少ないのが特徴です。他のフィブラート系よりもPPAAα(核内受容体のひとつ)に対する選択性が高いことが、副作用の低減に繋がっていると考えられています。2011年3月に承認された「リピディル」は、代謝酵素が関係する相互作用が少ないのが特徴の薬です。

“フィブラート系”の高脂血症治療薬は、肝機能に関係する副作用に注意が必要です。「リピディル」は、肝機能障害があるケースでは禁忌となっており、使用することができません。新しい薬の「パルモディア」は、軽度の肝機能障害であれば用量を少しずつ調節しながら使用することができます。

▼三度の収載見送り(追記:2018年4月)

2017年7月に承認を得たのにもかかわらず、薬価収載が見送られている「パルモディア」ですが、2018年4月の中医協会議でも薬価収載されないことが分かりました。原因は、製造販売元の興和と厚生労働省の間で薬価交渉が上手くいっていないということです。

※追記:2018年6月1日発売

▼主な高脂血症治療薬

フィブラート系 中性脂肪を下げる効果が強いので、中性脂肪が高い患者に使用されることが多い。善玉(HDL)コレステロールを上げる効果もあり。
スタチン系 悪玉(LDL)コレステロールを下げる効果が強い。善玉コレステロールを上げる効果は弱い。
レンジ系 悪玉コレステロールを下げる効果あり。スタチン系と併用することが多い。
プロブコール 悪玉コレステロールを下げる効果あり。
ニコチン酸 善玉コレステロールを上げる効果あり。悪玉コレステロールを下げる効果は弱い。
小腸吸収型 悪玉コレステロールを下げる効果あり。スタチン系と併用することが多い。
PCSK9 悪玉コレステロールを強力に下げる。重度の患者に使用。注射剤。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、インパクトのある龍のイラストです。中国絵画風のタッチで、急流の河を昇る龍(登竜門)が描かれています。“脂質管理成功のための糸口”というメッセージです。

龍が玉を持っていますが、これは仏教用語の“如意宝珠”がモチーフとなっています。如意宝珠とは、龍が持つ宝珠はどんな願いでも叶える不思議な力があるというものです。漫画「ドラゴンボール」の着想もここから取られています。

おそらく、ここでの宝珠は“核”を表していて、龍(パルモディア)が核内の受容体(PPARα)を活性化させる、という意味が込められています。

▼登竜門とは?

登竜門(とうりゅうもん)とは、出世するために通る関門のことで“成功のための糸口”という意味のことわざとして使われています。

もともとのことわざは中国の「後漢書」に出てくる故事で、後漢時代の官僚である李膺に才能を認められた若者は、将来の出世が約束されるという逸話に由来しています。彼に選ばれた人のことを、竜門(急流の河)を登りきった鯉は竜になるという伝説になぞらえて、“竜門に登った”と表現しました。

▼キードクター
平田健一先生(神戸大学大学院 医学研究科 内科学講座・循環器内科学分野 教授)
荒井秀典先生(国立長寿医療研究センター 副院長/老年学・社会科学研究センター長)

一般名:ペマフィブラート
製品名:パルモディア錠0.1mg
フィブラート系/高脂血症治療剤/SPPARMα
興和
興和創薬
2018年6月1日発売

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