ヒルドイド/美容使用が問題化

信頼に応え続けます。

▼ヒルドイドとは?

「ヒルドイド」は、肌を保湿しながら血行を改善する塗り薬です。皮膚の乾燥、火傷やしもやけ、角皮症などに効果があります。アトピー性皮膚炎のスキンケアに使われることも多い薬です。作用が強くない分、副作用がほとんどないので、肌のトラブルで良く処方される保湿剤です。

「ヒルドイド」の有効成分“ヘパリン類似物質”には、肌の潤いを保つ効果が認められています。皮膚の乾燥を改善することで、さまざまな皮膚障害を治癒するというわけです。
保湿の他にも「ヒルドイド」には、血液が固まるのを防ぐ効果(血液凝固抑制効果)や皮膚の血流を良くする効果(血流増加効果)があります。

▼ヒルドイドの主な適応

・皮脂欠乏症
・進行性指掌角皮症
・凍瘡
・肥厚性瘢痕、ケロイドの治療と予防
・血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患
・血栓性静脈炎(痔核を含む)
・打撲、捻挫、挫傷後の筋肉痛や関節炎
・筋性斜頸(乳児)

▼ヒルドイドで美肌?

近年、「ヒルドイド」の美容目的での処方が急増していることが、問題となっています。モデルやタレントのblogやwebのまとめサイトなどで「ヒルドイド」が“美肌に効く”として紹介されたことがきっかけとなり、化粧水代わりに使う女性が増加しているのです。医療保険の適用で低価格(3割負担)で入手できることから、下手な市販の美容液を買うよりも「ヒルドイド」の方が経済的という考えです。例えば「ヒルドイド」50g入りは1,185円ですが、自己負担は実質360円程度で済んでしまいます。

「ヒルドイド」を中心とした保湿薬の単独処方による薬剤費は、医療保険全体で年間93億円と言われています(ヒルドイド以外も含む)。このような本来の治療以外での処方は、薬剤費の負担を押し上げ、国の医療財政を圧迫します。アトピー性皮膚炎の場合、痒み止めの薬と同時に処方されることが多いので、「ヒルドイド」が単独で処方された場合は、美容目的の可能性が高いと分析されています。また、男性に較べて女性の処方数が4.2倍。25〜29歳の女性に限っては、前年比の増加件数が33.9倍という結果からも“美容目的の使用が増加している”と考えれれています(2015〜2016年、健保連調べ)。

この事態を受けて、厚生労働省は2018年4月の診療報酬改定で、処方量の制限などの対策を講じる方針です。厚労省の対策で、アトピー性皮膚炎の患者さんなど、本当に必要な人が困るようなことにならないようにして欲しい、と切に願います。

▼厚労省、処方の制限見送りへ(追記:2018年1月)

「肌が若返る」などの口コミが広がり、美容目的での処方が急増している問題で、処方量の制限が検討されていた「ヒルドイド」ですが、厚生労働省(中医協)は現時点での処方量の制限を見送ることを決定しました。

主な理由として、癌患者の団体から、「抗がん剤の治療で起きる皮膚の乾燥やかゆみを緩和するため、ヒルドイドは欠かせない」という要望書が出されたということです。

厚労省は、本当に必要としている患者に配慮するとして、処方量の制限については見送ることを決めましたが、美容目的の不適切な処方がないかどうか、医療機関への審査を強化する方針です。

▼ヒルドイドのジェネリック

「ヒルドイド」のジェネリック(後発品)は、【ヘパリン類似物質】という名称で、アメル、日新、POLA、ニプロ、ファイザーなどから豊富に発売されています。「ヒルドイド」は添加物(防腐剤)の関係で、独特の臭いがありますが、後発品の中には匂いが出ないように工夫されている製品もあります。

ジェネリックは各社からいろいろと出ていますが、特にPOLAファルマの製品が女性に人気です(屋号に「PP」と付いている製品がPOLA Pharmaのジェネリック)。ポーラファルマは、POLA化粧品やオルビスのブランドで有名な“ポーラ・オルビスグループ”のグループ会社ですので、無香料、無着色、防腐剤無添加などにこだわりを持っています。化粧品の影響か、パッケージもお洒落です。

ヒルドイドフォルテクリーム40g(ヒルドイドクリーム)

POLA

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、社員の集合写真です。なんとなく企業広告風ですね。患者さんの要望に合わせて、クリーム、軟膏、ローションと、いろいろな形態を揃えているのが良いですね。その分、薬局は在庫が大変ですが・・・。


一般名:ヘパリン類似物質
製品名:ヒルドイドクリーム0.3%、ソフト軟膏0.3%、、ローション0.3%
血液凝固阻止剤/動物製剤/血行促進・皮膚保湿剤
マルホ

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