リクシアナ/OD錠新発売

▼リクシアナとは?

「リクシアナ」とは、FXa(活性化血液凝固第Ⅹ因子)を選択的、可逆的かつ直接的に阻害する日本初の経口抗凝固剤のことです。血管の中で血液が固まり、血の流れを止めてしまう状態を“血栓”といいます。放っておくと血管が詰まってしまうので、その先の組織が障害を受けて機能を失ってしまいます。血栓がきっかけとなって起こる深刻な症状として、心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)が挙げられます。

動脈の血栓の予防には、血液が固まるのを抑える必要があります。方法として、血小板の機能を抑制するというやり方と、血管内の状態を改善する(いわゆる血液サラサラ)というやり方の2種類があります。「リクシアナ」は静脈血栓塞栓症に有効な“血液凝固阻止剤”です。血液を固まりにくくし、血栓の形成を防ぐことで、静脈血栓塞栓症の再発リスクを予防します。

▼抗凝固薬(DOAC)市場のシェア

「リクシアナ」は抗凝固薬(DOAC)市場全体では第3位の売上で、競合品の後を追うポジションですが、初めて抗凝固療法を試す患者や他社競合品から切り替える患者では、DOAC市場でシェア30〜40%と第1位の座を獲得しています(2017年現在)。今後も市場規模が大きい“心房細動(AF)”の新規患者層を拡げて、シェアを伸長していく計画です。

製品名(会社名) 2015年度売上 2016年度売上
イグザレルト(バイエル薬品) 517億円 641億円
プラザキサ(ベーリンガーインゲルハイム) 310億円 285億円
リクシアナ(第一三共) 130億円 250億円

▼ワーファリンとの違い

同じ抗凝固薬の「ワーファリン」はとても有用な薬で、これがないと困る患者もたくさんいました。課題として、相互作用が多いという欠点があり、禁忌の食品(納豆・青物野菜など)も多いので、使い勝手が悪い薬でした。

「リクシアナ」は「ワーファリン」とは作用のメカニズムが異なり、定期検査も不要(というか検査不可)で、食べ物の制限がほとんどない薬です。また、「リクシアナ」は経口薬なので、毎日注射する手間が必要ありません。同じFXa阻害薬の注射剤と比較して、1日あたりの薬価が約3分の1と安価なこともメリットのひとつです。

もちろん注意点もあります。副作用として消化管出血と月経過多による腟出血の発現率が、「ワーファリン」に比べて多いことです。それから「ワーファリン」よりも、出血の予測が難しいことです。現時点では、「プラザキサ」に対する「プリズバインド」ような抗凝固活性を中和する薬剤もありません。従来の血液凝固阻止剤に較べて使いやすいとはいえ、効きすぎによる出血過多には充分な注意が必要です。

▼リクシアナと納豆

従来の抗凝固薬(ワルファリンカリウム)には、ビタミンK含有食品(納豆や青物野菜など)を摂ることによって、薬の効き目が弱まるという欠点がありました。しかし、「リクシアナ」はFXa(活性化血液凝固第Ⅹ因子)に直接作用する薬なので、ビタミンKには依存しません。

「リクシアナ」には承認時までの調査で、納豆や青汁、クロレラ食品といったビタミンK含有食品との相互作用の報告はありません。

▼その他の血液凝固阻止剤

同系のFXa阻害剤としては、他にも「イグザレルト」「エリキュース」などが出ています。同種の血液凝固阻止剤としては「プラザキサ」などが出ています。なお、「プラザキサ」「エリキュース」は1日2回の服用で、「イグザレルト」「リクシアナ」が1日1回の服用です。



▼重大な副作用の追加

2018年1月、厚生労働省が抗精神病薬「リクシアナ」に対して、添付文書の改訂を指示しました。具体的には、「リクシアナ」の【重大な副作用】に“間質性肺疾患”を追加するという内容です。間質性肺疾患は、主に肺胞や細気管支の間質に病変が認められる病気で、喘息や一般的な細菌性肺炎などに比べると、あまり見られない部類の疾患です。

▼OD錠発売で売上伸長:2018年2月追記

2018年1月末、第一三共は2017年4月〜12月期の売上げが、前年同期比0.9%増の7,410億4,700万円だったと発表しました。欧米を中心に降圧剤の「オルメテック」の特許切れの影響で大きな売上げ減(71.5%、約101億円の減少)となりましたが、一方で「リクシアナ」が93.8%増の約347億円と好調でした。

要因として、「リクシアナ」のOD錠(2017年11月発売)の存在が挙げられます。“リクシアナOD錠”は経口抗凝固薬(DOAC)市場で唯一のOD錠ということで、高齢者の服薬負担の軽減という要素が医療機関に受け入れられている、と第一三共は分析しています。競合他社の抗凝固薬(DOAC)はほとんどが海外品で、OD錠を出して対抗するには時間がかかるため、第一三共が一歩リードしているという状況です。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、写実的なイラストで、様々な人々の明るい暮らしが描かれています。血管が道になっているところがユニークです。“OD錠新発売”のマークにも工夫が見られます。錠剤が溶けてゆく様子を上手く描いています。なお2017年8月に承認された「リクシアナOD錠」は、2017年11月29日に発売されました。

一般名:エドキサバン トシル酸塩
製品名:リクシアナ錠15mg,30mg,60mg、リクシアナOD錠15mg,30mg,60mg
血液凝固阻止剤/Fxa阻害薬/経口FXa阻害剤
第一三共
リクシアナOD錠、2017年11月29日発売

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