The Loop diuretic
▼ラシックスとは?
「ラシックス」は、1965年に発売が開始されたループ利尿薬です。むくみ(浮腫)を緩和し、血圧を下げる効果があります。現在でも、浮腫を伴う心不全や、本態性・腎性高血圧症の治療薬として処方されています。
ループ利尿薬は、利尿薬の中で最も作用の強い薬です。腎臓に作用して尿の量を増やし、身体に蓄積された余分な水分をとり除きます。余分な水分が出ていくことで、結果的にむくみがとれて血圧が下がるというわけです。血圧が下がると心臓の負担も軽くなるため、身体が楽になります。
ループ利尿薬という名前の由来は、尿細管がループ状に曲がっているヘンレ係蹄上行脚髄質部に作用することから付けられました。
▼ラシックスの副作用
重い腎臓病や肝臓病を患っている患者には、慎重に使います。糖尿病や痛風を悪化させる場合もあります。稀にですが、尿酸値が上昇したり、一時的に耳が聞こえにくくなったりすることがあります。
お年寄りや他の降圧薬を併用している人は、作用が効き過ぎることがあるので注意が必要です。深刻な脱水症状に陥ったり、血圧が下がりすぎて、目まいが起こったりします。その他に、身体がだるい、身体に力が入らない、のどが渇くといった副作用が報告されています。
深刻な副作用はほとんどありませんが、薬の飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。普段と違う兆候があったら、速やかに医師に相談してください。
▼ラシックスとダイアート(アゾセミド)の違い
「ダイアート(アゾセミド)」は長時間作用型で、「ラシックス(フロセミド)」は短時間作用型という特徴があります。長時間型「ダイアート」をどのような患者に使うのかというと、心臓、肝臓、腎臓のうちのどこかが弱っている場合に使用されます。短時間型の「ラシックス」は「ダイアート」にはない高血圧の適応症があるので、血圧が高い患者に使うループ利尿薬は自動的に「ラシックス」となります。
「ラシックス」は適応症が多いこともあり、頻繁に処方されています。利尿の反応を調べるために、とりあえず短時間型の「ラシックス」を使うというケースが多いようです。一方、長時間作用型の「ダイアート」は、慢性期の患者に対して活躍します。
ラシックス | 短時間作用型 | 主に高血圧の患者に使用 | 適応が多く最初の選択に |
---|---|---|---|
ダイアート | 長時間作用型 | 心臓、肝臓、腎臓に障害がある患者に使用 | 慢性期の患者向き |
「ダイアート」と「ラシックス」を比較した大規模試験(慢性心不全患者:320例)で、長時間型の「ダイアート」の方が死亡率や再入院率が低いことを証明したのです。「ラシックス」で効果が出ない場合、「ダイアート」と併用して使う場合もあるとのことです。
▼その他の利尿剤
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、水道の蛇口。センス良く、ポップな雰囲気に上手くまとめています。古い薬とは思えない、明るい予後を感じさせるデザインです。
蛇口を使うことで、水→利尿薬というイメージがすぐに連想できます。細かい工夫ですが、「LOOP」の文字に心臓と腎臓をあしらって、心不全、そして腎性高血圧症の治療薬という特徴を表現しています。
一般名:フロセミド
製品名:シックス錠10mg,20mg,40mg、ラシックス細粒4%、ラシックス注20mg,100mg
利尿剤/ループ利尿薬/利尿降圧剤