ジスロマック/クラミジアや淋病を殺菌する薬

1回のパワー
フロントローティングによるSpeedy Recovery

▼ジスロマックとは?

「ジスロマック(アジスロマイシン)」は細菌を殺菌する薬で、細菌が原因となる様々な病気(マイコプラズマやマイコバクテリウム、クラミジアや淋病)に使用します。マクロライド系と呼ばれる抗生物質で、同系の中でも“15員環”という新しいマクロライドです。従来のマクロライドの弱点であった胃酸による影響をほぼ受けず、身体によく吸収されます。

感染部位で高い濃度が保たれ、さらに血中半減期が時間とともに延長することから、250mg、1日1回3日間の服用で既存の抗生物質を7~14日間使用した場合と同等の効果が得られます。感染病巣への薬剤移行性(Speedy Recovery)と長い効果を実現した優れた抗菌薬です。非常に強力な抗菌薬ですが、肺炎球菌に関してはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系)の方が優れています。

既に新薬の特許が切れており、後発品(ジェネリック医薬品)が各社から発売されています。

ジスロマック・ジェネリックDRY SYRUP200mg(アジスロマイシン)
ジスロマック・ジェネリック500mg(アジスロマイシン)
ジスロマック・ジェネリック250mg(アジスロマイシン)

▼ジスロマックの特徴

マクロライド系の一番の特徴は、通常の抗菌剤(βラクタム系)が効かないマイコプラズマやクラミジアに有効なことです。子供のマイコプラズマ肺炎には、基本的にマクロライド系が処方されます。アレルギーを起こすことが少なく、ペニシリン系やセフェム系抗生物質にアレルギーのある人にも気をつけながら使用できます。また、従来のマクロライド系抗菌薬で問題となっている“薬物間相互作用(薬の作用に影響を与え効果が落ちること)”が少ない抗生物質です。

普通錠250mgのほか、1回飲みきりタイプのドライシロップ2g、小児用のカプセルと細粒、さらに高用量の600mg錠など、豊富なラインナップが発売されています。効能は各剤形で異なり、普通錠の「ジスロマック250mg」は、主に呼吸器感染症、尿道炎、子宮頸管炎、皮膚科など幅広く適応します。小児用の適応症は中耳炎と呼吸器の感染症が中心です。高用量の600mg錠はマイコバクテリウム感染症に限って使用されます。

ジスロマック細粒(ドライシロップ)
ジスロマック細粒(ドライシロップ)

▼1回飲みきりタイプのジスロマックが登場

2009年、「ジスロマック」の新規格「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」が発売されました。「ジスロマック」は15員環マクロライド系抗菌薬として、2000年から使用されていますが、今回新たに“成人用ドライシロップ”が追加となりました。1回だけの飲みきりタイプというのが特徴です。“マイクロスフェア製剤”という独自の技術によって、高用量(1回2g)の服用を実現しました。

抗菌薬は、症状が和らいだとしても処方された分を飲みきることが大切ですが(中途半端にすると病原菌に抵抗力が備わるため)、痛みや痒みのなくなった患者が自己判断で途中で服薬をやめてしまうことが課題となっています。今回発売された「ジスロマックSR」は、服用回数を減らし、1回でその効果が約1週間持続するように設計されています。「ジスロマックSR成人用ドライシロップ」は1回飲みきりタイプで、主にクラミジアや淋病の患者に処方されます。

▼ジスロマックの注意点、副作用

「ジスロマック」は食事の影響を受けやすいので、空腹時の服用が基本です。具体的には、「食後2時間以上経過してから服用し、服用後は2時間以上食事を控えること」となっています。

「ジスロマック」の副作用は少ないほうですが、主な副作用としては、マクロライド系抗菌剤でよく見られる下痢が挙げられます。また重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症などが報告されています。万が一、発疹とともに、水ぶくれや口内のただれ、目の充血、発熱などの症状を感じた時は、速やかに医師に相談してください。

主な副作用 下痢、吐き気、胃痛
その他の副作用 腹痛、軟便、発疹、発赤、かゆみ、蕁麻疹、めまい、意識障害、けいれん、肝機能値の異常、白血球数減少
重大な副作用 ショック、アナフィラキシー様症状、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症など

▼淋病(淋菌感染症)とは?

淋菌感染症(淋病)は、江戸時代に吉原で流行した記録も残っているほど古くからある感染症で、昔は治療法も抗生物質もなかったため、不治の病として恐れられていました。しかし、現代では抗生物質を化学的に合成した強力な抗菌薬の登場によって、きちんと薬を飲めば治る病となりました。

淋菌は非常に弱い菌で、人の粘膜から離れると数時間で感染力を失い、日光や乾燥に弱く、高温や消毒液で簡単に死滅します。つまり、普段の生活では感染しにくい菌で、ほとんどの感染経路は性行為によるものです。

日本での感染者は二十代の若年層に多いのが特徴です。厚生労働省の調査では、女性の感染者が男性より極端に少ないのですが、これは女性は自覚症状が比較的少なく、感染に気が付かないからと考えられています。近年の疫学研究では、淋菌感染によってHIVの感染率が上がるという報告があり、治療せずに放って置くと危険な疾患だと言えます。

淋病の症状
(男性)
尿道や亀頭が痒くなり、排尿時に強い痛みを感じる。尿道口が赤く腫れる場合も。陰茎に恥垢(ちこう)が溜まり、尿道から濃黄白色の膿が出るので、下着に膿がつくようなら要注意(黒いブリーフを履くと判断しやすい)。
淋病の症状
(女性)
症状や徴候がない場合が多いので、感染女性の多くは無自覚。おりものが増えたり、匂いが強くなる場合あり。

▼クラミジアとは?

クラミジアは、国内で最も多い性感染症です。主に性行為で感染しますが、オーラルセックスによる咽頭への感染も少なくありません。クラミジアは若年層(29歳以下)の成人女性に多いのが特徴ですが、新生児は母親から産道感染する場合もあります。

近年は、10代女性の感染率の高さが将来の不妊につながるとして問題視されています。女性は感染を受けても自覚症状が乏しいため、無意識にパートナーや出産児へ感染させることがあるので、注意が必要です。

クラミジアの症状
(男性)
尿道が痒くなり、排尿時に痛みを感じる。睾丸に痛みや痒み。
クラミジアの症状
(女性)
基本的に症状を感じない。おりものが増えたり、黄色い濃いおりものがでる場合あり。

▼淋病・クラミジアの治療方法、対処法

淋病やクラミジアの治療においては、抗生物質を内服または注射投与し、原因菌を確実に除菌する療法が推奨されています。

しかし、淋病もクラミジアも耐性菌の出現が常に課題となっています。つまり、同じ抗菌薬を何度も使っていると、耐性が出来て薬が効かなくなってくるのです。

予防対策としては、感染が疑われる相手との性交渉は避け、コンドームを必ず使用することです。また、ふたりの間で行ったり来たり感染する“ピンポン感染”を防ぐため、独りだけではなく、お互い同時期に治療を行うことが重要です。

▼その他の抗菌薬




▼広域抗菌薬の使用が全体の約80%

幅広く有効な第3世代セフェム系や、フルオロキノロン系、マクロライド系、カルバペネム系といった抗菌薬の使用割合が、日本では抗菌薬全使用量の約80%を占めており、この非常に高い割合を厚生労働省は問題視しています。抗菌薬は風邪に効かないばかりか、副作用が増えるという報告があるにも関わらず、風邪に抗生物質が効くと考えている患者が多いのが実情です。また、抗生物質を最後まで飲みきらない患者が37%も存在するという調査結果も報告されています。医療費圧迫の問題や、耐性が出来て肝心な時に抗菌薬が効かなくなるおそれなどを考えると、広域抗菌薬の使用を減らす施策が必要なのかもしれません。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、綱引き。右側の単独の男性が「ジスロマックSR」で、左側の7人が通常の抗菌薬(7日分)を表しています。非常に分かりやすくユーモラスなデザインです。「ジスロマックSR」の特徴を力強く、シンプルに伝えています。

一般名:アジスロマイシン水和物
製品名:ジスロマック錠250mg, 600mg、SR成人用ドライシロップ2g、カプセル小児用100mg、細粒小児用10%
15員環マクロライド系抗生物質製剤/経口抗菌製剤/マイコプラズマ用剤
ファイザー

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