チャンピックス/日本初、禁煙治療の経口剤

禁煙治療宣言
日本初、禁煙治療に経口剤誕生。
チャンピックスの新たしい作用機序

▼チャンピックスとは?

2006年から保険適用が認められるようになった禁煙治療。「チャンピックス」は、禁煙を目指す人のための補助薬で、ニコチンの離脱症状を軽減し、禁煙の成功率を高めるという薬です。日本初の“飲む禁煙治療薬”として、既存のニコチンパッチなどとは違う新しい作用機序を持った薬として登場しました。

それまでは、ニコチンパッチやガムといった禁煙補助剤(ニコレットなど)が存在していました。ニコチンパッチは、ニコチンを皮膚から吸収することで禁煙に伴う離脱症状に対応し、少しずつニコチン量を減らしていくという薬です。貼るだけなので手軽に始められるというメリットがありましたが、皮膚のかぶれや動悸、不眠などの副作用の問題や、結局ニコチンを摂取しているため(ニコチン依存が治るわけではないので)、治療途中で禁煙を諦める人が多いという課題がありました。

「チャンピックス」は禁煙のつらさやイライラを軽減し、煙草を吸うとまずく感じる(喫煙願望を弱める)という仕組みです。そのため、ニコチンパッチよりも禁煙成功率が高いと言われています。

チャンピックス禁煙パック

▼チャンピックスの作用機序

喫煙の快感は、ニコチンによってドパミンが放出されて得られると考えられています。「チャンピックス」は、脳内のニコチン受容体(α4β2ニコチン受容体)を選択的に結合し、ニコチンの結合を防ぎます。

受容体に結合した「チャンピックス」は【刺激作用】【拮抗作用】のふたつの作用をもたらします。【刺激作用】はニコチンそのものよりは弱く、α4β2ニコチン受容体をやさしく刺激することで少量のドパミンを放出させます(ドパミンの放出量は、ニコチンの約半分)。これによって、禁煙の離脱症状や「煙草を吸いたい!」という執着心を軽減します。

【拮抗作用】としては、ニコチンと拮抗してその作用を衰弱させます。煙草を吸ってもドパミンの放出が抑制されるので、煙草を吸ってもいまいち快感が得られず、喫煙による満足度が減っていくというわけです。

▼チャンピックスの特徴

【1】国内初の飲む禁煙補助薬
【2】パッチやガムとは違いニコチンを含まない薬
【3】ニコチン置換療法とは異なる作用機序で、禁煙成功率が高い

「チャンピックス」は、既存のニコチンパッチやニコチンガムとは違う“国内初の飲む禁煙補助薬”で、唯一の本格的な禁煙治療薬として登場しました。非ニコチン製剤ですので、治療方法も従来の「ニコチン置換療法」とは異なります。急に煙草を一切断つのではなく、治療を始めてから服用量を徐々に増やしていき、その間に喫煙本数を減らしていくといった治療法となります。

チャンピックススターターパック

▼保険適用となる禁煙治療患者

保険診療による禁煙治療の対象となる患者は、以下の条件をすべて満たす必要があります。

依存症のテスト 依存症のスクリーニングテストを行って、ニコチン依存症と診断された人
ブリンクマン指数 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上の人
同意書の有無 禁煙治療の説明を受け、同意書にサインした人

※患者の要件を満たさない場合でも、自由診療(保険適用外)で禁煙治療を始めることができます。

▼チャンピックスの副作用と注意点

「チャンピックス」の主な副作用は、吐き気や胃腸症状(鼓腸、便秘など)です。また、眠気やめまい、頭痛や吐き気といった副作用を伴うこともありますが、いずれも軽症の場合が多いです。症状が改善しない場合は専門医に相談しましょう。一方で、自動車を運転中に意識がなくなった例が複数回発生しており、自動車の運転や機械の操作は避けるように指導されています。

因果関係は不明ですが、「チャンピックス」で治療中にうつ的な気分になったり、極端に不安を感じたり、攻撃的な行動・衝動的な行動に走るといった精神的な変調が起こることが米国で報告されています。しかし、このような精神症状は、治療薬とは関係なく、禁煙そのものにより発現するケースが少なくありません。アメリカの食品医薬品局(FDA)では、深刻な事態を招きかねないとして注意喚起しています。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、油絵的なリアルなイラストです。錠剤(チャンピックス)が、煙草を貫通して破壊するというシンプルでインパクトのあるビジュアルに仕上がっています。日本初の“錠剤”という特徴と禁煙治療剤ということがひと目で判って、面白いです。

一般名:バレニクリン酒石酸塩錠
製品名:チャンピックス錠0.5mg,1mg
α4β2ニコチン受容体部分作動薬/禁煙補助薬
ファイザー
2007年米国ガリアン賞受賞
2009年5月1日投薬期間制限解除

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