積み上げてきた、エビデンス。
▼コバシルとは?
「コバシル」は、ACE阻害薬と呼ばれる降圧薬です。主に高血圧症の治療に処方されています。場合によっては、心臓の病気(心不全など)や腎臓の病気(腎硬化症、糖尿病性腎症など)にも効果が期待できます。血圧の適切なコントロールを続ければ、脳卒中や心臓病、腎臓病のリスクを減らすことへと繋がります。
血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」という体内物質の生成をおさえます。これにより、体の血管が広がり、また水分や電解質が調整されて血圧が下がります。心臓や腎臓の負担を軽くする効果もあります。
長期臨床試験により、安全性が高いことが証明され、高血圧治療の第一選択のひとつとされています。特に心不全や糖尿病の患者に有効です。血糖、尿酸、脂質などに影響を与えないので、老若男女幅広く使われている薬です。
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)と呼ばれる新しいタイプの降圧剤が登場するまでは、かなり売れていた主役級の降圧薬です。ARBや合剤が全盛期となった現在ですが、「コバシル」は価格が安い、古い薬なので安全性が高い(エビデンスが豊富)といったメリットもあります。
▼コバシルの作用機序
人の身体には【レニン・アンジオテンシン(RA)系】と呼ばれる、血管を収縮させて血圧を上げる機能が備わっています。この仕組みは、肝臓で作られた“アンジオテンシノーゲン”という物質を、数種類の酵素が形を変えて、最終的に血圧を上昇させる物質である“アンジオテンシンII”へ分解するというものです。
「コバシル」は、“ACE”という酵素の働きを阻害して、血圧を上げる物質“アンジオテンシンII”が作られるのを防ぐことで、身体の血管が拡がり、結果的に血圧を下げるという働きを持っています。
▼コバシルの副作用
主な副作用は、たんがからまらない空咳です。深刻な症状ではありませんが、かなりの頻度で現れます。咳の副作用は、ACE阻害薬の課題となっています(ARBという降圧薬は咳が出ないように改良されています)。
その他の副作用はARBと共通なのですが、カリウムを身体に溜め込むことがあります。高カリウム血症になると、嘔吐やしびれ感、不整脈などが生じる場合があります。薬が効き過ぎると、血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こしますので、高齢者は注意が必要です(骨折→寝たきりの原因となります)。
腎臓に障害がある人は、飲み始めに腎機能が一時的に悪化することがあります。その場合は“高カリウム血症”に気をつけて、定期的に血液検査を受ける必要があります。
深刻な副作用はほとんどありませんが、注意すべき副作用として“血管浮腫”が報告されています。「コバシル」を飲み始めたばかりの頃に、顔や口中や喉が腫れて、重い場合は呼吸がしづらくなります。
▼その他の降圧剤
高血圧症は世界で最も患者数が多い疾患であり、国内では約4300万人いると言われています。高血圧治療のガイドラインでは食生活の改善とともに薬物治療がメインとなっており、最近は作用機序の異なる薬剤を組み合わせた(高血圧の原因が複数存在するので)併用療法が推奨されていて、年々使用頻度が高まっています。
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、積み木のブロック。ACE阻害薬の「コバシル」が積み上げてきた、医学的根拠(エビデンス)を表現しています。
一般名:ペリンドプリルエルブミン
製品名:コバシル錠2mg,4mg
降圧剤/ACE阻害薬/持続性組織ACE阻害剤
協和発酵キリン