ジェイゾロフト/明るく前向きなビジュアル

▼ジェイゾロフトとは?

「ジェイゾロフト」はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる種類の抗うつ剤です。国内3番目のSSRIとして発売されました。飲み始めたばかりでは、すぐに効果はあらわれませんが、服用を続けると、脳内の神経伝達をスムーズにし、憂鬱な気分や不安を和らげてくれます。主に、うつ病、鬱状態、パニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)など、うつ病の主要薬として広く処方されています。

セロトニンは、精神のバランスを調節する神経伝達物質で、セロトニンが不足すると心が不安定になり、暴力的になったり、うつ病を発症すると言われています。セロトニンという言葉はうつ病などの精神疾患に関する話題や、忙しい現代人が抱えるストレス問題と同時に語られることが多いようです。

「ジェイゾロフト」は、セロトニンを再取り込みするセロトニントランスポーターの動きを阻害します。そのため、脳内のセロトニン濃度が高まり、結果的に心のバランスが整えられ、気持ちが楽になると考えられています。セロトニン以外の神経にはほとんど影響がないので、抗うつ剤特有の副作用(眠気、口渇、便秘など)も少ないです。作用機序から、【SSRI】「選択的セロトニン再取込阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)」と呼ばれています。

▼効果は約24時間

「ジェイゾロフト」のセロトニン再取り込み阻害作用は、他の同類薬より強力です。血中濃度半減期(約24時間)が長いので、1日1回の服用で済みます。うつ病の患者は、薬を飲む行為自体が不安に感じる場合があるので、服薬回数が減るのはメリットのひとつです。

「ジェイゾロフト」は、医学誌「Lancet」に掲載された“MANGA研究”で、新世代抗うつ薬の中で「エスシタロプラム」と並んで、有効性と認容性が高く評価されました。

【認容性】
薬による副作用が、患者にとってどれだけ耐えられるものなのかという程度を示したもの。服薬によって、副作用(有害作用)が発症したとしても患者にとって充分許容出来る程度であれば、“忍容性が高い”となり、逆に耐えられないくらい酷い副作用が発症する場合は“忍容性が低い”となる。

▼ジェイゾロフトとエビリファイの配合錠(追記:2017年8月)

2017年7月末、「エビリファイ」の製造販売元である大塚製薬が、うつ病の治療薬としてセロトニン再取り込み阻害薬の「ジェイゾロフト」と抗精神病薬の「エビリファイ」の配合錠の申請を行いました(製品名は未定)。

大塚製薬によると、「ジェイゾロフト(セルトラリン)」で十分な効果が得られない患者に対して、薬の錠数が増えない状態で、抗うつ改善効果の増強療法が可能になるということです。「エビリファイ(アリピプラゾール)」と「ジェイゾロフト(セルトラリン)」を併用している患者にとっても、錠剤の数が減ることでQOLの向上に繋がると考えられています。将来的な市場としては、国内だけでなくアジアも視野に入れているとのことです。

「ジェイゾロフト(セルトラリン)」は2015年12月にジェネリック医薬品が発売。「エビリファイ(アリピプラゾール)」は2017年6月にジェネリック医薬品が発売されています。

ジェイゾロフト25mg(ジェネリック)
ゾロフト50mg(ジェイゾロフト海外品)

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、「ジェイゾロフト」のシンボルであるひまわり。明るい色使いで、元気で前向きな広告に仕上がっています。シンボルマークにもなっている向日葵は、おそらく“セロトニンが放出されるイメージ”でしょう。

うつ病の薬というと、以前は暗い雰囲気の広告が多かったのですが、「ジェイゾロフト」は温かみのあるビジュアルで、信頼と好感度を獲得する狙いです。

一般名:塩酸セルトラリン
製品名:ジェイゾロフト錠25mg,50mg,100mg、OD錠25mg,50mg,100mg
抗うつ剤(SSRI)/選択的セロトニン再取り込み阻害剤
ファイザー

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