シグマート/ニトロペンとの違い

▼シグマートとは?

「シグマート」は、狭心症の発作を予防する不安定狭心症・急性心不全治療薬です。日本で開発された“ATP感受性カリウム(KATP)チャネル開口薬”と呼ばれる薬で、血管拡張薬(硝酸薬:ニトログリセリンなど)に近い薬剤です。狭心症の原因そのものを根治する薬ではなく、あくまでも予防薬です。定期的に使用することになります。

狭心症状を抑制し、低血圧などの副作用も少ないので、幅広く用いられています。「シグマート」は硝酸薬と比較して、血圧低下や反射性頻脈が起こりにくく、硝酸薬に見られる薬剤耐性が生じにくい点も特徴です。つまり、定期的に連用しても効果の減弱が少ない、ということです。

「シグマート」は冠動脈を拡張させる薬で、心臓の周囲の冠動脈を強力に拡げるので、心臓の筋肉(心筋)に血液によって酸素がふんだんに届くようになります。心筋の血液不足が解消されれば、狭心発作は鎮まります。

▼狭心症とは?

狭心症とは、簡単に言うと心臓発作の一種です。心臓の筋肉へ供給される(血液が運ぶ)酸素が不足するために起こる一時的な胸痛や圧迫感のことです。胸に圧迫感を感じたり、しめつけられるように痛みます。

WHO加盟国での死因第1位は心血管病であり、特に急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)が重要と考えられています。

▼シグマートとニトロペンの違い

「シグマート」と「ニトロペン」はどちらも心臓の太い血管(冠動脈)を拡げる作用がある狭心症の薬です。

「シグマート」は、硝酸薬のように血液動態に影響せず、効果も持続することから、発作予防の定期薬に向いています。

「ニトロペン」は効果が強力な反面、作用時間が短く、副作用も多いため、狭心症の発作を予防するための定期薬としては適していません。

シグマート(KATPチャネル開口薬) 定期薬、作用が持続、薬剤耐性が生じにくい
ニトロペン(硝酸薬) 頓服薬、作用が短く強力、薬剤耐性が生じやすい

▼シグマートの副作用

「シグマート」は安全性が高く、深刻な副作用はほとんどありません。主な副作用は、頭痛、めまい、立ちくらみ、顔のほてり、動悸などです。頭痛は服用初期段階に起こりやすく、定期的に投薬しているうちに次第に軽くなっていきます。

主な副作用 頭痛、顔のほてり、めまい、立ちくらみ、動悸、吐き気
重い副作用 肝臓機能障害、血小板減少、口内潰瘍、舌潰瘍、肛門潰瘍、消化管潰瘍、胃痛・腹痛、下血、吐血

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、リクガメ。狭心症の発作を予防して、健康寿命を伸ばすという意味が込められています。

「鶴は千年、亀は万年」という諺があるように、昔から日本ではカメは長寿・健康のシンボルとされてきました。種類によっては100年以上生きる個体もいます。

カメの横には、錠剤という意味の単語“Tablet”という文字で、錠剤マークのイラストが添えられています。同じ製品の注射剤「シグマート注」との差別化を図っています。

一般名:ニコランジル
製品名:シグマート錠2.5mg, 5mg
血管拡張剤/冠血管拡張剤/不安定狭心症・急性心不全治療剤
中外製薬

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