ブロプレス/国内2番目のARB

切り札は多い方がいい。

▼ブロプレスとは?

「ブロプレス」はARB(A-Ⅱ拮抗剤)と呼ばれる降圧剤です(国内2番目のARB)。血圧を上げる「アンジオテンシンII(ARB)」の抑制作用があります。血管が拡がり、心臓や腎臓の負担を軽くする効果も期待できます。高血圧、腎実質性高血圧に加えて、適応に【慢性心不全】があるのが特徴です。高血圧の治療に使用されていますが、心不全や腎臓の病気にも有効と考えられています。

いわゆるブロックバスターと呼ばれる大型製品で、2010年に限って言えば、すべての医薬品の中で日本で一番売れた薬となりました(2位は同じARBのディオバン)。ジェネリック(後発品)も各社から豊富に出ています。

ARBが登場するまで頻繁に使われていた“ACE阻害剤”に多い「咳」の副作用が改善されています。そのほかの副作用も比較的少なく、長期的な維持療法に適しています。効果に持続性があるので、基本的に1日1回の服用で済む薬です。また、少量の利尿薬との併用で降圧効果が高まると言われています。ARBは降圧剤の中でも人気の高い、主流の薬です。

高血圧の患者は他の病気を合併しているケースが多いので、高脂血症と腎不全の患者には「ディオバン」、心不全が心配な患者には「ブロプレス」といった具合に、合併症によってARBを選択するケースが多いようです。

▼ブロプレス・ファミリー

「エカード」「ユニシア」は「ブロプレス」(カンデサルタン)の配合錠で、この3製品は“ブロプレス・ファミリー”と呼ばれています。2015年度の売上は、ファミリー合計で585億円ありましたが、2016年度は後発品(ジェネリック)や薬価改定の影響で、148億円にまで落ち込んでいます(前年比−74.7%)。

ブロプレス・ファミリー 2015年度売上:585億円 2016年度売上:148億円
アジルバ・ファミリー 2015年度売上:590億円 2016年度売上:669億円

近年ではブロプレス・ファミリー(カンデサルタン)はその役目を終え、同じARBの“アジルバ・ファミリー”へとシフトしつつあります。なお、2015年度のアジルバ・ファミリー全体の売上は590億円、2016年度の売上は669億円と増加しています。

▼主なARB系降圧薬

ニューロタン(一般名:ロサルタン):世界初のARB。尿酸低下作用あり
・ブロプレス(一般名:カンデサルタン):心不全心血管イベント抑制大
ディオバン(一般名:バルサルタン):ARBの中で薬価が一番安い
ミカルディス(一般名:テルミサルタン):血中半減期がARB最長。24時間持続的に効く
オルメテック(一般名:オルメサルタン):心臓腎臓など臓器保護作用あり。ARBのエース的存在
アジルバ(一般名:アジルサルタン):2013年承認最新ARB。降圧効果最強





▼ブロプレスの副作用

「ブロプレス」の主な副作用は、倦怠感、めまい、頭痛などです。この症状は次第に慣れてくることが多く、ほとんどは軽い副作用です。深刻な場合は、医師に相談しましょう。旧世代のACE阻害薬に多かった咳の副作用はほとんどありません。

腎臓の機能が低下している高齢者などは、服用し始めた直後に腎機能が一時的に悪化することがあります。その場合、高カリウム血症にも要注意です。服用と同時に、定期的に血液検査を受けることで予防となります。極めて稀に、肝臓が悪くなるという報告もあるので、心配な人は肝機能の検査を受けましょう。

主な副作用 倦怠感、めまい、頭痛
重い副作用 強い立ちくらみ、失神、血管浮腫

▼小児への用法用量追加(追記:2019年5月)

2019年5月、「ブロプレス」は“小児への用法・用量追加”の承認を取得しました。1歳〜6歳未満の幼児には1日1回、0.05~0.3mg/kgを経口投与、6歳以上の子供には2~8mgを投与し、必要に応じて12mgまで増量が可能です。腎障害を伴う場合は低用量から少しずつ増やし、8mgまで増量可能です。なお、「ブロプレス」は2017年6月に武田薬品工業から武田テバ薬品へ製造販売元が承継されています。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、トランプ。切り札と思われる光のカードに手をかけています。トランプは、医薬広告の世界で古くから使われれいるビジュアルのひとつです。これは“高血圧治療の切り札”とか“降圧薬のエース”などと絵が創りやすいためです。なお、2、4、8、12という数字は一見バラバラのように見えますが、「ブロプレス」の規格含量を表しています。

一般名:カンデサルタン シレキセチル
製品名:ブロプレス錠1,4,8,12
降圧剤/ARB/持続性アンジオテンシンII受容体拮抗薬
武田薬品工業→武田テバ薬品(2017年6月より承継)

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