ドルナー/血管内皮細胞とPGI2

ASOなど慢性動脈閉塞症に伴う冷感、疼痛、潰瘍の改善に。
豊かにそしてしなやかに。血管内皮細胞とPGI2

▼ドルナーとは?

「ドルナー」は、手足の末梢動脈血管を拡げて、血流をよくする薬です。血行障害の治療に使われます。

手足の動脈が詰まったり細くなったりすると、血の循環が悪くなります。その結果、手足の先が異常に冷えて、しびれや痛みを伴って歩行しづらくなります。また、悪化すると皮膚に潰瘍ができる場合もあります。肺動脈が狭くなって肺高血圧症になるケースでは、息切れや呼吸困難を起こし、運動能力が著しく低下することから普段の暮らしにも障害がでてきます。

「ドルナー」は、上記のような動脈の血行障害に効果がある薬です。血管を広げ、血管内で血液が固まるのを防ぎ、血のめぐりを良くする作用を持っています。慢性動脈閉塞症(ASO)や肺動脈性肺高血圧症、糖尿病をはじめ、様々な疾患が原因の血行障害に広く処方されています。

プロスタサイクリン(PGI2)は、血管内皮細胞で産生される局所ホルモンの一種で、血管の拡張や血液の固まり具合を調節している物質です。1976年に発見されたPGI2は、循環器障害の新しい薬になると長年研究されていましたが、化学的に極めて不安定な物質のため、血漿中消失半減期が短く、経口投与が難しいという課題がありました。

そこで開発されたのが「ドルナー」です。「ドルナー」は、これらの欠点を改良した世界初の経口投与可能なPGI2誘導体製剤です。作用機序から、血管拡張薬、末梢循環改善薬、または抗血小板薬に分類されます。

「ドルナー」は基本的には、血管病の“慢性動脈閉塞症(ASO)”に処方されています。「ドルナー」は単剤で用いるほか、歩行障害をともなう中等症以上においては「プレタール」など別機序の抗血小板薬と併用することもあります。

▼ドルナーの副作用

主な副作用として、顔のほてりや頭痛、動悸などが挙げられます。このような症状は、「ドルナー」の血管拡張作用に関係する副作用です。また、下痢、腹痛など消化器の副作用も比較的多いです。その他の副作用としては、吐き気、発疹、かゆみなどが報告されています。深刻な副作用としては、狭心症、肝障害、間質性肺炎などが報告されています。

▼その他の抗血栓薬




▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、新体操のリボン。リボンはしなやかな血管、流れの良い血流を表現しています。「ドルナー」という製品名からの連想か、ドガの「踊り子」にイメージを重ねているビジュアルです。


一般名:ベラプロスト ナトリウム
製品名:ドルナー錠20μg
PG誘導体/経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体製剤
アステラス製薬
東レ

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