リピトール/医師と一緒にコレステロールの管理を

コレステロール管理の頼れるパートナー。
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【徳光和夫】
2001年、急性心筋梗塞に突然見舞われ、緊急手術で一命をとりとめる。現在も、医師と一緒にコレステロールの管理を続けている。

リピトールとは?

「リピトール(一般名:アトルバスタチン)」は、体内のコレステロールを減らす高脂血症の薬です。安全性が高く、世界的に広く使われている薬で、ジェネリック(後発品)も豊富に発売されています。

「リピトール」は、スタチン系に分類される種類の薬で“HMG-CoA還元酵素阻害薬”と呼ばれます。スタチン系はコレステロール低下作用が強く、効果にも実績があります。高脂血症(高コレステロール血症)の治療に、非常に頻繁に使用されている薬です。

「リピトール」は、肝臓でのコレステロールの合成を抑制し、LDLコレステロール(悪玉)が減少させる薬です(一方、善玉のHDLコレステロールは増加)。コレステロールのほか中性脂肪(トリグリセライド)も低下させます。血液中の脂質動態を改善することで、結果的に動脈硬化の進展を抑制することへ繋がっていきます。


リピトール80mg
リピトール40mg
リピトールジェネリック5mg

リピトールの強さ

スタチン系の中でも他剤に較べて強力なスタチンを“ストロングスタチン”と呼んでいます。ストロングスタチンとしては、これまで「リピトール」(アトルバスタチン)が一番強い薬でしたが、2005年に“リピトールよりも強力な薬”として「クレストール」(ロスバスタチン)が発売され、スタチン系最強の座を譲りました。

国内臨床試験の結果、「リピトール」は平均して総コレステロール値を30%、LDLコレステロール(悪玉)値を41%低下させました。一方で、HDLコレステロール(善玉)値は9%上昇しました。

日本老年医学会が発行している【高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017】では、スタチン系高脂血症治療薬を冠動脈疾患の二次予防に推奨しています。ただし、“スタチン系高脂血症治療薬は、高齢者の糖尿病の新規発症を増加させる”とも指摘しており、高齢者の処方には充分な注意が必要です(追記:2017年11月)。

▼スタンダードスタチンとストロングスタチン

スタチン系の高脂血症治療薬は、効果の強さで【スタンダードスタチン】【ストロングスタチン】に分けられます。「リピトール」は、スタチン系の中では【ストロングスタチン】に分類される薬剤です。LDLコレステロールを低下させる効果は、【スタンダードスタチン】で約15%、【ストロングスタチン】で約30%と言われています。

基本的に、実際のLDLコレステロール値と目標値の幅が30mg/dL以下の場合は「ローコール」や「メバロチン」のような【スタンダードスタチン】が処方されます。一方、LDLコレステロール値と目標値が50mg/dL以上乖離している場合は、初めから「リピトール」や「クレストール」といった【ストロングスタチン】が処方されます。

▼脂溶性の薬と水溶性の薬

スタチン系に分類されるHMG-CoA還元酵素阻害薬は【脂溶性の薬】【水溶性の薬】のふたつのタイプに分類されます。「リピトール」は、脂溶性のHMG-CoA還元酵素阻害薬です。一般的に脂溶性の薬は、内臓や細胞へ薬の成分が伝わりやすいと言われています。その為、脂溶性の薬は効果が出やすい一方で、水溶性の薬に較べると副作用が発現しやすい傾向があります。

ローコール スタンダードスタチン 肝代謝、メバロチンよりも効果強、脂溶性
メバロチン スタンダードスタチン 腎排泄、細粒剤あり、日本初のスタチン、水溶性
クレストール ストロングスタチン 胆汁排泄、スタチン系最強、水溶性
リバロ ストロングスタチン 胆汁排泄、スタチン初のOD錠、脂溶性
リピトール ストロングスタチン 肝代謝、配合錠(カデュエット)あり、グレープフルーツNG、脂溶性

▼主なスタチン系「高脂血症治療薬」





高脂血症(高コレステロール血症)とは?

高コレステロール血症という病気は、血液中のコレステロールが多すぎる状態のことを指します。自覚症状がない場合でも、長い時間をかけて少しずつ動脈硬化が進むと、心筋梗塞や狭心症といった深刻な病気の原因となる可能性があります。日常的にコレステロールを低下させておけば、将来発症するかもしれない心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気のリスクを減らすことが可能です。コレステロールのほか中性脂肪を低下させる効果もあります。

心筋梗塞や脳梗塞の多くは、血管内にこびりついて出来たプラークというコブ(粥腫)が破裂して、それが血栓となって血が流れなくなってしまって発症します。「リピトール」などの医薬品を使ってコレステロールを十分に下げてやると、プラークが安定して破裂しにくくなります。一度罹患した患者の再発防止にも役立ちます。

リピトールの副作用

「リピトール」の主な副作用としては、腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能異常が報告されています。

注意したいのは、まれに発症する“横紋筋融解症”です。筋肉が障害を受けて起こる横紋筋融解は、横紋筋(体を動かす筋肉)が血の中へ溶け出し、尿として出るという病気です。重症の場合には、腎不全などの臓器機能不全に繋がり、死に至るケースもあります。フィブラート系の高脂血症治療薬と併用していると起こりやすいといわれています。

重い副作用 横紋筋融解症、ミオパチー、肝機能異常、過敏症、皮膚・粘膜障害、血液の異常、発熱、全身倦怠感、間質性肺炎
その他の副作用 肝機能値異常、胃部不快感、吐き気、腹痛、下痢、手指のしびれ、頭痛、不眠、発疹、かゆみ

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、アナウンサーの徳光和夫さん。いわゆる“権利物”と呼ばれるタレント(キャラクター)を使った広告です。徳光さんは、2001年に急性心筋梗塞で倒れてから、薬を使ってコレステロールの管理を続けているそうです。

徳光さんが抱いているのは、ロボットのリピトール君。鉄腕アトムやAIBOのような可愛らしさを感じる造形です。ロボットのデザインは、ロボット・クリエイターの高橋智隆氏(東京大学先端科学技術研究センター特任准教授)が手がけています。

このキービジュアルは、当時たびたびニュースになっていたAIを使ったロボットを巧く利用しています。“頼れるパートナー”という使い古されたコンセプトでも、切り口を“AIロボット”という最先端のアイテムへ変えることで、ビジュアルに新鮮さが生まれるのです。

その後のソニーのAIBO復活、ソフトバンクのPepper君の登場、AIスピーカーのヒットなどを予言するかのような未来を感じさせる見事なデザインです。

一般名:アトルバスタチン カルシウム
製品名:リピトール錠5mg, 10mg
高脂血症治療薬/スタチン系/HMG-CoA還元酵素阻害剤
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