イメンド/日本初、NK1受容体拮抗型制吐剤

維持療法の新たな架け橋、開通。
日本初、選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤

▼イメンドとは?

「イメンド」は制吐剤で、抗がん剤投与の副作用で生じる消化器症状(悪心や嘔吐)を改善します。NK1(ニューロキニン1)拮抗型制吐剤と呼ばれる種類のカプセル剤で、抗がん剤による嘔吐中枢(脳内)への刺激を阻害し、吐き気や嘔吐を抑えます。

「イメンド」は、嘔吐の副作用が強く出る抗がん剤(シスプラチン注射液など)を使用する時に、予防的に処方される薬です。抗がん剤を投与した後、すぐに発生する【急性嘔吐】と、抗がん剤投与24時間以後に発生する【遅発性嘔吐】、どちらにも有効な薬剤です。

がんの化学療法によって引き起こされる悪心・嘔吐は、患者の負担も大きく、QOL低下が起こることから、治療を継続する上での重要な課題となっています。

▼イメンドの特徴

癌化学療法に伴う吐き気は、一般的に抗がん剤投与後24時間以内に発現する【急性嘔吐】、24時間以降に発現する【遅発性嘔吐】に分類されます。しかし、日本においては、遅発性悪心・嘔吐に対して有効な治療薬が少ないのが課題でした。

「イメンド」(選択的NK1受容体拮抗型)の特徴は、世界初の選択的NK1受容体拮抗型制吐薬という点です。NK1受容体は、神経伝達物質サブスタンスPの受容体であり、サブスタンスPは、嘔吐や痛み、不安、喘息、膀胱炎、片頭痛などの発現に深く関わっていると考えられています。

NK1受容体拮抗薬である「イメンド」は、サブスタンスPとNK1受容体との結合を選択的に阻害することによって、悪心・嘔吐を抑制します。

従来の【急性嘔吐】に広く用いられている5-HT3受容体拮抗薬とは作用の仕組みが異なり、急性期だけでなく、24時間以降に起こる【遅発性嘔吐】にも有効です。

制吐剤は、作用機序が異なる制吐薬を併用したり、使い分けたりすることで、優れた制吐効果を発揮します。「イメンド」を他の制吐薬と併用することで、相乗効果も期待できます。【急性嘔吐】には5-HT3受容体拮抗薬と、【急性嘔吐】【遅発性嘔吐】には「デカドロン」などのステロイド薬と併用するのが一般的です。そういった意味から、「イメンド」は“支持療法の新たな架け橋”として期待されています。

▼抗がん剤と吐き気

抗がん剤治療を行うと、50%以上の患者が吐き気や嘔吐を経験するといわれています。数日間、車酔いのような状態が続くケースも報告されています。副作用がキツイと、十分な量の抗がん剤を使えなかったり、抗がん剤治療そのものが続けられなくなったりする場合もあります。現代の「制吐療法」では、脳の嘔吐中枢に作用して吐き気を止める薬を使うのが一般的です。しかし、その場合は点滴後2〜5日頃の吐き気を抑える効果が弱く、課題になっています。

2019年12月、国立がん研究センターが中心となったグループが、抗がん剤治療に伴う吐き気や嘔吐を抑える新たな治療法を開発しました。抗精神病薬の一種を使うと、これまで難しかった治療後2~5日頃の嘔吐を持続的に抑えられるということです。研究論文は、12月12日付の「Lancet Oncology」に掲載される予定です。

▼その他の関連薬剤


▼イメンドの注意点、副作用

「イメンド」は、肝薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される薬剤ですので、CYP3A4によって代謝をうける薬剤(「タキソテール」など)の抗悪性腫瘍薬との相互作用に、十分な注意が必要です。

「イメンド」は、副作用が少ない薬です。主な副作用は、便秘、下痢、頭痛、食欲不振などです。重い副作用はほとんどありません。

主な副作用 便秘、下痢、食欲不振、吐き気、頭痛、しゃっくり
重大な副作用 ショック・アナフィラキシー、皮膚粘膜眼症候群、穿孔性十二指腸潰瘍

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、瀬戸大橋。瀬戸大橋は、本州と四国(香川県)を繋ぐ、10本の長い橋の総称です。制吐剤は、作用機序が異なる制吐薬を併用する使い方が一般的なので、橋には“支持療法の新たな架け橋”という意味が込められています。

一般名:アプレピタント カプセル
製品名:イメンドカプセル80mg,125mg,カプセルセット
NK1拮抗型制吐剤/選択的NK1受容体拮抗型制吐剤
小野薬品工業

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