マクジェン/日本初のアプタマー医薬品、AMD注射薬

視力の維持改善のために

▼マクジェンとは?

「マクジェン」は、加齢などが原因で眼で見た物がゆがんだり、視野の中心が欠けて見えるなどの症状を起こす滲出型の加齢黄斑変性症(AMD)の治療薬です。

眼球の中の異常な血管や血液の漏出をひき起こす原因となる体内物質の働きを抑え、異常な血管の成長を遅らせることで視力を維持させ、視力が低下する速度を緩めます。

加齢黄斑変性症治療薬としてはノバルティスの「ビスダイン」という薬がありましたが、静脈から注射するこの薬は、光線を照射することで作用を発揮する光線力学療法剤です。そのため、投与後に直射日光を避けることが必要でした。

一方、「マクジェン」は日本初の“アプタマー医薬品”と呼ばれる製品で、眼球内(硝子体内)に直接投与する注射剤なので、薬の成分が眼底に確実に到達できるというの特徴があります。「マクジェン」は、滲出型AMDに対し、血管の形成に関わるVEGFというタンパク質の機能を阻害することで、病状の進行を緩やかに抑えます。

「マクジェン」は眼球に直接注射する薬剤のため、眼球内への注射の投与・手技に十分な経験を持っている網膜疾患の専門医を対象に販売されています。薬価は12万3,457円(2010年時点)で、ピーク時(発売10年目)の売上高は73億円と見込まれています。

▼加齢黄斑変性症(AMD)とは?

加齢黄斑変性症(AMD)は、近年の高齢化に伴って、失明の原因として増えてきている病気です。特に、滲出型AMDは、眼球の中にできた異常な血管から血液などが漏れて、数ヵ月〜2年ほどで失明に至るおそれがあると言われています。

滲出型AMDの患者数は、日本で急増しており、1987年には7,500人だった患者は、1993年には1万4,400人となり、2008年には5万2,000人にまで増えると試算されています。

▼アプタマー医薬品とは?

アプタマー医薬品とは、特定の物質と特異的、選択的に結合するアプタマーという核酸分子を利用した薬剤 のことです。がんの治療などに使われている分子標的治療薬の一種です。疾患の原因となる細胞やウイルスなどに結合して生理活性を阻害するため副作用が少なく、優れた効果を示します。抗体医薬品に比べて、自己免疫に排除されにくいことが特徴です。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、芝刈りです。芝がまつ毛に見立てられ、刈り取ったあとが目玉のようになっています。ちょっとおやっとびっくりするような、ユーモラスなビジュアルです。

製品名:マクジェン硝子体内注射用キット0.3mg
一般名:ペガプタニブナトリウム
加齢黄斑変性症治療剤/滲出型AMD治療薬/核酸医薬/アプタマー医薬品
ファイザー
2008年10月14日、新発売

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