透析導入時期を遅らせるために、新しい物語が、はじまります。
慢性腎不全用剤クレメジンは、2011年4月より田辺三菱製薬が販売しています。
▼クレメジンとは?
「クレメジン」は、消化管内で尿毒症毒素(ウレミックトキシン)を吸着し、便とともに排泄する球形微粒子の多孔質炭素(腸内の有害物質を吸着する薬)です。
進行性の慢性腎不全における尿毒症の改善(透析導入の遅延)に使用されています。尿毒症症状(体調不良、吐き気、痒み)の改善や透析導入の遅延に効果があります。
「クレメジン」は、腸内で老廃物を吸着し、便と一緒に体外へ排泄させます。便として排泄することで、有害物質の体内への吸収を抑制します。結果的に、尿毒症が改善され、透析導入を遅らせることにつながります。ただし、病気そのものを根治することはできません。
▼尿毒症とは?
慢性腎臓病によって腎臓の動きが鈍くなると、身体の老廃物や余分な水分を尿として満足に排泄できなくなります。老廃物が溜まってくると、体調が悪くなり、吐き気がしたり、全身が痒くなったりします。これが“尿毒症”と呼ばれる症状です。
慢性腎臓病が進行して腎臓の機能が低下すると、腎不全が起こります。末期腎不全になると、失われた腎臓の働きを代替するために、透析治療か腎移植が必要となります。しかし、腎臓の提供者は多くありません。現在、日本では透析治療が圧倒的多数で、透析治療を受けている患者は30万人を超えてると言われています。
▼課題だった飲みにくさを改善(追記:2018年2月)
「クレメジン」は、高純度の活性炭から出来た吸着炭です。難点は服用量が非常に多く、服用しにくいことでした。そこで、飲むのに苦労する従来のカプセルと細粒に加えて、患者の負担軽減をはかった“クレメジン速崩錠”が新発売されました(2018年1月11日発売)。少量の水ですぐに崩壊し、口の中で拡散するのを抑えられるため、服用感の改善につながると期待されています。
▼クレメジンの副作用
「クレメジン」の主な副作用は、便秘、食欲不振、吐き気、腹部膨満感、皮膚のかゆみです。便秘症になると薬の効果が減少してしまうので、自覚症状を感じたら、医師と相談してください。
重い副作用はほとんどありません。胃潰瘍など胃腸に障害のある人は、消化管出血を含め、症状の悪化に注意が必要です。
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、“スミ隊長とおそうじ隊”。スミのこびとさんたちが、せっせと腸内を掃除してくれています。透析という深刻な現実に、希望の光を感じさせる温かいビジュアルです。薬を擬人化することで、製品の特性を分かりやすく伝えるという効果を狙っています。
一般名:球形吸着炭
製品名:クレメジンカプセル200mg、細粒分包2g
解毒剤/経口吸着剤/慢性腎不全用剤
田辺三菱製薬
クレハ