メインテート/心保護を目的とした降圧薬

慢性心不全の効能・効果追加
HEART meets β
The β blocker MAINTATE

▼メインテートとは?

「メインテート」は、β遮断薬(ベータブロッカー)という種類に分類される降圧薬です。比較的軽度から中等度の高血圧症、狭心症、不整脈、一部の慢性心不全の改善に用います。

「メインテート」の有効成分“ビソプロロール”には、“β受容体”を遮断し、心拍数が上がらないようにすることで血圧上昇を抑えるという効果があります。降圧の他にも、心臓の拍動を調節することで、狭心症や頻脈、不整脈などを治療する効果が認められています。

もともと「メインテート」は“心不全”には禁忌でしたが、海外での臨床試験で、病状によっては有効であることが近年分かってきました。そのおかげで2011年に特例扱いで、慢性心不全の効能が正式に認められました。専門医の診断によって、一部の慢性心不全(※)に対し、処方されるケースがあります。

※虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく“慢性心不全”のうち、「メインテート」が使用できるのはアンジオテンシン変換酵素阻害薬、またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている場合。

▼β遮断薬:ベータブロッカーとは?

ストレスなどによる交感神経系の興奮は、ノルアドレナリン(神経伝達物質)がβ受容体に結合することによって、心臓や血管へ伝わります。β遮断薬は、β受容体に結合して、このノルアドレナリンの結合を防ぐことによって心臓の心拍数を減らします。その結果として、血圧が下がるという仕組みです。

β受容体にはβ1、β2、β3の3種類が存在しますが、心臓にはβ1が多く、血管にはβ2が多く存在しています。β遮断薬には、こういった微妙に異なる受容体を選択的に遮断して、効果を高める工夫が施されています。

▼心保護を目的とした降圧薬

β遮断薬(ベータブロッカー)は、長い間高血圧治療の第一選択薬のひとつとして、カルシウム(Ca)拮抗薬やARB、ACE阻害薬、利尿薬と共に活躍してきましたが、2014年からは日本高血圧学会のガイドラインにおいて、第一選択薬から外されています

β遮断薬は高血圧治療の第一選択薬ではなくなりましたが、心不全や頻脈、狭心症、心筋梗塞後の患者にとっては、主要な降圧薬と言えます。現在、β遮断薬は“心保護を目的とした降圧薬”という位置付けとなっています。

▼メインテートの副作用

「メインテート」は身体の循環器系に作用して、心拍数の上昇を抑制する薬ですので、心臓に負担がかかって副作用を及ぼすことがあります。服用初期には、身体がだるくなったり、めまいを感じることがあります。

心臓の代表的な副作用として、徐脈があります。心拍数が極端に下がり、息苦しさや胸苦しさを感じる症状です。特に高齢者は、徐脈が起こりやすいので注意が必要です。

その他の副作用としては、倦怠感、めまい、ふらつき、低血圧、むくみ、手足の冷え、しびれ感、目の乾燥、眠気、不眠などが報告されています。

慢性心不全の治療の場合は、逆に病状が悪化するおそれがあるので注意が必要です。疲労や息切れ、息苦しさ、めまい、むくみや体重増加、徐脈など、身体に異変を感じた場合はすぐに医師へ連絡する必要があります。

▼メインテートとアーチストの違い

「アーチスト(ガルベジロール)」は、「メインテート」と同じ慢性心不全などの治療に用いられている薬です。「メインテート」はβ1のみに作用するのに対し、「アーチスト」はα遮断とβ1、β2遮断の作用があります。機能する箇所が微妙に異なるため、患者の症状やその他に罹っている病気によって使い分けがされています。

メインテート ・呼吸器疾患のある場合でも使用可
・心拍数が下がりやすいので、頻脈の治療に向いている
アーチスト ・呼吸器疾患がある場合、使用は困難
・心拍数に影響を与えにくいので、徐脈の症状にも使用可

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、ハート。ハートの形で“β(ベータ)”のかたちを表現しています。“赤と黒”という色彩は、カジノのルーレットの盤面にも使われている伝統的な配色です。赤と黒のコントラストによって、印象的なビジュアルに仕上がっています。



一般名:ビソプロロール フマル酸塩
製品名:メインテート錠0.625mg,2.5mg,5mg
不整脈用剤/β遮断剤/選択的β1アンタゴニスト
田辺三菱製薬
0.625mg錠新発売

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