ハンプ/心不全薬から癌転移を防ぐ薬へ

守ってあげたい。

▼ハンプとは?

「ハンプ」は生体内ポリペプチド製剤と呼ばれる心不全治療薬で、急性心不全の“肺うっ血”に伴う呼吸困難を改善する注射剤です。「ハンプ」の有効成分“カルペリチド”は、心臓が分泌するタンパク質の一種から造られた成分で、血管を広げて心臓の負担を減らす作用があるため、1995年から心不全の治療に使われています。

「ハンプ」は、腎臓に作用して利尿作用を、血管に作用して血管拡張作用を示します。腎血管の拡張による利尿作用と、血管拡張による負荷の軽減で、ニトログリセリンにはない心筋保護の効果が期待出来ます。

利尿薬と血管拡張薬を合わせたような薬ですが、電解質代謝異常、不整脈の発生といった副作用が極めて少ないのが特徴です。急性心不全の治療薬として、広く使われている薬です。

▼ハンプの副作用

主な副作用として“血圧の低下”と“徐脈”が報告されています。そのため、低血圧、右室梗塞、脱水の状態では使用禁忌とされています。

▼心不全の薬から、がん転移を防ぐ薬へ(2017年5月追記)

2017年、肺癌手術時に「ハンプ」を投与する臨床試験JANP試験が国家プロジェクトとして行われています。順調にいけば、2020年までには成果が報告できると期待されています。

これまで154人の患者で試したデータによると、肺癌の手術をする際に「ハンプ」を投与しなかった77名は、その後2年間でガンが転移再発しなかった割合が67%でした。一方、「ハンプ」を投与した77人は91%へ向上しました。「ハンプ」を投与した方が、ガンの再発が少ないという結果です。

【JANP試験】には、大阪大学や国立がん研究センター東病院など、日本全国10以上の施設が参加しています。目標の症例数は500名分のデータで、2018年には投与を完了する予定です。その後、2年間の経過観察を経て、本当にガンの転移再発を抑える効果があるのかを検証していきます。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、卵のケース。卵のケースの中には、肺や心臓、腎臓などが大切に守られています。分かりやすくて、親近感を感じさせるビジュアルです。

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製品名:ハンプ注射用1000
一般名:カルペリチド(遺伝子組換え)
α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤
生体内ポリペプチド製剤
第一三共

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