エピペン/アナフィラキシーの緊急補助治療薬

「もしも」のために、その手に“安心”を

▼エピペンとは?

「エピペン」は、ハチ刺されや食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療薬(アドレナリン自己注射薬)です。アナフィラキシーを起こす可能性の高い人が携帯しておくことで、病院へ運ばれるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、症状悪化防止に役立ちます。

補助治療剤ということで、アナフィラキシーを根本的に治療することはできません。「エピペン」を注射した後は、速やかに救急車を呼びましょう。

2011年9月に薬価が収載され、保険適用となりました。医師に講習が必要なことと、未使用製剤の回収が承認条件となっておりコストが大きいため、原価計算方式で約1万円の薬価がつきました。エピペン注射液0.15mgが7,979円、エピペン注射液0.3mgが10,894円(2017年12月現在)

2018年1月、「エピペン」の製造販売がファイザーからマイランEPD合同会社へ承継されました。

▼アナフィラキシーとは?

【アナフィラキシー】はアレルギー反応のひとつで、アレルギー反応が短時間で全身に激しくあらわれることを指します。アナフィラキシーの症状は非常に多彩で、生死に関わる深刻な症状(アナフィラキシーショック)を引き起こすこともあります。

人間の身体には、ウイルスや細菌などが入ってきたときにこれらの外敵を退治しようとする“免疫”という機能が備わっています。この免疫の機能が、人間に害を与えない物質に対しても過剰に反応して攻撃を続け、結果的に悪い症状を引き起こしてしまう、というのが“アレルギー”です。

アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン(抗原)」と呼びます。アレルゲンが身体に入ってくると、これを攻撃するために【IgE(アイジーイー)抗体】というタンパク質が産み出されます。

アナフィラキシーの症状は、IgE抗体の反応が深く関わっています。IgE抗体は、肥満細胞からヒスタミンや他の媒介物質を遊離させ、さらにヒスタミンが血管拡張や気管支の収縮、気管支の痙攣を招き、これらが影響してショック症状を引き起こします。

▼エピペンを使用すべき状況

消化器の症状 何度も吐く。我慢できない長い腹痛
呼吸器の症状 喉や胸が締め付けられる。息苦しい。持続する激しい咳
全身の症状 唇や爪が青白い。意識朦朧。尿や便を漏らす

▼エピペンの副作用

「エピペン」の主な副作用は、動悸、頭痛、めまい、不安、振戦(力を入れたときに手が震える)、過敏症状、嘔吐、熱感、発汗などです。多くはないですが、まれに呼吸困難、脈拍数の増加、不整脈といった症状が表れることがあります。このような状態では使用をやめて、すぐに専門医の診察を受けてください。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、寄り添いながら肩を寄せ合う母と娘。安心しているのか、微笑みがこぼれています。

承認条件である講習がオンラインで受講できるようになったことと、処方する際の関連書類が簡便になったことをアピールしています。

一般名:アドレナリン注射液
製品名:エピペン注射液0.15mg, 0.3mg
アドレナリン自己注射薬/アナフィラキシー補助治療剤
ファイザー(2018年、マイランへ承継)

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