新たなるステージへ スイッチ・オン
▼オングリザとは?
「オングリザ」は、糖尿病薬の中の、選択的DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)阻害剤と呼ばれる2型糖尿病治療剤です。血糖値を調節するホルモンであるインクレチンを分解する酵素をブロックし、血糖値に応じてインスリン(血糖値を下げる働き)の分泌を促進して、血糖コントロールを良好にします。つまり、インスリンの分泌量を増やすことで血糖値を下げる薬です。
「オングリザ」は、2013年から発売されている国内7番目のDPP-4治療薬です。選択的DPP-4阻害剤は従来の糖尿病治療薬と違って、インスリンを過剰に分泌させません。低血糖のリスクがほとんどなくなるということです。DPP-4阻害剤は新しい種類の薬なので、薬価が高いのがデメリットです。
売上高と処方数は必ずしも一致しませんが、それでも日本でのDPP-4阻害薬の評価は疑いようがありません。「オングリザ」が発売されたことで、2014年の段階で7種類ものDPP-4阻害薬が登場したことになります。これだけ多くのDPP-4阻害薬が発売されているのは日本だけです。国内では、DPP-4阻害薬が実質的に第一選択薬として使われています。
DPP-4阻害薬は種類が多くなり(2015年発売のマリゼブで9番目)、どの薬剤もきちんと服用すれば24時間のDPP-4阻害率は80%をクリアしているので、医師も選択に迷うのではないでしょうか。後から発売される薬は、それなりの個性がないと生き残っていくのが難しいのかな、と思います。「オングリザ」は“効果が長い”ことが売りでしたが、1週間に一度で済む「マリゼブ」や「ザファテック」の登場で、若干影が薄くなってしまった印象です。
▼主なDPP-4治療薬の特徴
【トラゼンタ】:胆汁排泄型、腎機能に関係なく使用可
【テネリア】:胆汁・腎排泄型、半減期が24時間と長い、日本発
【スイニー】:腎排泄型、中性脂肪やLDLコレステロールを下げる効果
【オングリザ】:腎排泄型、解離半減期が長く、効果が持続する
【マリゼブ】:腎排泄型、週1回で他のDPP-4阻害剤と同等の効果
▼広告のキービジュアル
広告のビジュアルは、水面に着水した(浮かび上がった?)オングリザのシンボルマーク。膵臓のシルエットが入っていれば、だいたい「ああ、糖尿病の薬だ」ということが分かります。水しぶきが登場感を感じさせます。
一般名:サキサグリプチン水和物
製品名:オングリザ錠2.5mg,5mg
選択的DPP-4阻害薬/2型糖尿病治療剤
協和発酵キリン