タケキャブ/酸関連疾患治療の、明日のために

酸関連疾患治療の、明日のために

「タケキャブ」は、胃潰瘍や逆流性食道炎の薬です。国内では5番目のプロトンポンプ阻害薬(PPI)です。強力に胃酸の分泌を抑える効果があります。更に、抗生物質が効きにくい胃潰瘍の原因菌“ヘリコバクター・ピロリ”の除菌効果も高い薬です。PPI(プロトンポンプインヒビター)は、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療にファースト・チョイスとして選択されることが増えています。

「タケキャブ」は、「ネキシウム」の競合品ですが、ネキシウムにはない【P-CAB】という新しい作用機序を持っています。

いままでのPPIは、胃の中で胃酸によって活性化してから有効成分の効果を発揮していました。そういった理由で、薬の効果を感じるまでに少し時間がかかっていました。「タケキャブ」は、この欠点を改良してあり、胃酸による活性化を必要としません。活性化を待たずに機能するので、従来品の「タケプロン」や「ネキシウム」などよりも速い効果が期待できます。

▼ピロリ除菌率が上昇

ピロリ除菌療法については、プロトンポンプ阻害剤と抗菌剤(クラリスロマイシンやアモキシシリン)の組合せによる一次除菌と二次除菌が保険適用となっています。近年、クラリスロマイシンの耐性などが原因で除菌成功率は低下傾向にありましたが、「タケキャブ」の登場で、除菌率が再び上昇しているとのことです(ヘリコバクター学会発表)。【追記:2017年8月】

▼4倍増の売上高(2015→2016)

生活習慣病薬のほとんどがマイナス成長の中、「タケキャブ」は前年度84億円から約4倍増の341億円と売上を伸ばしています。プロトンポンプ阻害剤(PPI)の世界では、「ネキシウム」が「タケプロン」を抜いてナンバーワンを獲得していますが、武田薬品としては新しい「タケキャブ」で巻き返しを狙っています。【追記:2017年9月】

▼他のPPI(プロトンポンプ阻害薬)との比較

・オメプラール:一番薬価が安いPPI
タケプロン:OD錠あり。副作用が少ない
パリエット:効果が一番強い。薬価も高い(20mg)
ネキシウム:効果が速く強い
タケキャブ:タケプロンの改良版(P-CAB)。速効性で持続型



▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、地上最速の生物チーター。「強い」「速い」という製品の特徴を捉えたキービジュアルになっています。ブルーのチーターがカッコイイですね。細胞のような青い球体は、酵素のイメージで【プロトンポンプ】を表現しているのだと思います。

キービジュアルの手法に“メタファー分析”というものがあります。「タケキャブ」という製品の特性を言葉で説明するのは難しいけれど、動物でなら簡単に伝えられる! というテクニックです。

製品に見立てたビジュアル(ここではチーターの写真)を用意してあげれば、広告を見た人がその製品の特性を自分なりに補完して想像してくれるわけです。


一般名:ボノプラザン フマル酸塩
製品名:タケキャブ錠10mg,20mg
消化性潰瘍用剤/プロトンポンプ阻害剤/カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
/胃腸薬
武田薬品工業

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