ハーボニー/C型肝炎は治療が目指せる時代に

C型肝炎は治療が目指せる時代に

C型肝炎検査キット

▼ハーボニーとは?

「ハーボニー」は、C型肝炎のウイルス増加をおさえる抗ウイルス薬です。従来のC型肝炎の治療法だったインターフェロンを使わず(インターフェロン・フリー)、しかも効き目が極めて高く(100%)、治療期間も短い(3ヵ月)という、画期的な新薬として登場しました。インターフェロンの注射を必要とせず、内服薬だけで1型C型慢性肝炎を完治出来るというのは、歴史が変わるほど革新的なことでした。

抗ウイルス薬には耐性変異といって、薬の効き目が弱くなる問題があります。ウイルス内部の遺伝子が変異して、耐性を獲得するのです。治療に失敗して耐性変異が生じると、次の治療にも影響を及ぼす場合があります。つまり、可能な限り1回の治療で成功させる必要があるのです。「ハーボニー」は、この耐性変異が生じにくいとされています。

IFNフリー療法 ・副作用が少ない
・ウイルスの耐性変異が生じにくい
・治療期間:3ヵ月
・著効率が高い
IFN療法 ・副作用が深刻
・ウイルスが陰性として残る可能性あり
・治療期間:半年〜1年
・著効率が低い

▼C型肝炎とインターフェロン療法

日本のC型肝炎患者のほとんどは、C型肝炎ウイルス(HCV)が発見される以前に、輸血や献血での注射針の使い回しで感染したと考えられています。予防接種の注射器の使いまわしは、1948年頃に始まり、1988年まで続いていました。そういった経緯で、50〜80歳代の患者が多いのが特徴です。現在では、日常生活でC型肝炎ウイルスに感染するリスクは、ほとんどないと言われています。

C型肝炎の治療といえば、昔はインターフェロン(IFN)療法しか選択肢がありませんでした。しかし、IFN療法は6〜12ヶ月と治療に時間がかかり、治癒率も低く、過酷な副作用が伴う大変なものでした。IFNフリーの「ハーボニー」の承認は、C型肝炎患者にとっては待望の新薬です。「歴史が変わる瞬間がある」というのは、決して大げさなキャッチコピーではないと思います。

日本国内のC型肝炎ウイルス(HCV)感染者は、190〜230万人と言われています。C型肝炎は、血液を介してC型肝炎ウイルス(HCV)が肝臓に感染することによって起こる炎症性の病気です。C型肝炎ウイルスに感染した人の約70%が、持続感染に移行して、やがてC型慢性肝炎となります。C型肝炎が慢性化すると、感染に伴う炎症が続くことによって、最終的に肝硬変や肝臓癌へと進展してしまいます。

1992年頃から、インターフェロン療法が承認されて、治療が行われましたが、治療が完了してからもウイルスが陰性のまま潜伏するなど、薬が効果的だった割合はわずか数%という悲惨な状況が続きました。

21世紀に入り、インターフェロン療法と抗ウイルス剤のリバビリンとの併用で著効率が約50%に向上。さらに、インターフェロン療法とプロテアーゼ阻害剤の「ソブリアート」を併用することで、約90%まで向上しました(初回治療患者の場合)。しかし、インターフェロン療法を含む治療法では、副作用が高頻度で出現するため、患者にとっては身体的にも精神的にも重い負担となっていました。

そして2015年、インターフェロンを用いない画期的な新薬「ソバルディ」と「ハーボニー」が登場しました。1989年のC型肝炎ウイルス発見から、苦節26年。C型肝炎診療の新時代の到来です。

▼IFNの深刻な副作用が与える影響の例
・通勤時に駅の階段が辛くて、一段も登れない
・副作用がひどくて仕事にならないので、治療を断念
・ウイルスが陰性化しているのではと不安が続く

▼C型肝炎の診断の流れ

C型慢性肝炎の診断は、血液検査によって行われます。肝機能に持続的な異常が認められる場合は、C型慢性肝炎を疑い、HCV抗体検査を行います。HCV抗体検査は各都道府県または市町村が実施しています。C型慢性肝炎の抗ウイルス治療は、国および自治体から医療費の助成を受けることができます。

HCV抗体検査 ウイルス感染の有無を判定
HCV RNA検査 ウイルス感染持続の有無を判定
ウイルス量/遺伝子型測定 治療方針決定のために、ウイルス量とHCV遺伝子型を判定
肝線維化の進展度の判定 病気の進展度の予測と発ガンの可能性評価

▼高額なIFNフリー製剤

「ハーボニー」は、画期的なIFNフリー製剤として認められ、1錠当たり8万円を超える薬価が付きました。大変高額な薬剤です。3ヶ月の内服で500万円を超えることから、発売当初から医療費の財源圧迫などが懸念されていました。

その為、2016年度には、特例拡大再算定(年間販売額が非常に大きい製剤に対する再算定のルール)が適用され、薬価が30%以上も下げられました。しかし、薬価が下げられても、「ハーボニー」と「ソバルディ」を合わせて前年比2倍以上の成長でカバーし、全医薬品の国内売上高トップ1位、3位を占めています(2位はオプジーボ)。

▼偽造薬が発見

2017年1月に、偽造薬が発見されて話題にもなりました。ハーボニーはインド系後発品企業7社とライセンス契約を2014年9月に凍結しています。ハーボニーの後発品が海外から入ってくる可能性があるのです。安全性は大丈夫なのかな、と心配です(追記:2017年1月)。

▼ハーボニーとソバルディの違い

「ソバルディ(ソホスブビル)」に、レディパスビル(NS3阻害薬)を組み合わせ合剤にしたのが「ハーボニー」です。「ソバルディ」は“ジェノタイプ2型向け”、「ハーボニー」は“ジェノタイプ1型向け”のC型肝炎治療薬です。

ジェノタイプというのは“遺伝子型”のことで、ウイルスの遺伝子(塩基配列)による分類のことです。日本人のC型肝炎患者の70%がジェノタイプ1型だと言われています。

▼ハーボニー、ジェノタイプ2型を追加(追記:2018年2月)

2018年2月、厚生労働省は薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会の中で、C型肝炎治療薬「ハーボニー」は承認されている“ジェノタイプ1型”に次いで、“ジェノタイプ2型”の適応が追加されると報告しました。国内のC型肝炎患者数は約130〜240万人で、20〜30%がジェノタイプ2型だと言われています。

▼広告のキービジュアル

ビジュアルは、C型肝炎ウイルスが破壊されているイメージです。企業の真摯な気持ちを感じる誠実な広告です。


一般名:レジパスビル/ソホスブビル
製品名:ハーボニー配合錠
抗ウイルス剤/C型肝炎治療薬
ギリアド・サイエンシズ

関連記事

カテゴリー

ピックアップ

  1. エリキュース/脳卒中や静脈血栓塞栓症の治療に

  2. アレロック/顆粒0.5%新発売

  3. シュアポスト/助太刀申す

  4. フィルグラスチム/G-CSFバイオシミラー

スポンサードリンク

コラム

  1. 企業広告に隠された利点

    皆さんは、企業広告というものをどのくらい気にかけていますか?正直に云って、あまり気にしていない方...

注目の医薬広告

  1. 痛みと炎症。
  2. ▼ボンビバとは?「ボンビバ」は、骨粗鬆症の治療薬です。
スポンサードリンク