Better Health, Brighter Future
タケダから、世界中の人々へ。
より健やかで輝かしい明日を。
企業広告は、社会貢献活動、文化活動、経営理念などを外へPRしていくことによって“社会的信用を高める”という効果があります。つまり親密度や信頼度を高めて、自分の会社のファンになってもらう、ということです。いわゆるブランディングの一環です。たとえば、人が同じ性能で同じ価格の製品を選ぶ場合、「環境に配慮している」とか「誠実で信頼できる」などといった企業のイメージで差をつけるからです。
企業広告は、企業のイメージアップを図ることで、結果として、自社製品の売上拡大に寄与することを狙っていますが、メリットはそれだけではありません。企業広告の効果は、例えば「あの会社だったら、働いてもいいな」といった優秀な人材の確保や「世間から立派な会社だと思われているし、自分も見合うように頑張らなくちゃ」といった従業員の意識にも充分な効果を発揮すると言われています。機械メーカーの村田製作所が、盆と正月に実家へ帰省する社員が家族に認められるためにTVコマーシャルを流した、というのはあまりにも有名な逸話です。
いままでは、製品広告と企業広告は完全に分離して存在していましたが、最近では、製品広告と企業広告を一体としてとらえる発想が強まっています。医薬広告で言うと“C型肝炎”“疼痛”などの領域ごとで、企業広告を打ってくるケースです。これらは、企業広告を一歩推し進めて、製品の売上に繋げることを想定しています。製薬企業も商売ですから、やはりいろいろなことを考えて、仕掛けを練っているのです。
▼消化器系パイプラインを強化(2018年1月:追記)
2017年1月、武田薬品工業はベルギーのバイオ医薬品のベンチャー企業「タイジェニックス」を買収すると発表しました。消化器系疾患領域薬の開発強化の一環で、買収額は約700億円。タイジェニックス社が開発している“クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔治療薬”を日本で上市する計画です。実現すれば、武田薬品として初の細胞治療薬となります。
▼多国籍巨大製薬企業(2019年1月:追記)
2018年、武田薬品工はアイルランドの大手製薬会社シャイヤーを約7兆円で買収しました。タケダのクリストフ・ウェバー社長は「買収による巨額の負債は、統合効果で返済できる」と述べています。たしかにウェバー社長なら出来るのかもしれませんが、外国人経営者に見限られた後はどうなるでしょう? 日産のカルロス・ゴーン氏の事件を考えると、優秀な外国人経営者が日本を避けたとしても不思議ではありません。日本企業は時代劇に出てくる村に似ています。困った時だけは用心棒に頼りますが、彼らを本気で受け入れる気がないのです。
タケダは今回の買収によって、売上高世界第7位(2017年度)の世界的な多国籍巨大製薬企業となりました。規模が大き過ぎて、日本人の経営能力では追いつかないというケースも出てきそうです。これまで日本人が、日本発祥以外の世界的な大企業で最高経営責任者を務めたことは一度もありません。近年、年、多くの日本人スポーツ選手が海外で活躍する新しい時代となりましたが、日本はトップ経営者を“輸出”出来ていないのです。ウェバー社長の退任を見据え、世界で通用する日本人リーダーの育成が急務となっています。