アイミクス/ジェネリック発売へ

アイの力で降圧に導く!

▼アイミクスとは?

「アイミクス」は、日本で高血圧治療に頻繁に使われているアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)のイルベサルタン(アバプロ、イルベタン)と、持続性Ca拮抗薬のアムロジピン(アムロジン、ノルバスク)の配合剤です。ARB+カルシウム拮抗剤としては、国内で5番目の合剤ということで遅れを取り戻すためなのか、かなり派手に広告展開しています。“大型製品は通常の倍の予算を掛けろ”というセオリーに則り、特許の切れた「アムロジン」などの旧主力製品の売上をカバーする狙いです。

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬の組み合わせは重宝されていて、降圧効果の増強が見込まれます。イルベサルタンは長時間型が特徴で、降圧効果が24時間持続します。一方のアムロジピンは、非常に多く使われているカルシウム拮抗薬です。長時間作用型で、ゆっくりと安定した改善を得られるのが特徴です。合量の異なるLD(ロー)とHD(ハイ)の2種類の製剤が販売されています。LDはアムロジピン含量が5mgの低用量、HDは10mgの高用量です。

アムロジピンの「A」、イルベサルタン(アバプロ、イルベタン)の「I」をミックス。
アイミクス

合剤の場合、何と何の薬が使われているのかすぐに判ると良いですよね。「アイミクス」は、アムロジピンが高用量(10mg)なのが特徴です。中等度〜重度の患者に使用できます。

※「イルベタン」と「アバプロ」は、製品名は違いますが有効成分は同じです。
販売元が、イルベタン=塩野義製薬、アバプロ=大日本住友製薬

▼ジェネリック発売へ(追記:2018年2月)

2018年2月、「アイミクス」の後発品(ジェネリック)が2018年6月の薬価追補収載に向けて、厚生労働省に承認されました。「アイミクス」は、薬価ベースの売上げで約280億円の規模があり、約20社が後発品の承認を取得しました。なお薬価は、おそらく先発品の4掛けで算定されるだろうと言われています。

「イルベサルタン(製品名:イルベタン、アバプロ)」の時と同じように、大日本住友の100%子会社“DSファーマバイオメディカル”が、競合他社のジェネリック対策として、発売に合わせて「アイミクス」のオーソライズド・ジェネリック(AG)を投入する可能性が高いです。その場合は、承認を得たけれど撤退(発売しない)というメーカーも出てくるでしょう。

さすがに、同じ薬が20社から発売されるのは多過ぎますし、AGがひとつあれば、それで充分という気がします。日医工、沢井製薬、東和薬品などの大手後発品企業はまだしも、小規模のジェネリックメーカーにとっては、AGが発売されれば太刀打ちできない存在に思えます。

▼アイミクスのAG(オーソライズド・ジェネリック)

先発品の「アイミクス」は、薬価ベースの売上げで約280億円の規模があり、今回の特許切れで約20社が後発品の承認を取得しました(実際に収載されたのは15社)。

イルベサルタン(製品名:イルベタン、アバプロ)」の時と同じように、大日本住友の100%子会社“DSファーマバイオメディカル”が、競合他社のジェネリック対策として、「アイミクス」のオーソライズド・ジェネリック(AG)「イルアミクス」を発売します。

AG品は先発品と原薬、添加物、製造工程まですべて同じ、というアドバンテージを持っています。AGの発売が決まって、承認は得たけれど撤退(発売しない)というメーカーも出てきました(承認20社→収載15社)。さすがに、同じ薬が20社から発売されるのは多過ぎますし、後発品はAGがひとつあれば、それで充分という気がします。

▼アイミクス、ジェネリックの発売日(追記:2018年6月)

2018年6月の追補収載された製剤(15成分33規格119品目)の中で、「アイミクス」の後発品が最多となり、人気の高さが伺えます。「アイミクス」のジェネリックである「イルアミクス」の発売日は、2018年6月15日と発表されました。他社の競合ジェネリックも収載から3ヶ月以内に発売される予定です。

▼ARB+Ca拮抗薬の配合剤市場

高血圧症の治療は、ARB配合剤の登場で従来の標準治療薬だったカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)やアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)が流行遅れになるほど激変しました。

降圧剤はすべての医療用医薬品の約20%を占めると言われています。2008年の薬価改定でARBを中心に大幅に薬価が引き下げられましたが、これから益々高齢化が進む国内では、高血圧の患者数は増加し、以前として市場は膨張を続けていくと予測されています。

ARBとCa拮抗薬(CCB)の降圧配合剤も、様々な製品の発売で競争が激化しています。配合剤の市場は2005年にCa拮抗薬の売上を抜いて以降、拡大し続け、2010年には5,200億円(前年比6.9%増)を達成しました。

▼代表的なARB+Ca拮抗薬の合剤とその特徴

高血圧症は世界で最も患者数が多い疾患であり、国内では約4300万人いると言われています。高血圧治療のガイドラインでは食生活の改善とともに薬物治療がメインとなっており、最近は作用機序の異なる薬剤を組み合わせた(高血圧の原因が複数存在するので)併用療法が推奨されていて、年々使用頻度が高まっています。

エックスフォージ バルサルタン+アムロジピン 国内初のARB+CCB。OD錠あり
レザルタス オルメサルタン+アゼルニジピン 心臓腎臓など臓器保護作用、24時間持続
ユニシア カンデサルタン+アムロジピン 脳保護効果、心保護効果
ミカムロ テルミサルタン+アムロジピン 胆汁排泄型、脂質代謝に好影響、24時間持続
アイミクス イルベサルタン+アムロジピン 長時間作用型、アムロジピン10mg高用量あり
ザクラス アジルサルタン+アムロジピン 降圧効果最強、長時間持続
アテディオ バルサルタン+シルニジピン 早朝高血圧を優位に低下、尿酸値低下作用







▼広告のキービジュアル

100mg/10mgの合剤で「百十」→百獣の王→ライオン

ということで、アイミクスのイメージキャラは【ライオン】となっています。
以前は手塚治虫先生の「ジャングル大帝」が使われていたのですが、契約期限切れでしょうか・・・。「ジャングル大帝」は個性があったのですが、普通のライオンだとありきたりですね。前の広告の方が好きでした。

ライオンは“強いイメージ”の象徴です。イルベサルタンは同系統の中でオルメサルタンに次いで2番目に強い薬です。ちなみにキャッチコピーが以前と変わっています(以前のキャッチコピーは「アイの力で降圧に挑む!」でした)。

一般名:イルベサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠
製品名:アイミクス配合錠LD,HD
長時間作用型ARB/持続性Ca拮抗薬配合錠
シオノギ製薬
大日本住友

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