結晶レジボアシステムによる、
持続的な気管支拡張作用
▼ホクナリンとは?
「ホクナリン」は、世界で初めての皮膚に貼る気管支拡張剤です。対症療法薬なので病気そのものは完治出来ませんが、主成分のツロブテロール(β2受容体刺激薬)が気管支を拡げ、呼吸を楽にします。主に喘息や気管支炎の治療に使用されています。1998年の発売から20年が経ち、ジェネリック医薬品(後発品医薬品)も多く出ています。発売以降も、使いやすさの向上や粘着性など、様々な改良が行われている定番製品です。小児にも使えるというのが大きな特徴です。
▼結晶レジボアシステムとは?
“結晶レジボアシステム”とは、テープから有効成分が皮膚へ少しずつ放出されるシステムのことで、これによって24時間ゆっくりとした効果が持続出来ます。薬の成分の一部を結晶化させることで、皮膚に吸収される分子レベルになるまで、時間が稼げるというわけです。
▼ホクナリンテープの副作用
深刻な副作用はほとんどありません。良くある副作用は、テープを貼った部分の皮膚が痒くなることです。人によっては、動悸やふるえが起こるという報告があります。その場合は、医師の指示に従ってテープを小さくして使用することがあります。
稀なケースですが、「ホクナリン」を過剰に使用すると、血液中のカリウム分が減少するので、人によっては不整脈が起こる可能性があります。医師や薬剤師の指示に従って、決められた使用法・使用量を守ることが重要です。
▼気管支拡張剤市場の動向
吸入型の気管支拡張剤としては、「スピリーバ」「オンブレス」「ウルティブロ」「シーブリ」などがありますが、処方数では外用剤の気管支拡張薬「ホクナリンテープ」(ツロブテロール)がトップです(2014年度)。1日1回貼るだけで済む手軽さと、小児の気管支炎にも使えるというメリットで処方が増えています。
▼その他の“貼る”医薬品
▼気管支喘息の原因解明、新治療薬に期待(2018年3月:追記)
2018年3月、東北大学の研究グループが気管支喘息の原因が“2型自然リンパ球”というリンパ球の活性化であることを発表しました(Journal of Allergy and Clinical Immunology 電子版:2018.2.7.)。気管支喘息を含むアレルギー疾患の新たな治療法開発につながると期待されています。
・気管支喘息(アレルギー性喘息)が起きる新たなメカニズムを発見。
・GITRタンパク質がリンパ球の活性化を介して、気管支喘息を引き起こすことを解明。
・GITRタンパク質を阻害する物質が気管支喘息の新しい治療薬となる
従来のアレルギー疾患の治療で注目されていたのは、アレルギー反応の制御や他の免疫細胞の活性化に関係する免疫細胞【T細胞】でしたが、東北大学はこの免疫細胞の表面に出現する“GITR”というタンパク質が、2型自然リンパ球を活性化することをマウスを使った実験で実証しました。
2型自然リンパ球は、気管支喘息が発生する時に最初に活性化する免疫細胞なので、この細胞が活性化しなければアレルギー反応は起こらないという理論です。
気管支喘息のメカニズムが解明されたことで、気管支喘息を含むアレルギー疾患の新しい治療薬誕生の可能性が高まっています。
▼広告のビジュアルについて
広告のキービジュアルは、小さな子どもとお母さん。テープを貼ったあとで、気持ちよく寝ています。咳で眠れない子どもが、ホクナリンテープのおかげで朝までぐっすり眠れるようになる、という日常を描いています。“咳き込んで眠れない子供がいたらどうするだろう?”という具体的な仮説を立てて、それを解決する方法を提示してあげる、という王道の広告表現です。ストーリー性があって分かりやすいビジュアルに仕上げっています。
一般名:ツロブテロール
製品名:ホクナリンテープ0.5mg,1mg,2mg
気管支拡張剤/β刺激剤/経皮吸収型・気管支拡張剤
マイラン