ブデソニド吸入液
日本初のジェネリック
▼ブデソニドとは?
「ブデソニド」は、ステロイド性抗炎症吸入薬「パルミコート」の後発品(ジェネリック)です。アレルギー反応によって狭くなった気道の炎症を抑制することで、喘息の発作を予防し、呼吸を楽に改善します。主に気管支喘息の症状緩解に用います。
有効成分のブデソニドはステロイドの一種です。ステロイドには強い抗炎症作用があり、日常的に気道の炎症をおさえることで喘息の発作を予防します。
副作用は少ないのですが、使用方法や吸入回数に注意が必要です。毎日規則的に吸入する必要がありますし、過不足なくきちんと吸入回数を守る必要があります。
ブデソニド吸入液0.25mg「武田テバ」は水性懸濁液の吸入液製剤で、アンプル入りの液剤で“ネブライザー”という機器を用いて吸入します。
ブデソニド吸入液は、既に世界19ヵ国で発売されていましたが、日本国内では技術的・薬事的な理由によって、発売が遅れていました。
▼ネブライザーとは?
ネブライザーとは、液体薬を霧状化して、気管支や肺へ送るための医療機器です。薬液を細かいミストにすることで、薬の成分を呼吸と一緒に気管や肺、鼻の奥へ届けることができます。
ネブライザーは、「医療機関用」と「家庭用」があり、喘息(気管支炎)や肺炎の治療や蓄膿(副鼻腔の炎症)を和らげる治療に使用されています。
▼ジェネリックが出しにくい呼吸器領域の医薬品
呼吸器市場は、売上全体で言えば800億円以上あり、通常で考えれば後発品(ジェネリック)が乱立していてもおかしくない市場ですが、吸入器の特許問題があり、吸入型喘息治療薬のジェネリック参入の壁となっています。後発品の場合、各社が吸入器の開発を独自に行わなくてはならないため、内用薬とは違って開発費が余計にかかるのです。
なお、「ブデソニド」はミスト状にして使う吸入液なので、独自の吸入器は不要で、市販のジェット式ネブライザーを用います。
薬液を霧状にして吸入する製剤に関しては、生物学的同等性に関しての明確なガイドラインがありませんでした。そこで武田テバファーマは、“生物学的同等性試験がin vitro試験で免除される”という【Biowaiver】という手法によって、今回の「ブデソニド」の国内承認を実現しています。
▼ステロイド配合剤市場の動向
ステロイドを配合した気管支治療薬は、現在4製品が販売されています(2020年現在)。アステラス製薬の「シムビコート」は年間の売上が470億円(薬価ベース:2019年3月時点)に達している大型製品で、病院外・病院内で処方数/処方金額でどちらもトップです(全規格を合わせた外来での処方金額は「アドエア」が第一位)。
β2刺激薬とステロイドの配合剤市場は、「アドエア」と「シムビコート」が長らくシェアを二分していましたが、2013年11月に杏林製薬が「フルティフォーム」を、2013年12月にはグラクソ・スミスクラインが「アドエア」の姉妹品「レルベア」を相次いで発売しています。
▼武田テバファーマが展開する4本柱
武田テバは、日本の大手ジェネリック医薬品企業の一つです。大元の母体は“大正薬品工業株式会社”です。数度の統合、子会社化を経て、現在の社名となりました。武田テバは、オフパテント・ドラッグ(OPD)という新しい市場を創り出すという目標を掲げている野心的なジェネリックメーカーです。
【1】 AGの導入と安定供給
【2】 単独発売できるような特徴のある後発品の提供
【3】 長期収載品の有用な情報を薬剤師・医師へ提供
【4】 希少疾病用医薬品を中心とした新薬の提供
武田テバが一番注力しているのは、AG(オーソライズド・ジェネリック)です。武田薬品からは33製品を引き継ぎ、これまで3製品のAGを発売しました。これはいわゆる【後追いAG】というものでした(既に後発品があるAG)。武田テバは、今後も1年に1製品程度のペースで【後追いAG】を発売する予定です。
また、技術力を活かした個性的な医薬品も事業の柱となっています。デバイスに特徴があったり、コーティングに独自の製剤設計が施されていたり、他社が真似できず、単独で発売している薬もあります。患者にとっては、選択肢の幅が拡がってメリットとなりえます。他には、長期収載品の情報を速やかに提供する体制を整えたり、希少疾病用医薬品も取り扱っていく方針です。
▼広告のキービジュアル
「ブデソニド」のキービジュアルは、ずばり吸入液のアンプル。ジェネリック医薬品の広告は、後発品ということもあって、製剤写真その物をビジュアルに使うケースが多いです。予算も新製品よりは少ないでしょうし、有り体に言えばコピー品なので「あまりカッコつけても仕方がない」という風潮なのだと思います。
一般名:ブデソニド
製品名:ブデソニド吸入液0.25mg「武田テバ」, 0.5mg「武田テバ」
吸入ステロイド喘息治療薬
武田テバファーマ
武田薬品工業