ラツーダ/2つの適応症を同時取得。新しいSDA

この手で、明日を描き出す
―New SDA, LATUDA―

▼ラツーダとは?

「ラツーダ」は、心をおだやかにする薬です。統合失調症や双極性障害におけるうつ症状など、心の病気の治療に処方されています。

「ラツーダ」はいわゆる非定型抗精神病薬(第二世代の抗精神病薬)で、ドパミンとセロトニンという脳内のふたつの神経伝達物質を抑制します。ドパミン【D】セロトニン【S】を抑えることで、陽性症状(幻覚、妄想、興奮)と陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)の双方に良い効果が期待できます。ドパミンだけでなくセロトニンも抑制するということで、SDA(セロトニン・ドーパミン拮抗薬)と呼ばれています。

「ラツーダ」は、「リスペリドン」と同じ【非定型抗精神病薬】のSDAですが、従来の薬剤と異なりドパミンD2受容体、セロトニン2A受容体およびセロトニン7受容体に対してはアンタゴニスト、セロトニン1A受容体に対してはパーシャルアゴニスト(弱い作用)として作用します。その一方で、ヒスタミンH1およびムスカリンM1受容体に対してはほとんど親和性を示さないのが特徴です。

※アンタゴニストとは、身体の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどの働きを阻害する薬物のことです。

「ラツーダ」は、統合失調症に対して体重増加、糖代謝異常などの“代謝系副作用が少ない”という観点から、既に海外の治療ガイドラインでは、【双極性障害におけるうつ症状】では第一選択薬のひとつとして推奨されています。

優れた改善効果と高い忍容性から、日本国内でも「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」治療の第一選択薬のになり得る、と期待されています。

※双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す慢性的な疾患です。

▼統合失調症とは?

国内の患者数は、約80万人と言われており、再発率が高い慢性疾患です。【陽性症状】(幻覚、妄想、思考障害など)と【陰性症状】(感情の平板化、社会的引きこもり、自発性低下など)に加え、記憶力、注意力、実行能力の低下などの認知機能障害や不安・抑うつなど、経過とともに多様な症状が認められ、生活が困難になる病気です。

治療の基本は薬物療法で、国内では第一選択薬として非定型抗精神病薬が推奨されています。多様な精神症状に対する効果の未充足や体重増加、糖代謝、脂質代謝異常といった代謝系副作用の発現など、治療上の課題が多く残されています。

▼双極性障害におけるうつ症状とは?

国内の患者数は、約22万人と言われており、躁うつ病とも呼ばれる疾患で、症状として躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。うつ状態を繰り返す頻度が多いと、社会生活や家族生活を営む上で大きな障壁となります。薬物療法が治療の基本ですが、有効な治療法が多くある躁症状と比べ、うつ症状に対する治療選択肢が限られていることが双極性障害治療の課題です。

▼ラツーダの特徴

「ラツーダ」は、セロトニン受容体とドーパミン受容体の他、様々な神経伝達物質の受容体に働くことで、症状を改善する治療薬です。このため、ドパミン過剰による幻覚や妄想といった陽性症状を改善すると同時に、ドパミンを抑制し過ぎて起こる副作用(錐体外路症状や高プロラクチン血症)を緩和することができます。さらに、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用が少ないため、認知機能の改善効果が期待できます。

非定型抗精神病薬 不安や落ち込み、双極性障害や行動障害の改善
副作用が比較的少ない 長期の維持療法に適します
鎮静作用が少ない 賦活作用が期待できる
その他 認知機能の改善にも効果がある

▼現在、臨床現場で使用されている非定型抗精神病薬



セロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA) リスペリドン(リスパダールなど)
多元受容体作用抗精神病薬(MARTA) オランザピン(ジプレキサなど)
セロトニン・ドパミンアクティビティモジュレーター(SDAM) アリピプラゾール(エビリファイなど)、ブレクスピプラゾール(レキサルティ)

▼ラツーダの副作用

「ラツーダ」の主な副作用は、錐体外路症状(アカシジア:静坐不能)です。その他、眠気やふらつき、高プロラクチン血症などが報告されています。重大な副作用として遅発性ジスキネジア、高血糖、白血球減少(各1%未満)が認められており、悪性症候群、痙攣、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、肺塞栓症、深部静脈血栓症、横紋筋融解症、無顆粒球症を生じる可能性もあります。従来の定型抗精神病薬に比べ、体重や代謝への影響は少ないと言われています。

滅多に起こりませんが、抗精神病治療薬には「悪性症候群」という注意が必要な副作用があります。また、長期服用時には「遅発性ジスキネジア」に注意が必要です。高齢者、身体の弱い方、薬の量を増やす時などは、事前に医師に相談してください。

主な副作用 錐体外路症状(アカシジア:静坐不能)、悪心嘔吐、傾眠、頭痛、不眠症、便秘、振戦(ふるえ)、
その他の副作用(2%以下) ジストニア(筋肉の緊張)、パーキンソニズム(筋肉のこわばり)、プロラクチン高値(乳汁分泌や生理不順)、体重増加

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、絵を描く女性。患者が創作活動を行うことで癒やしを得るアートセラピー(絵画療法)は、まだ発展途上の治療分野ですが、心理療法のひとつとして浸透しつつあります。

ビジュアルには、「ラツーダで患者さん自らが、彩りある日々を描き出すことに貢献したい」という願いが込められています。背景の赤紫、青、黄、緑は、ラインナップの規格(20mg,40mg,60mg,80mg)を表しています。

抗精神病薬の広告は、比較的深刻なビジュアルが多いのですが、POPで明るく希望に満ちたビジュアルに仕上がっています。

この広告主は、ユーザーがしばしば“イメージ”を頼りに製品を選ぶということを良く理解していますね。これは【周知の事実の法則】と呼ばれるマーケティング手法です。大日本住友製薬は、新製品を上市する際にその都度「ブランドムービー」を作るなど、製品のイメージづくりが巧い印象です。

ブランドムービーより

一般名:ルラシドン塩酸塩錠
製品名:ラツーダ錠20mg,40mg,60mg,80mg
非定型抗精神病薬/双極性障害のうつ病治療薬/セロトニン・ドーパミン拮抗薬(SDA)
2020年6月11日発売
大日本住友製薬

関連記事

カテゴリー

ピックアップ

  1. ネキシウム/代表的なプロトンポンプ阻害薬

  2. リアルダ/投薬期間制限解除

  3. シュアポスト/糖尿病の新しい管理指標“血糖トレンド”

  4. プレミネント/日本初の配合降圧剤

スポンサードリンク

コラム

  1. 手塚治虫と医薬の良い関係

    手塚治虫といえば、日本人なら誰でも知っている漫画家で、幅広いジャンルの多くの作品を残しています。

人気の記事

  1. THE STRONG X2012年1月1日より投薬期間制限が解除されます。
  2. 進化する、ニューキノロン系薬クラビット▼クラビットとは「クラビット」は、細菌を殺菌する抗生物...
スポンサードリンク