オンパットロ/遺伝性難病治療薬(siRNA核酸医薬)

オンパットロはトランスサイレチン型
家族性アミロイドポリニューロパチーの症状改善が期待できる、
世界初のiRNA製剤です

▼オンパットロとは?

「オンパットロ」は、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)という遺伝性の難病・希少疾患の治療薬です。核酸医薬で世界をリードするアルナイラム社(米国)が、日本市場へ初めて参入し、国内初のsiRNA核酸医薬(RNA干渉=RNAi治療薬)として、2019年9月に発売しました。

▼トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)とは?

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は、「トランスサイレチン」(TTR)という蛋白質をつくる遺伝子の変異で起こる病気です。遺伝子変異によって生じるTTR蛋白質由来のアミロイド(特定の構造を持つ水に溶けない繊維状蛋白質)が、抹消神経や心臓など全身の臓器・組織に溜まっていき、障害を引き起こします。

症状は患者によって多種多様ですが、代表的なものとして挙げられるのは【手足のしびれ】【不整脈】【下痢】【蛋白尿】【視力低下】などです(症状が患者によって様々なので、他の疾患と間違われるケースも多々ある)。日本の患者数は約700人と推定され、指定難病に指定されています。進行すると車イスや寝たきりの生活となり、未治療で放置しておくと、発症からおよそ10年で死に至ると言われています。遺伝子は親から子へ遺伝するため、患者の血縁者の中にも、この遺伝子を持つ人がいる可能性があります。

▼siRNA製剤とは?

siRNA製剤の起源は、1990年に発見された標的遺伝子の発現を抑制する“遺伝子サイレンシング現象”まで遡ります。そのメカニズムは、しばらくの間不明でしたが、1998年に、二本鎖RNAによって、選択的かつ効率的な遺伝子サイレンシングが起こることが解りました(RNA干渉:RNAiと命名)。2000年以降、ショウジョウバエでRNAiの背景にある分子機構の詳細が解明され、ヒト細胞においても合成した21塩基のsiRNAを導入すればRNAiを誘導できることが発見されました。

RNAiは、元来生物に備わっている生体内応答であり、特定の生物においてはウイルス感染に対する防御機能だったと考えられています。この応答を医薬品に応用した核酸医薬が「オンパットロ」のようなsiRNA製剤です。

▼Alnylam(アルナイラム)とは?

2002年に設立された米国のAlnylam(アルナイラム)社は、RNAi(RNA interference)研究に基づく核酸医薬開発のバイオベンチャーです。siRNAの開発で世界をリードしており、2019年にsiRNA核酸医薬「オンパットロ」を発売し、日本市場に参入しています。
Alnylam(アルナイラム)は【遺伝性疾患】【心血管・代謝性疾患】【肝感染症】【中枢神経疾患/眼疾患】の4つを戦略領域としてRNAi治療薬の開発を進めており、「オンパットロ」以外にも複数のsiRNA核酸医薬をパイプラインに抱え、2021年にも2品目を申請する計画です。

アルナイラム・ジャパンは、スタートアップしたばかりなので、まだ組織もMRの数も少なく採用を続けています。「新しい治療薬をできるだけ早く必要な患者に届けたい」と日本事業を加速させる計画です。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、家族と一本の大きな木。家族で支え合いながら、ゆっくりと歩みを進めると、荒れた土地から美しい草原が現れます。家族を登場させることで、“遺伝性”ということを表現しています。一本の大きな木は家族の象徴(シンボルツリー)を表しています。希望や家族のストーリーを感じさせる美しいビジュアルです。病気を抱えながらも、少しでも快適な生活を送ることができるように、という制作側の祈りを感じます。

一般名:パチシランナトリウム注射液
製品名:オンパットロ点滴静注2mg/mL
siRNA核酸医薬(RNA干渉=RNAi治療薬)/トランスサイレチン型アミロイドーシス治療薬
アルナイラム・ジャパン

関連記事

カテゴリー

スポンサードリンク