アッヴィ(AbbVie)の企業広告です。
▼アッヴィとは?
アッヴィ(AbbVie)合同会社は、米国アッヴィの日本法人。抗体医薬などを主力とする研究開発型バイオ医薬品企業。もともとは、約125年の歴史を持つアボット・ラボラトリーズの創薬部門だったのですが、分社化して新薬事業を承継し、バイオ医薬品企業としての事業を本格的に開始しました。
合同会社ということで、大企業よりも意思決定が早く、現場と密に連携しながら新しい戦略を展開していけるのが強みです。開発本部は、米国の本社と直結しており、世界各国の医師や研究者と協力しながら、新薬の開発を進めています。
アッヴィの業績は好調で、分社化当初の目標であった“2020年までに1000億円の売上”を2016年の時点で達成しています。
▼バイオテクノロジーに強みを持つ企業
アッヴィが新薬開発の対象としている多くは、治療の難しい希少疾患です。2017年、アッヴィは自己免疫疾患、C型肝炎、ニューロサイエンス、新生児という4本柱に加え、“オンコロジー領域”を5つ目の柱として、業績拡大を図る方針を打ち出しました。
2019年度オンコロジー領域(癌などの腫瘍領域)での新薬上市へ向けて、開発部門・メディカル部門・営業部門といった組織を強化していく予定です。オンコロジー領域への参画にあたっては、製品のブランディングから着手しており、新薬の承認時期が見えてくれば、営業組織の構築と市場調査を始めるとのことです。
新規分子標的薬として注目されているPARP阻害剤「ベリパリブ」については、肺癌と卵巣癌の国際共同PHASE3試験に日本も参加しています。BCL-2阻害薬「ベネトクラクス」も慢性リンパ性白血病の適応で国内で開発を進めています。また、自己免疫疾患領域でも、「ヒュミラ」で築き上げた存在感を強化していく考えです。
▼主力製品「ヒュミラ」は、既に特許切れ
アッヴィの主力製品はリウマチ性関節炎や乾癬の治療薬「ヒュミラ」。2018年、アッヴィ社全体の売上に占める「ヒュミラ」のパーセントは、60%を超えています。つまり、「ヒュミラ」1製品にほとんど依存している状態ということです。
「ヒュミラ」は、関節リウマチの画期的な治療薬として圧倒的に売れている薬ですが、特許はすでに2016年に切れています。後発品の参入で、売上が落ちると思われていましたが、特許が切れた後も、反対に売上は伸長しています。なぜか?
「ヒュミラ」は、遺伝子組み換え技術で創られるバイオ医薬品です。バイオ医薬品の後発品は、“後発医薬品”いわゆるジェネリックとは区別して“バイオ後続品(BS:バイオシミラー)”と呼ばれています。
バイオ後続品は、先発品とは別の製薬会社によって開発されるため、宿主や培養方法に違いがあり、完全に一致した製品は造れません。その複雑な分子構造と特殊な製造過程ゆえに、先発品と異なる部分が出る可能性が高くなります。そういうこともあって、病院や医師が後続品への切り替えをためらう傾向があるのです。バイオ後続品(BS:バイオシミラー)は、一般的な後発品医薬品(ジェネリック)に較べて、かなりハードルが高い製剤ということです。
「ヒュミラ」の売上が落ちていない要因は他にもあります。日本の場合、高額療養費という制度によって先発品とバイオシミラーで患者の費用負担が変わらないことが挙げられます。国にとっては医療費を抑えられるというメリットがありますが、症状が安定している患者にとっては、先発品からバイオシミラーへ切り替えるメリットがないのです。高額療養費制度の見直しが当分見込めない日本では、業界全体で何らかの策を講じる必要がありそうです。