アマリール/古典的糖尿病治療薬

Treat to Target

▼アマリールとは?

「アマリール」は、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)の治療に用いる血糖降下薬です。主に膵臓のβ細胞に作用して、血糖降下作用のあるホルモン、インスリンの分泌を促すことで、血糖値を下げます。2011年より、「アマリール」の後発医薬品として、各社から「グリメピリド」の名称でジェネリックが発売されています。

グリメピリド4mg(ジェネリック医薬品)

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が、主に自己免疫によって壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。インスリン注射を打って、治療します。

一方で2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。「アマリール」は、2型糖尿病に対して使用する薬です。2型糖尿病治療では、薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、「アマリール」のような2型糖尿病治療薬が処方されます。つまり基本は食事+運動で、ダメなら投薬ということです。

治療開始後、早期に目標の血糖コントロールを達成し、良好な状態を維持することが出来れば、健康な人と変わらない日常生活の質を保つことも可能となります。

▼アマリールの特徴

「アマリール」は、“SU薬”と呼ばれるスルフォニル尿素系(スルホニルウレア系)の血糖降下薬です。古くからある糖尿病治療薬ですが、今でもその有用性は高く、現在でも頻繁に処方されている糖尿病治療薬のひとつです。

「アマリール」は、従来のSU薬と比較して、インスリン分泌促進効果はそれほど強力ではないのですが、同等以上の血糖低下作用が認められています。SU薬は作用時間が長いという長所があるので、服用が1日1回と楽に済む場合があります(「アマリール」は通常、成人で1mgより開始し、1日1~2回朝または朝夕、食前または食後に経口服用)。

「アマリール」の主要成分グリメピリドには、インスリン分泌促進作用の他に、どうやら膵外作用(膵臓からのインスリン分泌促進作用以外の作用)があると推定されています。インスリン分泌促進作用が穏やかなため、低血糖症や二次無効(SU薬による効果が得られなくなること)のリスクが少なくなると期待されています。

▼アマリールの副作用

「アマリール」の主な副作用は、インスリンの過剰分泌による低血糖発作です。血糖値を正常に近づけるために、薬を増量すると、低血糖のリスクが高まります。血糖値というのは個人によって状態が様々なため、服用量の調整に細心の注意を要します。そのため、糖尿病の治療には、専門医の治療が推奨されています。

「アマリール」のもうひとつの弊害として、体重増加が報告されています。体重増加は「アマリール」に限らず、SU薬やインスリン治療を行っている患者には、良く見られる症状です。体重の増加を抑えるには、食事療法が重要です。食事療法が上手くいっていない状態で、薬を増量すると体重増加をきたしますが、適切な使用を続けていれば、問題ありません。

その他の副作用としては、勃起障害が報告されています。

重い副作用 低血糖、血液障害、溶血性貧血、肝臓の重い症状
その他の副作用 肝機能値の異常、発疹、勃起障害

▼低血糖が起きやすい糖尿病治療薬

・グリニド系(シュアポストなど)
・インスリン(ランタスXRなど)
・スルホニル尿素薬(アマリールなど)

▼低血糖が起きにくい糖尿病治療薬

・DPP-4阻害薬(ジャヌビアトラゼンタなど)
・SGLT-2阻害薬(デベルザフォシーガなど)
・ビグアナイド薬(メトグルコなど)
・チアゾリジン薬(アクトスなど)
・α-グリコシターゼ阻害薬(セイブルなど)

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、長い一本道をゆっくりと走る男性。キャッチコピーの“Treat to Target”は、“目標達成に向けて”という意味です。シンプルですが、糖尿病治療の“コツコツと続ける”というイメージを上手く表現しています。

道路に記された【6.5】という数字は、当時糖尿病学会が掲げていた合併症予防のための目標の血糖値(HbA1c値)を表しています。その後、米国と日本の換算式の違いなどもあり、7.0%未満へ変更となりました。

数値が変更される以前のビジュアル

一般名:グリメピリド
製品名:アマリール0.5mg錠,1mg錠,3mg錠、OD錠0.5mg,1mg,3mg
糖尿病治療剤/スルフォニル尿素系/スルホニルウレア系経口血糖降下剤
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