イルベタン/芸能人を使ったブランド・アソシエーション

Beat the CKD
イルベタンでめざす, 高血圧治療の最終目標
Metabolic & CV

CKD:Chronic Kidney Disease(慢性腎臓病)

▼イルベタンとは?

「イルベタン」は、日本で高血圧治療に頻繁に使われているアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)です(国内6番目のARB)。血圧が上がる原因のひとつ“アンジオテンシンⅡ”という物質を抑制する効果があります。

アンジオテンシンⅡを抑制することで身体の血管が拡張し、更に水分や電解質のバランスが調整されることで、血圧が下がっていきます。「イルベタン」には長時間型という特徴があり、降圧効果は24時間持続します。

心臓や腎臓といった臓器への負担を軽くする効果が国内外の大規模臨床試験結果で認められており、脳卒中や心臓病、腎臓病といった深刻な病気のリスク軽減に繋がると考えられています。

「イルベタン」は、軽症から重症の高血圧に対し、24時間持続する安定した降圧効果に加え、IRMA2試験、IDNT試験といった早期から末期の腎症までを対象とした腎保護作用のエビデンスを有する唯一のARBです。

IRMA2(IRbesartan in Patients with Type 2 Diabetes and Microalubuminuria study)
IDNT(Irbesartan Diabetic Nephropathy Trial)

なお、「イルベタン」+アムロジピンとの合剤として「アイミクス」、「イルベタン」+トリクロルメチアジドとの合剤として「イルトラ」が発売されています。


▼メタボサルタンとは?

「イルベタン」には血圧を下げるだけではなく、脂肪細胞のPPAR-γという受容体を活性化させて動脈硬化を抑制したり、脂質の代謝を改善する効果が認めれています。メタボリックシンドロームの予防に繋がると期待されることから、“メタボサルタン”という通称で呼ばれるようになりました。

▼メタボリックシンドロームとは?

メタボリック症候群(メタボリックシンドローム)という言葉は、1998年にWHO(世界保健機関)が発表した内臓脂肪型肥満、高血糖・高血圧、脂質異常症などに関する診断基準のことで、“メタボ”という言葉で一般的にも浸透しました。

メタボという言葉が流行る前は、“死の四重奏”などと呼ばれていました。ひとつの疾患として捉えるのではなく、症状をドミノ倒しのように全身の病気として統合的に捉えた考え方です(日本と海外ではそれぞれ診断基準が異なります)。

▼イルベタン(イルベサルタン)の特許切れ(追記:2017年9月)

有効成分の“イルベサルタン(製品名:イルベタン、アバプロ)”の特許が切れ、2017年12月以降に後発品が登場します。今回は、11社36品目と多くの企業が参入しました。対抗策として、「アバプロ」の販売元である大日本住友製薬が子会社からAG(オーソライズド・ジェネリック)を出す予定です(大日本住友製薬の100%子会社“DSファーマバイオメディカル”が、AGとして製造販売の承認取得)。

このAG品は、「アバプロ」と原薬、添加物、製造工程まですべて同じとのことです。病院や診療所へは大日本住友が情報提供を行い、調剤薬局へは新会社の“DSファーマプロモ”が情報提供を行うようです。

2016年の「アバプロ」の売上は103億円。2017年度の売上予測は80億円で、特許切れの影響を折り込んでいます(アバプロ・ファミリーとしては274億円。2017年度予測:255億円)。ちなみに、同じARB薬の上位の売上は「オルメテック」が694億円。「ミカルディス」が576億円でした(2016年度)。

※「イルベタン」と「アバプロ」は、製品名は違いますが有効成分は同じです。
販売元が、イルベタン=塩野義製薬、アバプロ=大日本住友製薬

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、プロ野球選手の古田敦也氏(2007年に引退。29年ぶりの選手兼任監督としても話題に)。「イルベタン」発売当時は、初の冠TV番組「フルタの方程式」などで活躍されていました。知的で誠実なイメージが、医薬品広告にマッチしています。古田氏の起用には、日本を代表する“捕手(守りの要)”ということで、“腎を守り”安全に高血圧治療を行っていく、という意味が込められています。

著名人やタレント、既存のキャラクターを使ったキービジュアルは、俗に“権利物”と呼ばれています。その製品が達成したいイメージに合った著名人やタレントを起用することで、外部の力を借りてブランド構築を行うという【ブランド・アソシエーション】と呼ばれるマーケティング戦略です。

権利物のビジュアルは、その人気にあやかって製品の知名度を上げるには効果的な手法ですが、契約期間が限られている(およそ1〜2年)というデメリットもあります。そのため、二の矢、三の矢のビジュアルが必要となってきます。

ブランドイメージを構築するのに、海外の場合、その企業が持っている理念や製品が持っているビジョンを表現することが多いのに対し、日本では、ブランドイメージに芸能人やキャラクターを起用する手法が多いです(製薬の世界は少ない方ですが)。これは、世界的に見ても特異な現象です。

今回の腎保護作用に優れた「イルベタン」の承認に伴い、腎保護の重要性やCKD(慢性腎臓病)の診断・治療への意識向上のために、新たに、“Beat the CKD”という合言葉のもと、プロ野球ヤクルトスワローズ前監督の古田敦也氏にシンボル・キャラクターをお願いし、医療従事者の方々への情報提供を充実させてまいります。従来より、当社では腎保護作用を有する高血圧治療薬(持続性カルシウム拮抗剤)「ランデル」を中心に、CKDの診断・治療に対する啓発活動を進めてまいりました。こうした活動を発展させると共に、守りの要であるキャッチャーとして、また、プロ野球選手会長としても活躍された経歴をお持ちの古田氏の起用により、『腎を守り』、安全に高血圧治療を行っていくことの重要性を医療従事者の方々により強く意識していただけるよう、当社では注力してまいります。(当時のプレスリリースより)



一般名:イルベサルタン
製品名:イルベタン錠50mg,100mg
降圧剤/A-Ⅱ拮抗剤(ARB)/長時間作用型ARB
シオノギ製薬
サノフィ・アベンティス

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