アリムタ/第3世代の抗がん剤

ALIMTA pemetrexed

▼アリムタとは?

「アリムタ」は、主に悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌に対する治療薬として使われている抗がん剤(点滴静注薬)です。分子構造のよく似た葉酸の代謝を阻害することで、腫瘍に傷害を与える【葉酸代謝拮抗薬】に分類されます。海外のガイドラインでは「シスプラチン」の併用薬として、手術不可能な中皮腫の標準治療薬となっています。国内では、建材アスベストによる中皮腫が社会問題化したのを契機に承認されました(2007年1月)。

▼葉酸代謝拮抗薬とは?

細胞増殖には、遺伝情報を持つDNA合成が不可欠です。葉酸代謝拮抗薬は、DNA合成に必要な葉酸代謝酵素を阻害することでDNA合成を阻害し、結果的にがん細胞(腫瘍)の増殖を抑えます。非小細胞肺癌だった場合、肺腺癌や大細胞癌に対して効果が期待できます。葉酸代謝拮抗薬は、単剤(ほかの抗がん剤を併用しない方法)や「シスプラチン」などの【プラチナ製剤】との併用で使われています。

「アリムタ」は、葉酸代謝酵素を複数阻害することで高い抗腫瘍効果を示します。しかし一方で、身体に必要な葉酸やビタミンB12の不足を招く可能性があります。その為、副作用軽減として、基本的に葉酸とビタミンB12製剤の注射を併用します。また、「シスプラチン」と併用する場合には、吐き気・嘔吐のリスクが高まるので、あらかじめ制吐剤を使うことが前提となっています。


▼アリムタの副作用

「アリムタ」は抗がん剤の一種で、必ず副作用を伴います。脱毛、口内炎、倦怠感、発疹やかゆみ、吐き気や嘔吐がほとんどの患者に現れます。因果関係を否定できない死亡例が、臨床試験通算で1.08%報告されています。

重大な副作用 白血球減少、好中球減少、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、血小板減少、貧血、発熱性好中球減少、汎血球減少症、重篤な感染症(敗血症、肺炎等)、間質性肺炎、ショック、アナフィラキシー、重度の下痢、脱水、クレアチニン上昇、腎不全、クレアチニン・クリアランス低下、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
その他の副作用 血糖値上昇、頭痛、めまい、感覚神経障害、ほてり、食欲不振、悪心、嘔吐、便秘、下痢、口内炎・咽頭粘膜炎、消化不良、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、血中LDH上昇、血中Al-P上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、発疹、瘙痒症、アルブミン低下、電解質異常、尿潜血陽性、蛋白尿、総蛋白減少、BUN上昇、倦怠感、発熱、CRP上昇、疲労、体重減少、熱感、白血球増多、好中球増多、血小板増多、浮腫

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▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、灯台(ライトハウス)。灯台は、夜に灯光を放ち、船の航海の安全を図るための設備です。キービジュアルには、人生を明るく照らし、抗癌剤治療の“道しるべ”になるという意味が込められているように感じます。

一般名:注射用ペメトレキセドナトリウム水和物
製品名:アリムタ注射用500mg, 100mg
抗悪性腫瘍薬/葉酸代謝拮抗剤/代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤
日本イーライリリー

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