ガバペン/薬物相互作用を起こしにくい抗てんかん薬

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▼ガバペンとは?

「ガバペン」は、てんかんの発作を予防する薬です。

「ガバペン」の適応は、【てんかんの部分発作に対する併用療法】としてです。新しい作用機序を持つため、既存の抗てんかん薬と併用可能で、てんかん発作の抑制効果が高まると期待されています。臨床試験において、「ガバペン」を併用することで、発作頻度が約半分に減少することが認められています。

▼ガバペンの特徴

・薬物相互作用を起こしにくい
・小児に使用可能

カルシウムチャネルα2δ(アルファ2デルタ)リガンドに分類されるGABA(γ-アミノ酪酸)誘導体の新しい作用機序の抗てんかん薬です。薬物相互作用を起こしにくいという特徴があります。

また、「ガバペン」は小児に対する有効性と安全性が確認されています(用法・用量は成人とは別承認)。子ども向けにシロップ剤も発売されています。子どもや飲み込む力の弱まった高齢者でも飲みやすい薬剤です。

▼薬物相互作用を起こしにくいガバペン

抗てんかん薬の併用療法で一番心配されるのは、薬物相互作用の問題です。薬物相互作用によって、薬の効果が弱まって、発作が再発したり、思いがけない副作用が起こることがあります。

従来の抗てんかん薬は、肝臓で代謝される製剤が多く、肝薬物代謝酵素による薬物相互作用が起こりやすく、また肝薬物代謝酵素の誘導・阻害作用を示す抗てんかん薬が多いことも薬物相互作用を起こしやすくする原因となっています。

そのため、抗てんかん薬を併用する場合は、それぞれの薬剤の薬物動態を理解し、“薬物相互作用が起こりにくい組み合わせ”を選択する必要があります。

「ガバペン」は体内でほとんど代謝されず、肝薬物代謝酵素の誘導や阻害をしないため、薬物相互作用を起こしにくいと考えられています。実際に「ガバペン」は、国内臨床試験において「フェニトイン」「カルバマゼピン」「バルプロ酸ナトリウム」と併用しても、血清中濃度に影響を及ぼさないことが報告されています。

それから、てんかん患者は、てんかん以外の病気を併発しているケースが少なくないため、抗てんかん薬だけではなく、他の治療薬との相互作用にも配慮しなければいけません。そういった理由で、シンプルな薬物動態を示す「ガバペン」は、多剤併用治療に適した抗てんかん薬といえます。

▼てんかんとは?

てんかんは、脳内の情報を伝える神経信号が過剰に発射されて、発作を繰り返す慢性脳疾患です。てんかんの発作によって、一時的に意識をなくしたり、手足が痙攣したり、言葉が上手く発せられなくなったりします。てんかんの具体的な症状は、発生する脳の場所によって様々です。

てんかんは、大きく2つのタイプに分類されます。ひとつは、脳の一部分から発作が始まる“部分発作型”。もうひとつは、脳全体で興奮が起こる“全般発作型”です。部分発作から全般発作に移行することもあります(二次性全般化発作)。発作型によって、有効な薬剤が異なるので、発作型の診断が重要と言われています。てんかんは発作型で第一選択薬がある程度決まりますが、第二選択薬以降はその患者の発作型だけではなく、他の病気の有無や副作用の状況などを考慮して選択していくことになります。

てんかんは、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で発症し、世界に約6,500万人(日本では約100万人)の患者がいると言われています。患者の多くが長期的な薬物療法を必要とするため、抗てんかん薬を使用しても、30%を超える患者がてんかんの発作を満足にコントロールできていません。現在でもてんかんは、“アンメット・メディカルニーズ”の高い病気です。

▼その他の抗てんかん薬



▼ガバペンの副作用

副作用として、眠気、めまい、ふらつき、頭痛、複視、食欲亢進、倦怠感などが報告されています。場合によっては、体重増加が起こる可能性があります。重い副作用はほとんどありませんが、異常を感じたらすぐに医師に相談してください。

なお、てんかん薬を自分の判断で突然休薬すると、反動として強い発作が起こる場合があります。処方された薬の用法・用量を守って、きちんと服用することが大切です。

主な副作用 眠気、めまい、ふらつき、頭痛、倦怠感、複視、霧視、食欲亢進、唾液過多、体重増加
重い副作用 急性腎不全、皮膚粘膜眼症候群、遅発性の過敏症状(発疹、発熱、吐き気、リンパ節の腫れなど)、肝臓の重い症状、横紋筋融解症、アナフィラキシー

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、クレヨン。オレンジ色のGABA(γ-アミノ酪酸)のペンだけが折れずに笑顔を見せ、他のクレヨンは途中で発作を起こして折れています。

クレヨンは、子どもらしさと製品名「ガバペン」の“ペン”に引っ掛けたアイディアです。小児にも使える抗てんかん薬ということで、小児を意識した楽しく優しいビジュアルとなっています。


一般名:ガバペンチン
製品名:ガバペン錠200mg,300mg,400mg、ガバペンシロップ5%
抗てんかん剤/カルシウムチャネルα2δ(アルファ2デルタ)リガンド
ファイザー
富士薬品(2019年10月、ファイザーから承継)

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