ザ・パワー
降圧、ここに至る。
▼コディオとは?
「コディオ」は、高血圧症の治療に使用する降圧剤です。ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)と呼ばれる成分とチアジド系降圧利尿薬(ヒドロクロロチアジド)のふたつを合わせて作った高血圧症治療薬です。
主要成分のARB、これは「ディオバン」のことです。「ディオバン(バルサルタン)」はいわゆるブロックバスターと呼ばれる大型製品で、高血圧症治療で広く使われています。ジェネリック薬も豊富です。
ディオバンジェネリック80mg
ディオバンジェネリック160mg
もうひとつは、昔から使用されているチアジド系降圧利尿薬のヒドロクロロチアジド。身体の余計な水分を尿として排出し、血圧を下げます。利尿剤は安価で、単独でも血圧を下げますが、他の降圧剤と併用することで効果を高めるという特徴があります。チアジド系の利尿薬は、特に塩分摂取が多い患者に使われています。
塩分摂取量の多い患者では、ARBやACE阻害薬が効きにくい場合があるので、そういうケースでは、まずチアジド系利尿薬が処方されています。最近出番は少ないのですが、大規模臨床試験で有効性が証明されている優良薬です。副作用も少なく、併用薬として優れています。
新しい成分と古い成分が同時に作用することで、相乗効果で血圧が下がるようになります。同時に、心臓や腎臓の負担が軽くなる効果も期待できます。日常的に血圧をコントロールすることは、脳卒中、心臓病、腎臓病のリスクを減らすことになり、寿命の伸びにつながっていきます。
「コディオ」の利尿薬(ヒドロクロロチアジド)の含有量はMDが6.25mg、EXが12.5mgで、通常の利尿薬よりも量が少なく、副作用が出にくいように調整してあります。ARB(バルサルタン)はMD、EXどちらも80mgです。持続性がある薬で、通常1日1回1錠の服用で済みます。
「コディオ」は、一般的に第一選択薬(ファーストチョイス)とはせず、他の降圧薬で効果不十分な場合に使用することになっています。ARB+利尿薬の配合剤には、他に「プレミネント」、「イルトラ」、「ミコンビ(ミカトリオ)」などがあります。最近では、ARBに利尿剤やカルシウム拮抗剤などの高血圧治療薬を混ぜた合剤が主流となっています。
▼食塩と高血圧の関係
塩分に含まれるナトリウムは、私たちが生きるために必要不可欠なものですが、ヒトの身体は少ない食塩でも生き続けていけるように創られています。しかし、それにも拘わらず、現代の日本人は食塩を過剰に摂取しながら暮らしています。高血圧の大きな原因のひとつは“食塩”であると言われており、食塩と高血圧の問題は、長年続いている日本人の食生活の課題です。
約三億年前に、海から陸へ上がったヒトの祖先は、進化の過程でナトリウム・リサイクル装置としての“レニン・アンジオテンシン系”と呼ばれる血圧の調節に関わるホルモンを発達させることによって、ほぼ無塩の陸上でも海水と同じ組成の体液を保持してきました。
ところが、陸に上がった生物の中で人類だけが塩の旨味に目覚め、食塩を手に入れるために戦争まで起こし、現代に至るまで塩に執着し続けました。そして、長い時間をかけて身体の仕組みが変わり、塩(ナトリウム)を補助するために高血圧の発症を促進してしまいました。高血圧症は、人間の進化と引き換えにもたらされた想定外の病気なのです。
高血圧症治療では、はじめに減塩と運動(運動にはナトリウムを排出する作用がある)が推奨されています。それでも効果が不十分だと思われる場合は、食塩対策のため、ナトリウム利尿薬が使用されます。ただ、ナトリウムの利尿作用に対しては、身体のレニン・アンジオテンシン系が過剰に反発してくるので、血圧をコントロールするにはこれを同時に抑制する必要があります。
塩分摂取量の多い患者では、ARB単剤では効きにくい場合があるので、利尿薬とARBの合剤は日本人の高血圧症治療に向いていると考えられています。
【レニン・アンジオテンシン系】
血圧や細胞外容量の調節に関わるホルモン系の総称。血圧を調節するレニン・アンジオテンシンの体内作用経路を阻害して血圧を下げる薬剤。ACE阻害薬やARBなどがある。
▼主なARB系降圧薬
・ニューロタン(一般名:ロサルタン):世界初のARB。尿酸低下作用あり
・ディオバン(一般名:バルサルタン):ARBで薬価が一番安い
・オルメテック(一般名:オルメサルタン):心臓腎臓など臓器保護作用あり。ARBのエース
・ミカルディス(一般名:テルミサルタン):血中半減期がARB最長。24時間持続効果
・アジルバ(一般名:アジルサルタン):2013年承認最新ARB。降圧効果最強
▼コディオの副作用
主な副作用は、倦怠感、めまい、頻尿、頭痛などです。健康診断などで良く見られるのは、尿酸値の上昇です。血糖値も上がりやすいので、糖尿病治療中の人は低血糖にも警戒が必要です。
重い副作用はほとんどありませんが、腎臓に障害がある患者は、服用初期に腎機能が悪化することがあります。これは一時的なことですが、腎機能が悪化した場合は、カリウム値の上昇に十分気をつけなくてはいけません。深刻なケースでは“高カリウム血症”になる可能性が報告されています。定期的に血液検査を受けることが推奨されます。
主な副作用 | 倦怠感、めまい、頻尿、頭痛、立ちくらみ |
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その他の副作用 | 腎機能悪化、肝機能悪化、高カリウム血症、血管浮腫 |
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、「ディオバン」を踏襲したデザインです。人気書家の武田双雲さんの書が印象的です。
一般名:バルサルタン・ヒドロクロロチアジド
製品名:コディオ配合錠MD、コディオ配合錠EX
降圧剤/ARB・利尿薬配合剤/選択的AT1受容体ブロッカー/利尿薬合剤
ノバルティスファーマ