ビクトーザ/インスリンではない2型糖尿病注射薬

ビクトーザは、平成23年7月1日から、投薬期間制限が解除されました。

▼ビクトーザとは?

「ビクトーザ」は、代表的なインクレチンであるヒトGLP-1アナログ製剤(アナログとは“似せた物”の意)です。国内初のGLP-1受容体作動薬として登場しました。食事・運動療法で十分な効果が得られない2型糖尿病、あるいは、食事・運動療法に加えてSU薬を使用して十分な効果が得られない2型糖尿病を適応としています。

▼GLP-1アナログ製剤とは?

血糖値を下げる唯一のホルモンはインスリンですが、インスリン以外にも重要な物質として“インクレチン”と総称されるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)があります。

GLP-1は食事の摂取が合図となって分泌されるホルモンです。GLP-1は膵臓に作用することによってインスリンを分泌させる働きがあり、これによって血糖値を下げることができます。「ビクトーザ」は、このGLP-1の作用を、1日1回の皮下注射で補う薬剤です。

しかし、本物のGLP-1は酵素DPP-4によってすぐに分解されてしまうという特性があります。「ビクトーザ」は“GLP-1と同じ作用だが、身体で分解されにくい物質”としてGLP-1に似せて開発されたヒトGLP-1アナログ製剤(アナログは“似せた物”の意)で、簡単に云うと「ビクトーザ」には“インスリン分泌を間接的に増やす効果”がある注射剤ということです。

▼ビクトーザの特徴

・優れた血糖降下作用
・HbA1cの目標(6.5%未満)達成度が高い
・体重の増加がない
・低血糖を起こしにくい(ビクトーザ単独で)
・膵β細胞保護で、糖尿病の進行を食い止める可能性

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は遺伝性の疾患で(遺伝なので痩せている人や若い人も罹ります)、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が壊れてしまっている状態の病気です。一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。

1型糖尿病はインスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。基本的にインスリン注射を打って、治療します。「ビクトーザ」は注射剤ですがインスリン注射ではありません。1型糖尿病の患者には、インスリン製剤による速やかな治療が必須です。GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌がなければ効きませんので、1型糖尿病には使用しません。

▼基本は、食事・運動療法

2型糖尿病治療では、食事療法、運動療法、薬事療法の3つが基本とされています。薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、基礎インスリン製剤やインスリンの効果を高める薬を併用して、血糖をコントロールします。「ビクトーザ」は、長時間に渡ってインスリンの基礎分泌を補う持効型溶解インスリン製剤や、中間型インスリン製剤との併用が可能な医薬品です。つまり、空腹時血糖値を低下させる基礎インスリン製剤と、食後高血糖を改善する「ビクトーザ」を併用し、トータルで血糖値をコントロールするのです。

▼低血糖を起こしにくい

糖尿病治療薬の深刻な副作用として低血糖がありますが、GLP-1受容体作動薬である「ビクトーザ」(有効成分:リラグルチド)はグルコース濃度に依存して分泌されるため、単独で低血糖を起こしにくい薬です。難点は他のGLP-1アナログ製剤と同様、価格が高いことです。薬価は1筒3mL(6.0mg/mL)で9,960円(2010年当時)。GLP-1アナログ製剤を使う場合、他の血糖降下薬との併用が基本ですので、これ以外にも費用がいろいろとかかってきます。

▼その他のGLP-1受容体作動薬




▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、植物の根。2型糖尿病の“根幹”を表現しています。根の先端にうずまき型の飴が付いているのが、目を惹きます。飴は“砂糖→糖尿病”を表しており、うずまきの部分は、GLP-1が分泌される小腸の見立てです。根の部分は、末梢の血管のようにも見えます。情報量の多い特徴的なビジュアルで、印象に残る広告に仕上がっています。

製品名:ビクトーザ皮下注18mg
一般名:リラグルチド(遺伝子組換え)
ヒトGLP-1アナログ注射液/GLP-1受容体作動薬
ノボノルディスクファーマ

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