過食、睡眠不足、高齢化
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、鳥羽絵(とばえ)です。〔過食〕〔睡眠不足〕〔高齢化〕という題目で、現代社会が抱える問題をユーモラスに描いています。
それぞれの題目に以下のタケダ製品が対応している、という仕組みのジョイント広告です。〔過食〕→「ユニシア」、〔睡眠不足〕→「ロゼレム」、〔高齢化〕→「ネシーナ」。ジョイント広告には、コスト削減や相乗効果というメリットがあります。
鳥羽絵とは、浮世絵様式のひとつで“江戸時代の漫画”と呼ばれている戯画です。鳥羽絵の名称の由来は、「鳥獣人物戯画」の作者と言われている鳥羽僧正覚猷作から命名されました。
▼ユニシアとは?
「ユニシア」は、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬を配合した高血圧症治療薬です。
成分のひとつは、ARBの「ブロプレス」(カンデサルタン)です。もうひとつの成分は、持続性カルシウム拮抗薬の「ノルバスク」(アムロジピン)です。アムロジピンは、身体の血管を拡張して血の流れを良くすることで血圧を下げます。心臓の収縮をおさえ、心臓の負担を軽減する効果もあります。
“ARB+Ca拮抗薬”の組み合わせは、日本で頻繁に使われている組み合わせで、相乗効果で強い降圧が期待できます。ただし、最初から使うのではなく、単剤服用で十分な効果が得られない場合に用いられています。
「ユニシア」は、配合量別にLD(低:ロードーズ)とHD(高:ハイドーズ)の2種類があります。LDはアムロジピンの含量が2.5mgの低用量製剤、HDは5mgの高用量製剤。なお、ARBの主成分カンデサルタンの量はどちらも同じ8mgです。
一般名:カンデサルタン シレキセチル・アムロジピンベシル酸塩
製品名:ユニシア配合錠LD, HD
降圧剤/ARB・Ca拮抗薬配合剤/持続性アンジオテンシンII受容体拮抗薬/持続性Ca拮抗薬配合剤
▼ロゼレムとは?
「ロゼレム」は、体内時計の乱れを改善し、寝つきをよくする不眠症の薬です。睡眠薬の処方としては、“ベンゾジアゼピン系”か“非ベンゾジアゼピン系”の2種類が主流となっていますが、「ロゼレム」は、“非ベンゾジアゼピン系”です。
この睡眠薬は、睡眠に深い関係があるホルモン“メラトニン受容体”に作用し、自然な眠り(質の良い眠り)をうながす効果があります。旧来の睡眠薬は、依存性が強く、過剰服薬による副作用などが問題とされていましたが、「ロゼレム」は“安全性の高い睡眠薬”を目指して開発された製剤です。
▼習慣性のない唯一の睡眠薬
「ロゼレム」は、依存性や習慣性、薬が効かなくなる耐性がほとんど見られません。服薬を止めても離脱症状が出ない睡眠薬は「ロゼレム」のみです(2011年現在)。ただし、「ロゼレム」は不眠症を根本的に治す薬ではないので、服用しないことで再び眠れない状態に戻ることは十分に考えられます。そのため、“メラトニン受容体”が正常に機能するように、生活習慣の改善が推奨されています。キャッチコピーの【生活習慣改善+ロゼレム】というのは、そういう意味です。
一般名:ラメルテオン
製品名:ロゼレム錠8mg
中枢神経系用薬/メラトニン受容体アゴニスト/メラトニン受容体作動薬
▼ネシーナとは?
「ネシーナ」は、選択的DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)阻害剤と呼ばれる2型糖尿病治療剤です。血糖値を調節するホルモンであるインクレチンを分解する酵素をブロックし、血糖値に応じてインスリン(血糖値を下げる働き)の分泌を促進して、血糖コントロールを良好にします。つまり、インスリンの分泌量を増やすことで血糖値を下げる薬です。
「ネシーナ」は、DPP-4阻害剤としては、国内3番目の治療薬です(2010年発売)。DPP-4阻害剤は従来の糖尿病治療薬と違って、インスリンを過剰に分泌させません。低血糖のリスクがほとんどなくなるということです。DPP-4阻害剤は新しい種類の薬なので、薬価が高いのがデメリットです。
「ネシーナ」はの特徴は、服用が1日1回で済むこと。それから、2010年当時は日本で汎用されている“α-グルコシダーゼ阻害剤(セイブルなど)”との併用が唯一可能であった、という点です(その後、エクア、トラゼンタ、スイニー、オングリザなど、すべての糖尿病治療薬と併用可能なDPP-4は増えています)。
一般名:アログリプチン安息香酸塩
製品名:ネシーナ錠6.25mg,12.5mg,25mg
選択的DPP-4阻害薬/2型糖尿病治療剤
武田薬品工業
2011年、タケダは創業230年