ジャヌビア/92%の高いDPP-4阻害率

92%の高いDPP-4阻害率。
ジャヌビアは、24時間後も保てます。

▼ジャヌビアとは?

「ジャヌビア」は血糖を下げる糖尿病の薬です。国内初の選択的DPP-4阻害薬です。効き目が穏やかなので、新しい患者や高齢者に向いているとのことです。また、日本人に多い非肥満型の糖尿病にも有効だと考えられています。

「ジャヌビア」は、SU系などの従来使われていたインスリン分泌促進薬とは作用機序が異なります。DPP-4阻害作用がHbA1c値を低下し、血糖値を改善します。単独では効果が弱いこともあり、すべての糖尿病治療薬との併用が可能となっています。

▼グラクティブとジャヌビアの違い

「ジャヌビア」と「グラクティブ」は製品名は違いますが、有効成分はどちらも“シタグリプチン”でまったく同じ薬です。降圧剤の「アムロジン」=「ノルバスク」や糖尿病治療薬の「デベルザ」=「アプルウェイ」と同様の1物2名称製品です。

1物2名称製品は、医療用医薬品の世界では良くあることで、“併売品”と呼ばれています。なぜ一物二名称の医薬品が多く存在するのかという理由は、患者にとってのメリットはほとんどなくて、各社のビジネス的な思惑が大きいと言えます(販売経路や領域の得意・不得意など)。

▼存在感が増すDPP-4、SGLT-2は苦戦

糖尿病治療薬の外来での処方数を見ると、ビグアナイド系の「メトグルコ」が約12億1,700万錠と圧倒的に多く、次にDPP-4阻害剤の「エクア」が約4億2,300万錠。僅差の「ジャヌビア」は約4億500万錠となっています(厚生労働省:2015年調査)。

SGLT-2阻害剤の「スーグラ」や「フォシーガ」は脱水などの副作用が懸念されて、75歳以上の高齢者の使用を避けるべきと日本老年医学会から勧告されたため、市場浸透へ勢いがつかない状態です。

売上高と処方数は必ずしも一致しませんが、それでも日本でのDPP-4阻害薬の評価は疑いようがありません。2015年の段階で9種類ものDPP-4阻害薬が発売されています。これだけ多くのDPP-4阻害薬が発売されているのは日本だけです。


▼ジャヌビアの特徴

「ジャヌビア」は“国内初のDPP-4阻害薬”ということが売りです。新しい薬の方がいろいろと改良されていて利点があるように思えますが、先行して発売した薬には新しい薬にはない実績があります。特に後期高齢者(75歳以上)への処方数は、DPP-4阻害薬の中でもトップクラスです。

「ジャヌビア」は、効果がしっかりしていて、安心・安全に血糖を下げることが出来るので“糖尿病治療のファースト・チョイス”のひとつとして重宝されています。

▼主なDPP-4治療薬の特徴

トラゼンタ】:胆汁排泄型、腎機能に関係なく使用可
テネリア】:胆汁・腎排泄型、半減期が24時間と長い、日本発
スイニー】:腎排泄型、中性脂肪やLDLコレステロールを下げる効果
オングリザ】:腎排泄型、解離半減期が長く、効果が持続する
マリゼブ】:腎排泄型、週1回で他のDPP-4阻害剤と同等の効果





▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、グラフのデータ。高いDPP-4阻害率と24時間後も保てることをアピールしています。DPP-4阻害薬は種類が多くなり(2015年発売のマリゼブで9つ目)、どの薬剤もきちんと服用すれば24時間のDPP-4阻害率は80%をクリアしているので、医師も選択に迷うのではないでしょうか。後から発売される薬は、それなりの個性がないと生き残っていくのが難しいのかな、と思います。

「ジャヌビア(Januvia)」という製品名は、ローマ神話の“JANUS(ヤヌス、二つの顔を持つ神)”がもとになって命名されました。ヤヌス神はふたつの顔で過去と未来を見ることができる出入口の神です。“ヤヌス神”は、January(1月)の語源にもなっています。

見開きページでは、右にインパクトのあるビジュアル、左に「ジャヌビア」の特性を示したグラフを配置することで、心理ハードルを下げる効果があります。これを私は【右脳左脳ビジュアル】と呼んでいます。一般的に右脳は“イメージ脳”、左脳は論理的な“言語脳”と言われているからです。

医療従事者は命にかかわる職業柄、誇大広告に対して敏感です。インパクトのあるキービジュアルを視せても、「カッコいいだけの広告には騙されないぞ」「良いことばかり書いてある広告は信用できない」という心理的な壁に阻まれて、すぐに興味を失くしてしまいます。心の中のバリアを解除してもらえなければ、情報が相手に伝わりませんし、薬の採用へ繋がっていきません。

そこで役に立つのが、【右脳左脳ビジュアル】(ビジュアル+エビデンス)という手法です。「ジャヌビアはDPP-4阻害率を24時間後も保てます」 という内容であれば、それを可視化して数値で見せてあげます。具体的で細かい数字を見せることで、心理的なハードルが下がり、製剤の説得力がより増すというわけです。

医療用医薬品は製品の性質上、特徴を表現すると、どうしてもある程度“理屈”っぽくなってしまいます。説明だけのキービジュアルでは、関心が低いドクターには簡単にスルーされてしまいます。医薬広告の制作者は、“ビジュアルと理屈のバランス”を強く意識しているのです。


一般名:シタグリプチン リン酸塩水和物
製品名:ジャヌビア錠12.5mg,25mg,50mg,100mg
糖尿病用剤/選択的DPP-4阻害剤
MSD

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