リプレガル/遺伝子活性化技術から生まれたファブリー病治療薬

遺伝子活性化技術から生まれたファブリー病治療薬
ファブリー病の原因物質のCTHの蓄積を軽減し、四肢の疼痛および心・腎障害の進展を抑制

▼リプレガルとは?

「リプレガル」は、遺伝子組み換え技術を応用して誕生したファブリー病治療薬です。ファブリー病の酵素補充療法に用いるα‐ガラクトシダーゼ酵素製剤と呼ばれる薬です。2週間に一度の点滴で、症状の改善や病気の進行を抑えることができ、患者のQOLを大きく改善すると期待されています。

▼リプレガルの特徴

▼ヒト培養細胞から産生されたα‐ガラクトシダーゼ酵素製剤
▼2週間に一度、40分の点滴でファブリー病の原因物質(CTH)蓄積を軽減
▼疼痛を軽減し、腎障害および心障害に対する進展を抑制

▼ファブリー病とは?

ファブリー病は、日本が難病に指定している“ライソゾーム病”の一種です。遺伝子の変異によってαガラクトシダーゼという酵素が欠損して起こる代謝異常症(X染色体劣性遺伝疾患)。具体的な症状としては、四肢痛、聴覚低下、低汗症、皮膚の被角血管腫、胃腸障害、心機能能障害、腎機能障害、脳血管障害などが挙げられます。罹患率は、約10万人~40万人に1人と報告されている希少疾病です。

ファブリー病は、細胞内の分解酵素であるαガラクトシダーゼが先天的に欠損あるいは活性が低下して起こります。αガラクトシダーゼは、セラミドトリヘキソシド(CTH)という糖脂質を分解する能力を持ちますが、働きが不十分だと分解されなかったCTHが次第に体内に蓄積されていきます。蓄積したCTHが一定量を超えると、疼痛をはじめとした神経症状、被角血管腫、角膜混濁、心機能障害、腎機能障害など、様々な病気が出現します。

「リプレガル」は、このα‐ガラクトシダーゼ酵素を補充するための製剤なのです。

▼先天代謝異常とは?

人間の身体の中では、生きるために様々な物質が分解と合成を繰り返しています。このような調節機能のことを【代謝】と呼びます。すべての生命は、合成と分解を繰り返してバランスを保っています。

代謝がきちんと行われるためには【酵素】が必要です。酵素は遺伝子の命令によって、細胞中で日々造られています。

しかし、稀に生まれつき遺伝子に欠損があって、特定の酵素が造れなかったり、酵素の働きが弱くなることがあります。代謝が正常に行われなくなると、身体のあちこちに異常が生じます。これを【先天代謝異常症】と呼びます。

▼生命はどうして分解と再生を繰り返すのか?
“エントロピー増大の法則”というものがあります。秩序があるものは、秩序のないものへしか変化しないという法則です。生命はエントロピー増大の法則に従って、自分で壊して自分で再生する(分解と再生)という方法で永く生きることに成功しました。分解と再生を繰り返す生命ですが、カラダを完全に新しくは出来ません。分解と再生によって出る老廃物の蓄積が、老化という現象なのです。

▼ファブリー病の3つの分類

古典型 典型的なタイプ。ファブリー病の症状がほとんど全て出現。αガラクトシダーゼ酵素の活性がほぼない状態。
亜型 発症年齢が遅く、症状が一部に限定されるタイプ(心ファブリー病、腎ファブリー病)。わずかに酵素活性を持つ。
ヘテロ接合体 女性特有のタイプ。重篤な症状を示す人から、ほとんど症状が出ない人も。加齢とともに何らかの臓器障害が出現。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、進学のために家から息子を送り出すシーン。ファブリー病は遺伝性の病気なので、父親と母親が登場しています。ジョージ・クルーニー風の父親が車に荷物を載せ、手伝っている母親と一緒に息子を見つめています。難病の息子が立派に育った姿を、あたたかい眼差しで見守っている、そんなシチュエーションです。

一般名:アガルシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
製品名:リプレガル点滴静注用3.5mg
α-ガラクトシダーゼ酵素製剤/注射用アガルシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
大日本住友製薬
2207年2月発売

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