オルメテックは2014年5月、発売10周年を迎えました
▼オルメテックとは?
「オルメテック」は、ARBと呼ばれる降圧剤です(国内4番目のARB)。血圧を上げる「アンジオテンシンII(ARB)」の抑制作用があります。血管が拡がり、心臓や腎臓の負担を軽くする効果も期待できます。高血圧の治療に使用されていますが、心不全や腎臓の病気にも有効と考えられています。いわゆるブロックバスターと呼ばれる薬で、たくさん売れている大型製品です。
ARBが登場するまで頻繁に使われていた“ACE阻害剤”に多い「咳」の副作用が改善されています。そのほかの副作用も比較的少なく、長期的な維持療法に適しています。効果に持続性があるので、基本的に1日1回の服用で済む薬です。また、少量の利尿薬との併用で降圧効果が高まると言われています。ARBは降圧剤の中でも人気の高い、主流の薬です。
▼広告のキービジュアル
広告のビジュアルは、CGで作られたブルーの星。発売から10年が経過して、すっかり青い星のイメージが浸透していると思います。コンピュータ・グラフィックの技術が年々進化していることから、オルメテックの星も年々豪華でカッコ良くなっています。
星は星座の「カシオペア」のイメージです。オルメサルタンの特徴が“ダブルチェーンドメイン”なので、「W」の形をしている星座のカシオペアを使ったのだと思います(以前の広告を見ると、もっと分かりやすいと思います)。
オルメサルタンは化学構造上、側鎖にカルボキシル基とヒドロキシル基を有しています。この2つのチェーンが強力に受容体に結合して、降圧効果をもたらすと考えられています。
▼オルメテックの匂い
ちなみに、オルメテックの錠剤は、わずかにヨーグルトのような香りを感じることがあります。これは、オルメテックに含まれる“ジアセチル”と呼ばれる物質の匂いの成分がヨーグルトと非常に似た構造だからです。ジアセチルは、ビールやワインなどにも含まれる安全な物質で、有効性や品質には全く問題ありません。
▼主なARB系降圧薬
・ニューロタン(一般名:ロサルタン):世界初のARB。尿酸低下作用あり
・ブロプレス(一般名:カンデサルタン):心不全心血管イベント抑制大
・ディオバン(一般名:バルサルタン):ARBの中で薬価が一番安い
・ミカルディス(一般名:テルミサルタン):血中半減期がARB最長。24時間持続的に効く
・オルメテック(一般名:オルメサルタン):心臓腎臓など臓器保護作用あり。ARBのエース的存在
・アジルバ(一般名:アジルサルタン):2013年承認最新ARB。降圧効果最強
一般名:オルメサルタン メドキソミル
製品名:オルメテック錠5mg,10mg,20mg,40mg、OD錠10mg,20mg,40mg
降圧剤/A-II拮抗剤(ARB)/高親和性 AT1レセプターブロッカー
第一三共