これからも糖尿病患者さんのパートナーとして
「ベーリンガーインゲルハイム」と「イーライリリー」の糖尿病領域の企業広告です。この2社といえば、「ジャディアンス」や「トラゼンタ」がイメージとして浮かんできます。ベーリンガーインゲルハイムもイーライリリー・も、糖尿病領域におけるグローバル企業です。
2011年1月から、両社は、糖尿病領域における共同提携を結び、同領域において大型製品に成長することが期待される治療薬候補成分を中心に協力していくことを発表しました。ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型の実績と、イーライリリーが持つ糖尿病領域での経験を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携は、糖尿病患者にとってさまざまなニースに応えてくれる良いきっかけと言えると思います。
この数年間で、日本の2型糖尿病の治療は様変わりしました。SU剤(スルホニル系)に成り代わって、DPP-4阻害剤(ジペプチジルペプチダーゼ)が処方率で首位となりました。世界標準薬であるBG剤(ビグアナイド系)のメトホルミンは、国内では勢力を伸ばし切れてません。SGLT2阻害薬は、直接的なインスリン分泌促進作用を持たず、体重減少やインスリン抵抗性の改善も期待できることが特徴で、肥満度が高い欧米では高評価ですが、日本では圧倒的な“DPP-4阻害薬”の勢力に押されています。2016年の資料によれば、国内のSGLT2阻害薬の処方率は処方箋ベースで2〜3%程度だということです。多数勢力のDPP-4阻害剤の中でも、週1回タイプのDPP-4阻害薬という新薬も登場しました。第一選択薬の座を巡る糖尿病治療薬の闘いは、まだまだ続いています。
企業広告は、社会貢献活動、文化活動、経営理念などを外へPRしていくことによって“社会的信用を高める”という効果があります。つまり親密度や信頼度を高めて、自分の会社のファンになってもらう、ということです。いわゆるブランディングの一環です。たとえば、人が同じ性能で同じ価格の製品を選ぶ場合、「環境に配慮している」とか「誠実で信頼できる」などといった企業のイメージで差をつけるからです。
企業広告は、企業のイメージアップを図ることで、結果として、自社製品の売上拡大に寄与することを狙っていますが、メリットはそれだけではありません。企業広告の効果は、例えば「あの会社だったら、働いてもいいな」といった優秀な人材の確保や「世間から立派な会社だと思われているし、自分も見合うように頑張らなくちゃ」といった従業員の意識にも充分な効果を発揮すると言われています。機械メーカーの村田製作所が、盆と正月に実家へ帰省する社員が家族に認められるためにTVコマーシャルを流した、というのはあまりにも有名な逸話です。
いままでは、製品広告と企業広告は完全に分離して存在していましたが、最近では、製品広告と企業広告を一体としてとらえる発想が強まっています。医薬広告で言うと“C型肝炎”“疼痛”などの領域ごとで、企業広告を打ってくるケースです。これらは、企業広告を一歩推し進めて、製品の売上に繋げることを想定しています。製薬企業も商売ですから、やはりいろいろなことを考えて、仕掛けを練っているのです。