「ネキシウム3周年。」
▼ネキシウムとは?
「ネキシウム」は逆流性食道炎の治療として、代表的なプロトンポンプ阻害薬(PPI)です。普段胃酸は、侵入してくる“菌”から胃腸を防御する重要な役割を果たしています。しかし、胃壁が弱っている時に胃酸が逆流すると、食道を傷つけたり、胸焼けを起こしたりします。「ネキシウム」は酸分泌抑制の効果があり、胃酸の分泌を強くに抑え、胃酸によって起こる悪影響を軽減します。結果的に、逆流性食道炎や胃潰瘍の状態が良くなり、胃痛や胸焼けも軽減されます。アスピリンや鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)が原因で胃が荒れてしまった場合の痛みにも有効です。PPI製剤は効果も良く、ネキシウムは海外でかなり売れている薬です。世界では2000年に発売。For the Next Millennium(次の千年紀のための)という意味が込められています。
For the Next Millennium → ネキシウム
PPIの先行薬の「オメプラール」の適応である逆流性食道炎に加えて、現場からのニーズが高かった“非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍”“十二指腸潰瘍の再発予防”の効能効果も取得しています。潰瘍出血の経験がある患者の消化器保護などに用いられ、潰瘍出血の再発の抑制効果が広く認められています。PPI製剤の胃酸分泌抑制作用は、H2ブロッカー(ガスターなど)、M1ブロッカー(ガストロゼピンなど)を上回るといわれています。
PPI(プロトンポンプ阻害薬)の他に胃酸の分泌を抑える薬には、H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)、M1ブロッカー(選択的ムスカリン受容体拮抗薬)があります。どちらも逆流性食道炎に効果がありますが、効果としては、PPI>H2ブロッカー>M1ブロッカーの順で強力です。治療の初期はPPI、長期の維持療法にはH2ブロッカーを使うのが一般的です。
▼他のPPI(プロトンポンプ阻害薬)との違い
・オメプラール:一番薬価が安いPPI
・タケプロン:OD錠あり。副作用が少ない
・パリエット:効果が一番強い。薬価も高い(20mg)
・ネキシウム:効果が速く強い
・タケキャブ:タケプロンの改良版(P-CAB)。速効性で持続型
▼広告のキービジュアル
ネキシウム発売3周年の広告です。医薬品業界は、【○周年】という広告を良く打ち出します。月日を重ねるごとに、安全性も確立されますし、信頼できるというイメージ戦略なのかもしれません。
胃の改善を風船でたとえたキービジュアルです。不快感からの解放、というイメージでしょうか。非現実的な空間で、はっと目をひきました。ネキシウムのマークは、胃の内部の内壁を表していると思われます(放酸のイメージ?)。ファッション雑誌の広告のように綺麗なデザインですね。風船と云えば「ネキシウム」というくらいビジュアル・イメージが浸透してきました。
一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物
製品名:ネキシウムカプセル10mg,20mg
消化性潰瘍用剤/プロトンポンプ阻害剤/プロトンポンプ・インヒビター
第一三共
アストラゼネカ