マリゼブ/1週間、実感する力

1週間、実感する力

▼マリゼブとは?

「マリゼブ」は、いわゆる“DPP-4阻害薬”と呼ばれる血糖を下げる糖尿病の薬です。選択的DPP-4阻害剤は従来の糖尿病治療薬と違って、インスリンを過剰に分泌させません。低血糖のリスクがほとんどなくなるということです。

「マリゼブ」は、2015年から発売されている国内で9番目となる選択的DPP-4阻害薬です。週1回服用の長時間作用型ということが最大の特徴。インクレチンというホルモンの量を増やすことで、安全に血糖を下げる効果があります。更に、その作用時間はとても長く、1週間に一度の服薬で効果が持続します。

「マリゼブ」は腎排泄型ですが、有効成分が尿から体内に再吸収されるという特徴があります。そのおかげで、成分がなかなか排泄されないので、効果が長持ちしやすいのです。

DPP-4阻害剤の中での「マリゼブ」の売りは、やはり週1回服用の長時間作用型ということです。1週間に1度飲むだけなので、患者さんにとっては嬉しいですね。ただ、1週間に一度の服用で済む薬って、「あれ、今週飲んだかな?」と忘れてしまうことがあります。そのような服薬指導や、飲み忘れを防止する資材などがあれば良いなと思います。

▼DPP-4阻害薬とは?

DPP-4阻害剤は新しい種類の薬なので、薬価が高いのがデメリットですが、今のところ周囲に敵なし、という感じで売れ行きが増加しています。「マリゼブ」を含むDPP-4系の糖尿病治療薬は日本では事実上、第一選択薬(ファーストチョイス)の地位を築いています。禁忌や慎重投与となる条件が少なく、幅広い層の患者をフォローしているので、いろいろと使い勝手が良いのだと思います。残された課題は、長期安全性の立証と大血管合併症の発症や予防に関するエビデンスの確立と言われています。

近年、DPP-4阻害薬は種類が多くなり(2015年9月発売のマリゼブで9番目)、どの薬剤もきちんと服用すれば24時間のDPP-4阻害率は80%をクリアしているので、医師も選択に迷うような状況です。後から発売される薬は、それなりの個性がないと生き残っていくのが難しいのかな、と思います。

▼ザファテックとの違い

「マリゼブ」は、“1週間に一度”であることが売りですが、同じく1週間に一度の「ザファテック」という先に発売された薬(2015年5月発売)があります。ふたつの薬の効果に大きな違いはなく、適応症や薬の値段、飲み忘れた時の対応も同じため、特に厳密な使い分けは出来ていないようです。2016年7月時点での処方影響力調査(雑誌社調べ)では、第一位がザファテックで第二位がマリゼブ。以下トラゼンタ、スイニー、テネリア、ジャヌビア、オングリザ、グラクティブ、ネシーナ、エクアの順で、週1回製剤2剤がツートップという状況で、“DPP-4戦国時代”の中で存在感を見せています。

▼主なDPP-4治療薬の特徴

トラゼンタ】:胆汁排泄型、腎機能に関係なく使用可
テネリア】:胆汁・腎排泄型、半減期が24時間と長い、日本発
スイニー】:腎排泄型、中性脂肪やLDLコレステロールを下げる効果
オングリザ】:腎排泄型、解離半減期が長く、効果が持続する
【マリゼブ】:腎排泄型、週1回で他のDPP-4阻害剤と同等の効果

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、人魚のように水の中を潜水する女性。1週間というコンセプトが明確で、さらに綺麗なビジュアルです。水中は尿中をイメージしているのでしょうか。尿から体内に再吸収され有効成分がなかなか排泄されない、という「マリゼブ」の特徴を表現しているのかなと思います。それから、特にデザインで目を惹かれたのは製品ロゴです。

「マリゼブ」の「ブ」が数字の「7」になっている!

細かいところまで作り込んであります。


一般名:オマリグリプチン
製品名:マリゼブ錠12.5mg,25mg
糖尿病用剤/持続性選択的DPP-4阻害剤
MSD

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